欧州の選挙でメディアはロシア偽情報の対策強化を＝副委員長

欧州連合（ＥＵ）欧州委員会のヨウロバー副委員長は２６日の記者会見でソーシャルメディアを運営する巨大プラットフォーム各社に対し、欧州の一連の選挙を前にロシアによる偽情報拡散への対策を強化するよう求めた。写真は、２０２３年９月１９日に北京を訪問した同副委員長。（２０２３年　ロイター／Florence Lo）

Foo Yun Chee

[ブリュッセル ２６日 ロイター] - 欧州連合（ＥＵ）欧州委員会のヨウロバー副委員長は２６日の記者会見でソーシャルメディアを運営する巨大プラットフォーム各社に対し、欧州の一連の選挙を前にロシアによる偽情報拡散への対策を強化するよう求めた。中でも実業家イーロン・マスク氏が所有するＸ（旧ツイッター）については、投稿に占める偽情報の割合が最も大きいと名指しで批判した。

欧州では９月３０日にスロバキア、来月はポーランド、来年には欧州議会の選挙を控え、関連する大量の偽情報に懸念が強まっている。

グーグルの親会社米アルファベット、米マイクロソフト、米メタ・プラットフォームズ（旧フェイスブック）、　中国系の動画投稿アプリ「ＴｉｋＴｏｋ（ティックトック）」などプラットフォーム運営各社は過去半年間、ＥＵが定めた偽情報に関する自主的規範に基づき、偽情報対策のデータを欧州委に提出したが、Ｘは５月に規範から離脱している。

ヨウロバー氏は、ＥＵではデジタルサービス法（ＤＳＡ）が完全施行されたため、マスク氏は自主的規範を離脱しても義務を免れないと指摘。「ツイッターに対する私のメッセージは、拘束力のある法律を順守しなければならない、われわれはあなた方の行動を監視している、というものだ」と述べた。

また、ロシアが「民主主義は専制主義に劣るという誤ったイメージを作り出すために」偽情報をばらまいているとし、「数百万ユーロ規模の武器」に相当すると指摘した。