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スイスは「金融部門の強力な改革」必要=IMF審査報告

ロイター / 2024年3月29日 12時59分

 国際通貨基金(IMF)は28日公表したスイス経済の審査報告で「金融セクターの強力な改革」が必要だと指摘した。写真はIMFのロゴ。チリのサンティアゴで2019年7月撮影(2024年 ロイター/Rodrigo Garrido)

John Revill

[ベルン 28日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は28日公表したスイス経済の審査報告で「金融セクターの強力な改革」が必要だと指摘した。

IMFは、昨年経営危機に陥ったクレディ・スイスを政府の肝いりでUBSが救済合併したことで金融市場に安定をもたらしたと評価しつつも、この時の経験や今後の展望を踏まえると、金融セクターの力強い改革が求められるとしている。

UBSはクレディ・スイスを傘下に収め、資産規模はスイスの国内総生産(GDP)をはるかに上回っており、IMFが懸念しているのはこうした巨大化の影響。経済協力開発機構(OECD)も今月、同じような警告を発した。

また20カ国・地域(G20)の中央銀行や金融監督当局などでつくる金融安定理事会は、UBSが破綻した場合にスイスにもたらすリスクを強調し、同国に対して銀行監督の強化を促している。

IMFの調査チームを率いるペリン・バークメン氏は、クレディ・スイスの一件から得られた教訓をスイスの銀行部門の規制・監督強化に活用する必要があると主張。同部門の足腰を改善する取り組みはある程度進展しているとはいえ、IMFが2019年に示した提言はなお重要な意味を持っていると付け加えた。

当時IMFは、スイス連邦金融市場監督機構(FINMA)に銀行幹部への制裁金を命じたり、行政処分を公表したりする権限を与えるべきだなどと訴えていた。

バークメン氏によると、スイス当局は銀行の資本・流動性要件を巡る問題にも対処しなければならず、危機発生時に銀行が緊急に利用できる、より効果的な公的な流動性資金供給制度の導入も不可欠だという。

IMFはスイスの金融セクターについてもっと詳しい審査を年内に実行し、来年初めに報告書を公表する予定だ。

スイスのマクロ経済に関しては、頑強なファンダメンタルズを備えている一方で、年金の積み立て不足や不動産セクターの脆弱性といった課題にも直面しているとの認識を示した。

IMFが予想するスイスのGDP成長率は今年が1%、来年が1.7%と、スイス政府見通し(今年1.1%、来年1.7%)とほぼ同じだった。

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