重体のナワリヌイ氏、毒物盛られた可能性高い=独政府
ロイター / 2020年8月24日 22時35分
22日にドイツの病院に移送されたロシアの野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏について、ドイツ政府は24日、毒物が盛られた公算が大きいとし、搬送先の病院で保護下に置かれていると明らかにした。写真はモスクワで2019年7月撮影(2020年 ロイター/Shamil Zhumatov)
[モスクワ/ベルリン 24日 ロイター] - 飛行機内で体調が急変し意識不明の重体となり、22日にドイツの病院に移送されたロシアの野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏について、ドイツ政府は24日、毒物が盛られた公算が大きいとし、搬送先の病院で保護下に置かれていると明らかにした。
ドイツ政府のザイベルト報道官は記者団に対し、「ナワリヌイ氏に毒物が盛られた疑いがある」とし、「毒物による攻撃だったとほぼ確定できるため、保護が必要になる」と述べた。
独政府の見解に対し、ロシア政府は現時点でコメントしていない。ロシア警察とロシア連邦捜査委員会からもコメントは得られていない。
ナワリヌイ氏は20日に機内で倒れてシベリアの病院に搬送された。同氏の妻や側近らは、毒を盛られたと主張、22日にドイツの病院に同氏を移送した。
ナワリヌイ氏が最初に搬送されたシベリアの病院の医師団は24日の記者会見で、同氏の体内から毒物は検出されなかったと述べた。
シベリア・オムスクの病院の主治医は会見で「懸命な治療で彼の命を救った」と述べた。
別の医師は「毒のようなものを検出していれば、(治療は)はるかに簡単だった。明快な診断を下し、よく知られた治療を行った」と説明した。
医師団は、ナワリヌイ氏の命を救うために具体的に何を行い、何に対して治療を施したのかは明らかにしなかった。先週には低血糖によるとみられる代謝性疾患だと診断していた。
医師団は、治療中に当局から圧力を受けていないと述べた。
ナワリヌイ氏の周辺は、医師団が同氏のドイツへの移送を妨げていると非難していた。医師団は当初、ドイツへ移送できる状態ではないと語っていた。
ナワリヌイ氏をドイツに移送した非営利団体「シネマ・フォー・ピース財団」創設者のジャカ・ビジリ氏がビルト紙に対して明らかにしたところによると、ナワリヌイ氏は「毒殺未遂」から一命を取りとめる見通し。ただ、当面の政治活動は不可能という。
一方、ナワリヌイ氏の広報担当者であるキラ・ヤルミシュ氏は同氏の容体について、依然として新たな情報はないとした上で、自身もしくは治療に当たっている医師団のみが信頼性のある情報を提供できるだろうと述べた。
*内容を追加しました。
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