インドのシン前首相が死去、経済改革を主導 初のシーク教徒首相
ロイター / 2024年12月27日 9時1分
[ニューデリー 26日 ロイター] - インドのマンモハン・シン前首相が26日、搬送先の病院で死去した。92歳だった。2004─14年までシーク教徒として初となるインドの首相として、高い経済成長率を達成した。
英国統治下のインド(現パキスタン)の貧しい家庭に生まれ、ろうそくの明かりを頼りに勉強して英ケンブリッジ大学に入学し、その後英オックスフォード大で経済学博士号を取得した。
中央銀行であるインド準備銀行総裁や政府顧問を歴任し、91年に財務相に就任、96年まで務めた。その間、外貨準備高が激減し危機に直面していた国内経済を救い、規制緩和や外資開放などで改革を推し進めた。
所属政党である国民会議派が政権を奪還した04年以降は、首相として高成長を成し遂げた。富を分配し、農村部の貧困層向け雇用プログラムなどの福祉制度を導入した。08年には、米国との原子力エネルギーの平和的取引を認める協定を締結し、両国の強固な関係への道を開いた。
一方、経済開放路線を巡り与党内で合意形成につまずき、与党党首にとどまったソニア・ガンジー氏が実権を握っているとの見方を払しょくするのに苦慮した。
政権2期目に汚職問題などに対する大規模な抗議活動が起こると、政府関係者を取り締まらなかったとして非難を浴びた。また、世界的な経済混乱と政府の意思決定の遅れが景気減速を招き、14年の総選挙では現在のモディ首相率いるインド人民党(BJP)に政権交代を許した。
退任直前の記者会見では「正直に言って、現代のメディアや議会の野党よりも歴史の方が私に優しくなると信じている」と語り、最善を尽くしたと主張した。
モディ氏は「インドは最も著名な指導者の一人を失ったことを悲しんでいる」と述べ、死去を悼んだ。
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