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「10G回線」ってどれくらい速いの?自宅にも導入するべきでしょうか?【Wifiの専門家が解説】

オールアバウト / 2024年5月10日 22時10分

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10G回線とは何か、10G回線を導入するメリット、導入するにあたっての注意点などを、LAN/無線LANの専門家で「All About」ガイドの岡田庄司が解説します。

最近見かけるようになった「10G回線」。導入に至っている人はまだ少ないのではないでしょうか?

そんな「10G回線」について、LAN/無線LANの専門家で「All About」ガイドの岡田庄司が解説します。

(今回の質問)
10G回線って速いの? 導入するメリットは?

(回答)
規格上は速いですが、体感できるメリットは限られます。また、利用できるエリアとそうでないエリアがありますし、用意する機材も高価です。

どういうことなのか、以下で詳しく解説します。

「10G回線」は速い?

通常よく使われている回線は、光の1G回線。10G回線はその10倍の速度となります。とはいっても、実際の速度は最高で8Gbps程度です。筆者の環境で実際に計測してみると、下図のように8.274Gbpsが出ています。
10G回線の速度を計測した結果
ただし、回線の速度は、利用しているプロバイダや計測サイトや時間帯によって大幅に異なります。したがって契約する際は、近隣の利用者や、もしいなければ、Web上の生の情報を慎重に吟味する必要があります。

10G回線のスピードを活用するには難しい?

上に述べたように、確かに10G回線は速いですが、ブラウザでWebページを閲覧したりYouTubeで高精細な動画を視聴するといったレベルであれば、その違いを体感できるとは言えません。

例えば、筆者の環境では、1G契約でも800~900Mbpsほどの速度だったので、Webページの閲覧もYouTubeの高精細動画も快適に視聴できおり、何気なくネットを使用するだけであれば、そこまで違いは感じられませんでした。回線スピードを計測してみると、その差を感じることはできましたが、実際に10G回線を十分に活用するのはまだ難しいように感じます。

というのも、大方の作業を行うインターネット網の速度が、まだ10Gといった高速回線に対応していないからです。ただ、高速なバックボーンを持つ、リアルタイムゲームなどでは、コンマ何秒といった違いが勝敗を分けるので、10Gの恩恵を受けることができることもあるでしょう。

また、現在契約しているプロバイダの速度が遅く、1G契約でも200~300bps程度しか出ない場合は、10Gに変更して1G以上の速度を利用するということも考えられます。ただし、集合住宅の場合、そもそも10G回線にできない場合や、もし回線を変更できても効果が期待できない場合もあるので、プロバイダの説明をよく聞いてから、契約するようにしてください。

多数の端末を接続しても安定して利用できる

多くのユーザが1つの回線を利用する場合、接続台数が多くなればなるほど速度は落ちていきます。テレビ、エアコン、洗濯機、冷蔵庫、レンジ、炊飯器、ロボット掃除機などインターネットであらゆるものにつながるIoT(Internet of Things)家電は、どんどん増える傾向にあります。そんな中、例えばAmazonプライムなどで提供される高画質の映画を、多数の端末で視聴するような場合は、回線の速度に影響が出る場合もあります。

そのような場合は、回線を10G契約にすると解消する場合もあります。ただ、単純に10G回線にすればよいというわけではなく、接続台数が増えれば増えるほど、ルーターに負荷がかかるので、それだけ高速な処理ができるルーターも必要です。また、製品の仕様に記載のある最大接続数を参考にルーターを選択してください。
画像:All About ニュース編集部作成

10G回線を導入するには?

10G回線を導入するには、機材を新しく購入する必要があります。従来の機材を流用できれば問題ないですが、次のような比較的高価な機材を用意する必要があります。

・無線LANルーター
10G回線のWANポート(インターネットポート)を持つ無線LANルーター。これは必須です。できれば、有線でも10G回線を利用したいので、10G対応のLANポートも1つは欲しいところです。
BUFFALO社のWi-Fi7対応無線LANルーター WXR18000BE10P

・10G対応のHUB
2台のコンピュータ間で10Gの通信を行うには、10G対応のHUBが必要です。最低でも10G対応のポートが2つ必要。2台のコンピュータ共にインターネットも10G対応にしたい場合は、3ポート以上の10G対応のHUBを準備してください。
TP-LINK社の5ポート10G デスクトップスイッチ TL-SX105

・高速なデスクトップコンピュータ
10Gの回線速度を利用するには、処理もそれに追いつかなくてはいけません。最新の高速なCPUを装備したデスクトップパソコンが望ましいと思います。ノートパソコンにUSB3.0の10G対応の有線LANアダプタで接続することもできますが、デスクトップに装備されているPCI Expressスロットのような転送速度は期待できません。

・PCI Express対応の10G対応のLANード
マザーボードに10G対応のポートがあればよいのですが、かなり高価なマザーボードとなります。通常販売されているのは、2.5G対応のマザーボードが多いでしょう。また、かなり熱を持ちますので、ゲーミング用のグラフィックボードと併用するには、ケースの放熱に留意する必要があります。
BUFFALO社 10GbE対応PCI Expressバス用LANボード LGY-PCIE-MG2

・カテゴリー6A対応のLANケーブル
10G回線に必要なLANケーブルはカテゴリー6A以上のLANケーブルとなっています。

集合住宅では利用できない場合も……

現状、1G回線が提供されているエリアでも、必ずしも10Gプランが用意されているとは言えません。また、1戸建て住宅で提供されているエリアでも集合住宅では利用できない場合もあります。

また、月額料金も1G回線より高額になります。このあたり地域によって環境はさまざまですので、契約しているプロバイダに聞いたり、大手家電店にて情報を収集してみてください。

この記事の筆者:岡田 庄司
ライター歴は20年以上。パソコン通信時代からネットワークに興味を持ち、LANや無線LANが一般に普及する前からLANの話題を追いかけ続けている。著作はすでに40冊を超え、テクニカルライターとしても活動している。(文:岡田 庄司)

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