インフレで「貯金の価値」が半減することはある? どう備えればいい?
オールアバウト / 2025年1月29日 12時20分
ロシアがウクライナを侵攻して以降、世界中で物価が上がっています。日本も例に漏れず、長い間続いたデフレが終わりそうです。インフレが起きると貨幣の価値が目減りします。長い目で見ると、どれくらい価値が薄れてしまうおそれがあるのでしょうか?
先日、読者より以下の相談が届きました。
「最近の物価高騰、インフレによる現金の目減りに恐怖ですね。せっかく貯めた貯金が半分の価値になってしまうこともあるのでしょうか?」
ロシアがウクライナを侵攻して以降、世界中で物価が上がっています。日本も例に漏れず、長い間続いたデフレが終わりそうです。
ご質問者さまが心配されているように、インフレが起きると貨幣の価値が目減りします。長い目で見ると、どれくらい価値が薄れてしまうおそれがあるのでしょうか?
日本の消費者物価指数の推移
TradingViewで日本の消費者物価指数の推移を調べてみました。1957年1月の消費者物価指数は17.2でしたが、2024年11月には110.0になりました(2020年を基準年=100とした場合)。
物価がそのまま消費者物価指数に連動すると仮定すると、1957年1月には17.2万円で買えたものが、今では110万円するという話になります。物価は67年で約6.4倍です。
言い換えると、1957年1月時点のお金は、67年の間で価値が6.4分の1に目減りしてしまったということです。
よって、ご質問者さまにいただいた「現金の価値が半分になることはありうるのか?」という質問に対しては「前例があることを考えれば、長い目で見れば、現金の価値が半減する可能性は高い」というのが筆者の回答です。
半減するまでの期間は?
では、貯金の価値が半減するとして、どれくらいの期間かかるのでしょうか? ざっくりと試算してみましょう。貯金の価値が半減する、ということは、言い換えると「物価が2倍になる」ということです。今1万円で買えるものが2万円になり、1万円の価値が半分に減ります。
先ほどお見せしたグラフでは、日本のCPI(消費者物価指数)は過去67年で年2.8%のペースで物価が上がっていました。足下の物価上昇ペースも同じくらいです。
そこで、物価が年2%上がった場合と、年3%上がった場合の2つのケースで、貯金の価値がどれくらいの期間で半減するか試算してみましょう。
お金が2倍になる期間が簡単にわかる便利な算式「72の法則」を使えば、物価が2倍になるのにおおむね何年かかるかが計算できます。計算方法は以下の通りです。
必要年数=72÷年利回り
物価が年利回り2%ずつ上がる場合、72÷2=36年で、約36年で物価が2倍になります。
物価が年利回り3%ずつ上がる場合、72÷3=24年で、約24年で物価が2倍になります。
足下の物価上昇ペースも年2~3%くらいですから、35年もすれば、かなり高い確率で現金の価値が半減しているのではないか、と筆者は考えています。
貨幣の価値は減り続ける
貨幣は国の都合で「ばら撒かれる」のが常ですから、時間とともに価値が薄れていく可能性が高いと思います。ペースがゆっくりなので気がつきにくいですが、長い目で見れば半分になってしまう可能性もありますから、現金だけでなく、不動産や株式などにも投資をして、上手にインフレに備えたいところです。
文:中原 良太(個人投資家・トレーダー)
18歳に株を始め、25歳でYahoo!株価予想達人で「ベストパフォーマー賞」を受賞。主に株式投資とマネー(お金)についての情報をSNSやYouTube、メルマガなどで発信。IQ上位2%のMENSA会員。
(文:中原 良太(個人投資家・トレーダー))
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