米軍が日本産ホタテ購入へ長期契約、「中国の経済的威圧に対抗」と米大使
ロイター / 2023年10月30日 18時50分
10月30日、エマニュエル駐日米大使はロイターとのインタビューで、東京電力第1原発の処理水放出を理由とした中国による日本産水産物の全面禁輸を受け、米軍が日本の水産業者と長期契約し、ホタテなどを買い取ると明らかにした。写真は水揚げされたホタテ。昨年4月、根室港で撮影(2023年 ロイター/Daniel Leussink)
Yukiko Toyoda John Geddie
[東京 30日 ロイター] - エマニュエル駐日米大使は30日、ロイターとのインタビューで、東京電力第1原発の処理水放出を理由とした中国による日本産水産物の全面禁輸を受け、米軍が日本の水産業者と長期契約し、ホタテなどを買い取ると明らかにした。中国に依存しない新たな流通ルートの確保を支援する考え。
購入した水産物は、米軍基地内の売店や飲食店で米兵向けに販売するほか、米艦乗員の食事に使用する。エマニュエル氏は、日米で連携して「中国の経済的威圧に対抗していく」と述べた。
エマニュエル氏は東日本大震災で日本を支援するため米軍が行った「トモダチ作戦」の第2弾だと強調し、米軍はまず日本産ホタテ約800─900キロを購入し、取引対象を全ての日本産水産物に拡大すると説明した。日本産ホタテは中国が最大の輸出先で、とりわけ禁輸の打撃を受けていた。
エマニュエル氏は「米軍が中国市場に取って代わることができるとの幻想は抱いていない」とする一方、「中国の経済的威圧から脱する最善の方法は、標的となった国家を結束して支援することだ。結束して対抗すれば、中国は最終的には退却を迫られる」と述べた。
ソーシャルメディア(SNS)でも中国に批判的な投稿を続けているエマニュエル氏は、中国に対して自身は「タカ派なのではない。リアリストなだけだ」と主張。「私も(関係の)安定を望んでいるが、率直であることとは矛盾しない」と述べた。
さらに「中国が法の支配に基づく国際システムの一部であったときは誰もが投資したが、中国はシステムに背を向けたのだ」と主張し、その結果として対中投資の落ち込みや若者の失業率増加を招いたとの見方を示した。
中国外務省の汪文斌報道官は30日の会見で、エマニュエル氏の発言について問われ「外交官の責務は、国家間の友好を促進することであって、他国を中傷したり、対立をあおったりすることではない」と述べた。
(豊田祐基子、John Geddie 編集:久保信博)
この記事に関連するニュース
-
焦点:戦争は「素人大統領」をどう変えたか、苦悩増すゼレンスキー氏
ロイター / 2024年7月18日 17時28分
-
米大使「安全性の風評根拠なし」 福島・南相馬のサーフィン視察
共同通信 / 2024年7月6日 18時28分
-
経済的威圧を強める中国、これまでの動きから見えてくる規制対象品選出の条件
マイナビニュース / 2024年7月5日 7時15分
-
トランプ前政権高官が米誌に寄稿、「米国経済を中国から切り離すべき」(米国、中国、日本)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月25日 0時20分
-
焦点:南シナ海問題で「積極広報」に転じたフィリピン、試される中国
ロイター / 2024年6月21日 7時24分
ランキング
-
1「慰安婦」強制連行説は「日韓離間工作の道具」 韓国で像撤去を求める朱玉順氏が批判
産経ニュース / 2024年7月20日 20時26分
-
2キーシン氏を「外国の代理人」指定…「我々はプーチンとその取り巻きより長生きする」とSNS投稿
読売新聞 / 2024年7月20日 17時2分
-
3トランプ氏銃撃、動機は不明 発生1週間、警備当局に批判も
共同通信 / 2024年7月20日 18時47分
-
4バングラデシュ全土に夜間外出禁止令発出へ…政府はネットを遮断、デモ死者105人に
読売新聞 / 2024年7月20日 12時31分
-
5ルワンダ「英に費用返さない」 不法移民の移送計画廃止で
共同通信 / 2024年7月20日 18時16分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください