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欧州、銀行保全で連携する必要 EU復興基金利用も=EBA議長

ロイター / 2020年5月25日 23時28分

欧州銀行監督機構(EBA)のカンパ議長は25日、新型コロナウイルスの感染拡大から銀行を守るために欧州諸国は連携する必要があるとの考えを示した。ブリュッセルで2011年12月撮影(2019年 ロイター/YVES HERMAN)

[フランクフルト 25日 ロイター] - 欧州銀行監督機構(EBA)のカンパ議長は25日、新型コロナウイルスの感染拡大から銀行を守るために欧州諸国は連携する必要があるとの考えを示し、総額5000億ユーロ(5450億ドル)の欧州連合(EU)復興基金が利用される可能性について示唆した。

カンパ議長はロイターに対し「銀行支援に向け欧州全体の対応策があることは理にかなう」とし、「(世界的な金融危機時に米国で実施された)不良資産救済プログラム(TARP)に類似した予防的な資本注入の形で実施される可能性がある。欧州ではEU復興基金がその役割を果せる」と述べた。

カンパ議長のこうした発言はドイツなどの財政力がある国が財政難に苦しむイタリアなどの国を支援することの是非を巡る議論を呼び起こす可能性がある。

EBAは、欧州の銀行が4300億ユーロを超える資本バッファーを構築しており、新型ウイルス感染拡大で苦境に陥っている旅行会社やレストランなどの業界で不良債権が増加しても、損失は十分にカバーできると試算。ただ、イタリアやスペインなど新型ウイルス感染拡大で大きな被害を受けた国の銀行の脆弱性は高まっている。

カンパ議長は「不良債権は向こう2、3四半期で急増すると予想される。どの程度増加するか予測するのは難しい」とし、「銀行の耐性は先の金融危機前と比べて向上しているが、今回の危機がどのように展開するかはまだ分からない。先手を打つ方が後手に回るよりも望ましい」と述べた。

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