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NY市場サマリー(26日)=S&Pとナスダック下落、ドルや円が上昇、利回り小幅上昇

ロイター / 2024年8月27日 7時17分

<為替> ニューヨーク外為市場ではドルや円が上昇。円も大半の通貨に対し上昇した。中東地域における地政学的緊張が高まる中、安全資産とされるドルや円への逃避買いが膨らんだ。

英市場が祝日で休場だったため、商いは比較的薄かった。

レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは25日、イスラエルによる幹部殺害の報復として、同国に対し数百発のロケット弾と無人機(ドローン)を発射。イスラエル軍はヒズボラが大規模攻撃を準備していることを事前に察知し、約100機の戦闘機でレバノンの標的を攻撃したと発表したものの、過去10カ月以上にわたる双方の交戦で最大規模の衝突の一つとなった。

クラリティFXのエグゼクティブディレクター、アモ・サホタ氏は「地政学的緊張が要因となったことは間違いない。イスラエルとレバノンを巡る情勢が市場を動かしたのは確かだ」と述べた。中東情勢の緊迫化を受け、先週末に下落していた原油価格も26日に3%急騰したことは「円やスイスフラン、カナダドルなどに恩恵をもたらした」と述べた。

終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.2%高の100.84。一時100.53と、昨年12月終盤以来の安値に沈んでいた。

<債券> 米金融・債券市場では、国債利回りが小幅上昇した。この日発表された経済指標で企業による設備投資の冷え込みが示唆されたものの、先週23日の米連邦準備理事会(FRB)パウエル議長の発言を受けた大幅な低下が消化される中、値動きは限定的なものとなった。

米商務省が26日発表した7月の耐久財受注は前月比9.9%増と、前月の6.9%減からプラスに転じた。一方、民間設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財(コア資本財)受注は0.1%減と、6月の0.5%増(0.9%増から下方改定)から予想外に減少した。

先週の取引終了時点では、「ジャクソンホール会議」でのパウエル議長の発言から利下げ時期が近いとの見方から利回りは低下していた。

ブリンマー・トラストの債券部門ディレクター、ジム・バーンズ氏は、8月の労働市場やインフレのデータが出るまで、大きな変動があるとは思えないと指摘。「利回りはこのところかなり下がってきていたため、この時点で一服するのは理にかなっている」と述べた。

指標となる10年債利回りは0.9ベーシスポイント(bp)上昇の3.816%。8月は月初から約30bp低下しており、月間の低下幅としては昨年12月以来の大きさとなる見通し。

<株式>  米国株式市場は、S&P総合500種とナスダック総合が下落して終了した。半導体大手エヌビディアが28日に四半期決算発表を控え、売られたことが重しになった。

ダウ工業株30種はプラス圏で終了。重機械メーカーのキャタピラーのほか、クレジットカード大手アメリカン・エキスプレス(アメックス)などに買いが入ったことで押し上げられた。

市場では米連邦準備理事会(FRB)の金融政策の行方を見極めようと、30日に発表される7月の個人消費支出(PCE)が注目されている。

エヌビディアは2.25%安。同社の決算発表は今週最大の注目材料で、業績見通しが非常に優れた内容でなければマイクロソフトやアルファベット、メタ・プラットフォームズなど人口知能(AI)関連銘柄の上昇に打撃を及ぼすとの懸念が一部で出ている。

電子商取引(EC)サイト「Temu(ティームー)」などを運営する中国PDDホールディングスの米上場株は29%近く急落。第2・四半期売上高が市場予想を下回ったことを嫌気した。

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言で9月利下げが確実との楽観的な見方が広がる中、続伸した。

パウエルFRB議長は23日、年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で、政策を転換する「時が来た」と明言。9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決定する方針を明示した。同氏はまた「労働市場の一段の減速は歓迎しない」と述べ、政策転換により雇用の悪化を回避する考えを表明した。こうした発言を受けて利子の付かない資産である金の投資妙味が高まり、買いが先行。中東情勢の緊迫化懸念も安全資産としての金の需要を後押しし、相場は一時2560ドル台に上伸した。

ただ、高値圏では利益確定の売りが出やすく、上げ幅は一部縮小された。市場関係者の間からは、中国が再び買い出動する兆候がいくらかみられるが、中国の需要回復がなくても、各国中銀からの金需要は最高値水準でも旺盛で今後もこの流れが続く見込みだ、と指摘する声も聞かれた。

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、3営業日続伸した。パレスチナ自治区ガザ停戦交渉がまとまらなかったほか、リビアの内政混乱に伴う石油生産停止の報を受けて買いが膨らんだ。

米国などを仲介役としたガザ停戦交渉が25日、エジプトの首都カイロで行われた。ガザの対エジプト境界地帯「フィラデルフィ回廊」への軍駐留に関し、複数の妥協案が提示されたものの、イスラエルとイスラム組織ハマスはいずれも拒否。また同日には、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとイスラエルが互いに大規模な攻撃に踏み切り、一段の情勢悪化への懸念が浮上している。

さらに、東西分裂状態が続くリビアからの石油供給停止への警戒感も台頭。ロイターによると、同国の油田の大半を掌握する東部の政治勢力は26日、全油田を閉鎖したと発表した。リビア国営石油会社(NOC)はこれを確認していないが、日量100万バレル前後の現行の産油量がゼロになる可能性もあるという。こうした供給リスクの高まりを受け、相場は早朝以降に上げ幅を拡大。終盤まで堅調地合いが継続した。 

ドル/円 NY終値 144.52/144.53    

始値 144.03    

高値 144.65      

安値 143.87      

ユーロ/ドル NY終値 1.1161/1.1162    

始値 1.1171    

高値 1.1178      

安値 1.1151      

         

  米東部時間      

30年債(指標銘柄) 17時05分 102*13.00 4.1096%

  前営業日終値 102*17.00 4.1020%  

10年債(指標銘柄) 17時05分 100*14.50 3.8198%

  前営業日終値 100*18.00 3.8070%  

5年債(指標銘柄) 17時05分 101*15.25 3.6691%

  前営業日終値 101*18.00 3.6500%  

2年債(指標銘柄) 17時05分 100*25.63 3.9379%

  前営業日終値 100*27.13 3.9130%  

         

   終値 前日比 %  

ダウ工業株30種 41240.52 +65.44 +0.16

 前営業日終値 41175.08      

ナスダック総合 17725.77 -152.03 -0.85

 前営業日終値 17877.79      

S&P総合500種 5616.84 -17.77 -0.32

 前営業日終値 5634.61      

         

COMEX金 12月限 2555.2 +8.9  

前営業日終値 2546.3      

COMEX銀 9月限 3000.7 +18.7  

前営業日終値 2982.0       

北海ブレント 10月限 81.43 +2.41  

前営業日終値 79.02      

米WTI先物 10月限 77.42 +2.59  

前営業日終値 74.83      

CRB商品指数 281.9741 +3.2508  

前営業日終値 278.7233      

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