カタールでのガザ停戦交渉、イスラエル軍駐留要求などで合意できず=関係者
ロイター / 2024年8月23日 8時11分
先週カタールで米国の仲介で行われたパレスチナ自治区ガザの停戦を巡る間接交渉で、イスラエルの軍駐留継続要求と拘束しているパレスチナ人の釈放条件を巡る意見対立が、合意を阻んでいることが分かった。写真はガザ地区南部で破壊された建物の横を通過するイスラエル軍の戦車。7月代表撮影(2024年 ロイター)
Andrew Mills
[ドーハ/ベイルート 22日 ロイター] - 先週カタールで米国の仲介で行われたパレスチナ自治区ガザの停戦を巡る間接交渉で、イスラエルの軍駐留継続要求と拘束しているパレスチナ人の釈放条件を巡る意見対立が、合意を阻んでいることが分かった。交渉事情に詳しいイスラム組織ハマス幹部2人と西側外交官3人がロイターに明らかにした。
これらの関係者の話では、バイデン米大統領が5月に示した停戦案をハマスが受け入れた後、イスラエルが出してきた新たな要求が対立の原因になっている。
特にハマスが懸念するのは、イスラエルが「ネツァリム回廊」と「フィラデルフィ回廊」に停戦後も軍をとどめることを求めている点だ。ネツァリム回廊は、イスラエルが建設したガザを南北に貫く道路で、パレスチナ市民の移動を防止している。フィラデルフィ回廊はガザとエジプトの境界地帯で、イスラエルの管理下にある。
関係者の1人は、ハマスはイスラエルが土壇場で停戦条件に変更を加えてきたと見なし、ここで譲歩すればさらに別の要求をされるのではないかと疑っていると説明した。
ハマスの複数の幹部は、イスラエルが拘束しているパレスチナ人について、ハマス側が指名した約100人の釈放を拒否したとも主張している。
こうした釈放は、昨年10月7日にハマスがイスラエルへの奇襲攻撃以来拘束している人質との交換で実施されるはずで、従来はそれほど困難な手続きとはみられていなかった。
ただイスラエルが現在、拘束中のパレスチナ人の多くを釈放するなら、イスラエル、ガザ、ヨルダン川西岸以外の地域に即時送還すべきだとの立場を取っていることが、停戦交渉のネックになっているという。
新たな停戦協議はエジプトの首都カイロで開かれる。
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