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組み立て式の一眼レフカメラ「Konstruktor F Camera」を組み立ててみた!

ASCII.jp / 2024年3月7日 18時0分

組み立て式一眼レフカメラKonstruktor
ロモグラフィー「Konstruktor F Camera」実売価格4170円

 カメラのフィルムを現像できる店が激減しているのにビックリしたジャイアン鈴木です。ほんの数年前は徒歩圏内に1店、車で10分未満のところに1店あったのですが、今回フィルムを現像しようとしたら両方とも閉店していました。

 というわけで我が町から、フィルムカメラで撮影した写真を数時間後にはネットからダウンロードできるような利便性は失われてしまったのですが、元々便利さを求めていたわけではないのでノーダメージ。撮影した写真をすぐに見られないのも、フィルムカメラならではの味わいというもの。今回は「組み立てる」、「撮る」、「現像する」が全部楽しめる、ロモグラフィーの組み立て式一眼レフカメラ「Konstruktor F Camera」のサンプルを提供してもらったので、実際に組み立ててみたいと思います。

組み立てて楽しい 構造を学べて役に立つ「手作り一眼レフカメラ」

 「Konstruktor F Camera」は、組み立てる楽しみを味わえ、構造を学べる「手作り一眼レフカメラ」。プラモデルと同様にランナーからパーツを取り外し、組み立てていく必要があります。ちなみに筆者が組み立てに要した時間は約2時間。撮影やメモを取りながら組み立てたので普通より時間がかかっていますが、なかなか手応えを感じられる組み立てキットだと思います。

組み立て式一眼レフカメラKonstruktor
こちらが「Konstruktor F Camera」のパッケージ。オーストリアのメーカーならではのオシャレなデザインです
組み立て式一眼レフカメラKonstruktor
パッケージを開くと、パーツが付いたふたつのランナー、フレームやボディーが収められています

 カメラとしてのスペックの前に、実際に組み立てた感想をお伝えすると、なかなか難しいキットでした。接着剤を使わず、パーツははめ込むか、ネジ止めするだけなので、組み立て自体にテクニックが必要というわけではないのですが、説明書が10ヵ国語対応で、日本語も含まれていますが、多言語対応なぶんいくつか説明不足な箇所がありました。

 タミヤのラジコンキットのように組み立てのコツなどは記載されていないので、構造を理解しつつ、ある程度試行錯誤しながらパズルを解くように作っていく必要があります。ただ、やや難易度が高いぶん、完成したときの喜びはひとしお。またパーツの働きを考えながら組み立てることで、カメラの構造をより深く理解できます。

 この組み立て工程は「Konstruktor F Camera」の大きな売りです。今回は組み立て工程の早回し動画を用意したので、雰囲気だけでも感じ取っていただければ幸いです。(悪戦苦闘する私の様子を最後までぜひご覧ください)

 動画を踏まえて作ったときの感想を補足すると、パーツが硬くて、割れちゃうかも! ……と怖いところがいくつかありました。予備のパーツを単体購入できるのかどうか気になるところです。

 あと使い慣れた工具があったほうが断然よいですね。ドライバーは付属していますが、細くて、小さいので、力加減がちょっと難しいです。またできればピンセットがあると、小さいスプリングをはめるのがラクになります。レンズ回りを触るときはゴム手袋をしていると指紋が付きにくくてよいですよ。

 最後の注意点としては、イラストだけを見て組み立てるのは避けましょう。超重要な注意事項が、書体やサイズを変更することなく記載されていたりします。見逃すと、かなり前の工程までやり直さなければならなくなります。

組み立て式一眼レフカメラKonstruktor
説明書のイラストはかなり細かく描かれていて、パーツの位置関係を示していることがあります。筆者はハズキルーペなしでは組み立てることはできませんでした

トイカメラ的質感ですが 自分で組み立てただけに愛着がすごい

 というわけで「Konstruktor F Camera」が無事完成したので、一眼レフカメラとしてのスペックをお伝えしましょう。

 本製品は35mmフィルムを使用するレンズ交換可能な一眼レフカメラ。焦点距離は50mm、絞りはF10。シャッタースピードは1/80(N)またはバルブ(B)を選択可能。ISO感度の調整機能は用意されていません。

 多重露光撮影は可能で、三脚穴を用意。ケーブルレリーズには非対応です。PCソケットが用意されており、外付けフラッシュ「Konstruktor Flash Accessory Kit」を取り付けての撮影も可能です。

組み立て式一眼レフカメラKonstruktor
向かって左が、シャッターモードを1/80(N)、またはバルブ(B)に変更するためのレバー。右がシャッターを作動させるためのミラーリセットノブです
組み立て式一眼レフカメラKonstruktor
背面には特になにもありません
組み立て式一眼レフカメラKonstruktor
左から巻き戻しダイヤル、シャッターボタン、フィルムカウンター&フィルム巻き上げダイヤル
組み立て式一眼レフカメラKonstruktor
シャッターボタンを押している間、シャッターを開ける「バルブ撮影」には、底面の三脚穴が必須です
組み立て式一眼レフカメラKonstruktor
右側面と左側面。右側面のフィルムドアロックは、撮影後にフィルムを巻き上げるまで、絶対に開けてはいけません
組み立て式一眼レフカメラKonstruktor
フィルム未装着時の実測重量は193.03g。個人的には少し重りを入れたいところです

 本体サイズは実測130×72×76mm、重量は実測193.03g。ボディーカラーはブラックですが、ブラック、ホワイト、レッドのシールで異なるカラーリングを楽しめます。フィルムは、快晴の日はISO100、晴れの日はISO200、曇りの日はISO400、室内ではISO800が推奨されています。天気の様子を見てフィルムを選択するというのも、なんともアナログっぽくって趣深いです。

レンズ交換可能な構造ですが、現時点では製品公式サイトに交換レンズは掲載されていません
撮影する際にはビューファインダーカバーを展開します
ミラーリセットノブを引くと、フードビューファインダーにイメージが投影されます
レンズを起こして目を近づけると、ピントの山をしっかり確認可能です

 完成した「Konstruktor F Camera」にはトイカメラ的なチープさがありますが、自分でイチから組み立てただけに愛着たっぷり。また構造を把握できているからこそ、操作部の力加減も把握できています。もちろん扱いにある程度の注意は必要ですが、愛着を持って使えるカメラに仕上がっていると言えます。

4170円のカメラとは思えないほど キレイに、忠実に写るカメラです

 さて、「Konstruktor F Camera」で実際に撮影して紙に現像された写真が下記になります。どうでしょう、結構よくないですか? ISO800のフィルムを使ったので少し飛び気味の写真もありますが、それも含めていい味が出ていますよね。そして、フィルムにもよるでしょうが、色が忠実なんです。下の写真に写っている車は「スイフトスポーツ」の「チャンピオンイエロー」というカラーですが、実物に近い色で写っています。

4170円のカメラでこれだけキレイに写るんだと、予想以上の結果に驚きです

本製品でキレイに写ったときの喜びはスマホカメラでは味わえません

 「Konstruktor F Camera」のエモ度、レトロ度はともに100点です。組み立てキットということで作るのにはそれなりに苦労しますが、それだけにフィルムを現像に出し、キレイに写っていたときの喜びはスマホカメラでは味わえないものです。フードビューファインダーに映る淡いイメージを頼りに、画角やフォーカスを合わせるという作業も楽しいですよ。

 昭和時代のレトロカメラも魅力的ですが、自分で作るからこそ深い愛着を持てる「Konstruktor F Camera」ならではの撮影体験をぜひ試してみてください。

この記事を書いた人──ジャイアン鈴木

 EYE-COM、TECH Win、TECH GIAN、PDA Magazine、DIGITAL CHOICE、ログイン、週刊アスキー、週アスPLUSと主にPC系メディアで勤務。2015年1月よりフリーの編集兼ライターとして活動を開始した。

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