ATP会長、シナーのドーピング問題は「規則通りに処理された」
AFPBB News / 2025年1月10日 14時41分
【AFP=時事】男子プロテニス協会(ATP)会長のアンドレア・ガウデンツィ会長は、ヤニック・シナー(イタリア)のドーピング問題について、優遇措置は一切なく、「規則通りに処理された」と主張するとともに、同選手が資格停止処分を受けたとしてもテニス界は存続すると述べた。
世界ランキング1位のシナーは、昨年3月に行われた検査で禁止薬物のクロステボール(clostebol)代謝物に2度の陽性反応を示したが、テニスの不正監視団体ITIAからの処分を免れた。
シナーは切り傷の治療薬が入ったスプレーを使用した理学療法士からスポーツマッサージやスポーツセラピーを受けた際に薬物が体内に混入したと主張し、ITIAもこの説明を受け入れた。
しかし、世界反ドーピング機関(WADA)はスポーツ仲裁裁判所(CAS)に上訴して最大2年間の出場停止処分を求めており、シナーはその裁定を待たされている。
前週にはノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、ランキングの高い選手が他の選手と異なる扱いを受けているように見えると指摘し、ドーピングによるテニス界の出場停止処分について透明性の向上を求めた。
しかし、シナーが連覇を目指す全豪オープンの開幕を12日に控える中、ガウデンツィ会長は豪通信社AAPの10日付のインタビューで、ジョコビッチの指摘は事実ではなく、シナーのケースは適切に処理されたとし、「かなり多くの誤報が出回っており、それは残念なことだ」「優遇措置は一切なかったと100パーセント確信している。この問題のプロセスは、ITIAによって規則通りに処理された」と述べた。
四大大会(グランドスラム)通算24勝を誇るジョコビッチは、陽性反応は汚染が原因とするシナーの説明を信じるとしながらも、他の選手たちは全過程を通じて「暗闇の中に置かれていた」との考えを示した。
これに対してガウデンツィ会長は、自身がこの件を知ったのは「ITIAからの発表の2日前で、それは本来の手順通りだった」と主張。また、この件が決着するのを待つよう求める一方で、シナーが出場停止処分を受けようともテニスは存続すると強調し、「もしそうなったとしても、彼は生き残るだろうし、われわれも生き残るだろう。総合的にテニスは非常に強力なプロダクトだ」と語った。
【翻訳編集】AFPBB News
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