イランが大規模ミサイル攻撃=イスラエルに報復、死者も―ネタニヤフ首相「代償払わせる」
時事通信 / 2024年10月2日 15時18分
【エルサレム時事】イランは1日、親イラン組織の指導者が相次ぎ殺害されたことへの報復として、敵対するイスラエルに向けて弾道ミサイル約180発を発射した。これを受けてイスラエル軍は声明で、中東地域で近く反撃を敢行すると宣言。イスラエルとイランが攻撃の応酬を繰り広げるリスクが高まっている。
ロイター通信によると、イランのアラグチ外相は2日未明、「イスラエルがさらなる報復をしない限り、われわれの攻撃は終了した」と表明。イラン精鋭軍事組織「革命防衛隊」は声明で、極超音速ミサイルも攻撃に使用されたと説明。ミサイルの9割が標的に着弾したと主張したが、実際には多くが迎撃されたとみられる。
イスラエルのネタニヤフ首相は1日夜の閣議で「イランは重大な間違いを犯した。代償を払うことになる」と報復を明言。オースティン米国防長官はSNSで、イスラエルのガラント国防相と電話会談し連携を確認したとした上で、イランの攻撃を「言語道断の行為だ」と非難した。
イランでは7月、パレスチナのイスラム組織ハマスの最高指導者ハニヤ氏が、イスラエルの関与が疑われる攻撃で死亡。9月下旬にはハマス同様にイランが支援するレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの最高指導者ナスララ師が、イスラエルの空爆で殺害された。イランは今回の攻撃について、一連の指導者殺害への報復と位置付けている。
イランは4月にも革命防衛隊の司令官殺害への報復として、イスラエルをミサイルで攻撃。今回はそれを上回る規模となった。
イスラエル各地では1日、空襲警報が鳴り響き、市民が避難シェルターに逃げ込む様子がみられた。現地からの報道によれば、商都テルアビブでは落下した破片で3人が負傷。ヨルダン川西岸でもパレスチナ人1人が死亡した。イスラエル南部で電力インフラに被害が出たほか、空港では旅客機の発着が停止された。
[時事通信社]
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