パキスタン格付け、「Ｃａａ２」に引き上げ＝ムーディーズ

　８月２８日、格付け会社ムーディーズは、パキスタンの自国通貨建て・外貨建て発行体格付けと、シニア無担保債格付けを「Ｃａａ３」から「Ｃａａ２」に引き上げた。写真は米ニューヨークのマンハッタンで２０２１年１１月撮影（２０２４年　ロイター／Andrew Kelly）

Ariba Shahid

[２８日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズは、パキスタンの自国通貨建て・外貨建て発行体格付けと、シニア無担保債格付けを「Ｃａａ３」から「Ｃａａ２」に引き上げた。マクロ経済状況の回復と、政府の流動性と対外ポジションの改善を理由に挙げた。

７月に国際通貨基金（ＩＭＦ）と７０億ドル規模の拡大信用供与措置（ＥＦＦ）について事務レベルで合意したことを受け、パキスタンの債務不履行リスクが低下したことが格上げにつながったと説明した。

パキスタンの外貨準備高は２０２３年６月以降倍増したにもかかわらず、対外的な資金調達ニーズを満たすには依然として不十分と指摘した。

ムーディーズはＩＭＦ理事会が数週間以内にＥＦＦを承認すると予想した。

トップライン・セキュリティーズのモハメド・ソヘイル最高経営責任者（ＣＥＯ）は、格付けが１年以内に再び引き上げられる可能性があると述べた。

ムーディーズは国際収支危機を巡る懸念は和らいだが、パキスタンは引き続き外国政府などのパートナーからの資金調達に依存しているため、リスクは依然として高いと警告した。

ＩＭＦが求める改革を政府が完全に実施できるかどうかも不透明と指摘。改革の実施が遅れれば、パートナーからの融資の遅れや撤退につながる可能性があるとした。