ユーロ圏インフレ率、予想通り鈍化=シュナーベルECB専務理事
ロイター / 2024年8月30日 18時33分
8月30日、欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事は、ユーロ圏のインフレ率が予想通り鈍化しており、追加利下げでディスインフレの進行が妨げられるリスクが一段と低下していると述べた。写真はフランクフルトのECBで7月撮影(2024年 ロイター/Jana Rodenbusch)
Balazs Koranyi
[タリン 30日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事は30日、ユーロ圏のインフレ率が予想通り鈍化しており、追加利下げでディスインフレの進行が妨げられるリスクが一段と低下していると述べた。
ただ、政策金利が低下するにつれて、金融政策を一段と慎重に運営する必要が生じるとの認識も示した。
市場では来月の追加利下げが予想されており、今回の発言を受けてそうした見方がさらに強まる可能性が高い。
シュナーベル氏はエストニアの首都タリンで講演し「最近のデータはインフレ率が25年末までに2%の目標まで持続的に低下するという基本シナリオと引き続き整合性が取れている」と発言。
「世界の他の地域で潜在的な景気減速の兆しが出ており、制限的な政策の解除を緩やかかつ段階的に進めても、物価安定に戻る軌道から外れるリスクは低下している」と述べた。
ただ、どこまでが金融引き締めの解除で、どこから金融緩和が始まるかは判断が難しいため、金利の低下に伴い政策を一段と慎重に運営する必要が生じるとも主張。
「政策金利が中立金利の推定バンド上限に近づけば近づくほど──つまり政策がどの程度制限的であるか確信が持てなくなればなるほど、われわれはより慎重になるべきだ」と述べた。
また、政策金利の変更は四半期に1回の方が適切かもしれないとの認識も示唆。
「そうしたリスクに対して政策を強靭なものにするには、政策の基本シナリオを調整する基礎になる主な前提を徹底的に見直す必要がある」とし、そうした見直しは3カ月ごとに行われていると述べた。
同氏は景気後退(リセッション)よりも軟着陸(ソフトランディング)の可能性の方が依然として高いとの見方も示した。
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