独IFO業況指数、4月は過去最低で最大の低下幅 V字回復見込めず
ロイター / 2020年4月24日 20時19分
[ベルリン 24日 ロイター] - ドイツのIFO経済研究所が発表した4月の業況指数は74.3と、過去最低となった。下方修正された前月の85.9から低下した。低下幅も過去最大。ロイターがまとめた市場予想は80.0だった。
クレメンス・フューストIFO所長は「ドイツ企業の心理は悲惨な状況だ」とし「コロナ危機がドイツ経済に猛烈な勢いで打撃を与えている」と述べた。
ドイツ連邦銀行(中央銀行)は20日に発表した月報で、国内経済が厳しいリセッション(景気後退)局面にあると指摘した。
ドイツ政府は7500億ユーロ(8060億3000万ドル)規模の経済対策などで新型コロナ危機に対応しているが、前日発表された4月の購買担当者景気指数(PMI)は、すでに新型コロナの打撃を受けていた3月からさらに大幅に悪化した。
INGのエコノミスト、カルステン・ブルゼスキ氏は「きょうのIFOの数字は悲惨だが、成長予測を立てる上でより深刻な懸念は、封鎖措置の緩和が当初の想定よりもしばらく先となり、より段階的に実施されることだ」と述べた。
メルケル首相は前日、「まだ始まりの段階にある」新型コロナの大流行を乗り切るために国民に忍耐と規律を呼びかけた。
IFOのエコノミストは、国内のリセッションからの回復は早くても年央になるとしたうえで、急速なV字回復は見込めないとの見方を示した。
VPバンクのエコノミストは、新型コロナの予防ワクチンが開発されたとしても、パンデミック(世界的大流行)は輸出主導型のドイツ経済に長期的な影響を及ぼすとし、「サプライチェーンが問題となり、反グローバル化の流れが加速する可能性がある」と述べた。
*内容を追加しました。
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