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サポート・修理に力を入れるマウスコンピューターが広島に拠点開設 「修理品質を重視する」取り組みとは

ASCII.jp / 2024年3月22日 12時0分

 マウスコンピューターは、西日本の修理サービス拠点として、昨年11月に開設した広島サービスセンターの内部をメディアに公開。あらためて同社のサポートや修理での取り組みを紹介した。

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広島に設置されたマウスコンピューターの修理拠点を見てきた
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広島市街からも近い最新の物流施設内にある

3年無償保証を開始したマウスコンピューター 埼玉・春日部に続き、西日本をカバーする修理拠点を広島に開設

 マウスコンピューターは「期待を超える3つのポイント」として、「Made in Jpan」「Just for You」「Full Support」の3点をユーザーにアピールしている。特にサポートについては、創業30周年を迎えた2023年の新たな施策として、3年無償保証を開始。また、72時間以内の修理完了を目標とするなど、力を入れている。

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同社がユーザーにアピールしている3つのポイント

 その要となる修理拠点は、従来は埼玉県春日部市にある「埼玉サポートセンター」に集約していたが、どうしても西日本のユーザーとの間では配送に時間を要する。その点、広島であれば九州・中国・四国(一部除く)には翌日配達が可能とメリットがあるわけだ。今後は人員の増強や育成を進めることで、今年中には西日本全域をカバーし、全体の1/3の修理を担う予定としている。

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こちらは埼玉サポートセンター
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広島サポートセンターはまさに拡大中で、今年中には西日本全域をカバーする
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エディオンとの関係から、広島には小規模な修理拠点は以前からあった。新施設は旧施設の従業員が継続して通勤するのに適した場所が選ばれた

 その広島サポートセンターだが、広島駅から約7km、広島電鉄江波線江波駅から約1.5km、市街地からも近い広島湾を臨む江波地域の物流施設「GLP広島Ⅱ」内にある。このGLP広島Ⅱは2023年に完成したばかりの5階建ての建物で、最大4テナントが入居可能。テナントの従業員がいない状況でも、荷物の積み下ろしが可能な置き配のスペースがあるなど(GLP広島Ⅱ内には佐川グローバルロジスティクスの拠点も入っている)、効率的な施設になっている。

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海を一望できるカフェテリアが魅力的

 また、内部にはカフェテリアや休憩スペースがあり、従業員にとって快適な労働環境であることと同時に、テナント企業にとっては従業員確保の面でメリットがあるというわけだ。

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無人コンビニも設置

広い倉庫内でスタッフがPCを修理 交換用パーツの故障を防ぐための工夫が興味深い

 さて、広島サービスセンターの中を見ていこう。

 箱に入った修理品が届くと、チェックシートに基づいて、製品の傷や付属品について確認がなされる。特に付属品の有無についてはトラブルが生じないよう、写真を撮影して、システムに登録しているという。

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まずは付属品の有無や製品の状態などをチェックし、システムに登録するところからスタートする
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こちらはチェックシート。ノートPCは35項目、デスクトップPCは30項目ある

 実際の修理作業はノートPCとデスクトップPCでエリアが分かれている。ここで重要なのがユーザーから連絡を受けた症状の再現、そして製品の故障箇所の診断となる。

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実際にマザーボードを交換しているところ

 故障箇所が判明すれば、倉庫内に在庫として用意されたパーツと交換されるが、パーツの保管方法には興味深い工夫が見られた。具体的にはマザーボードや液晶パネルなどについて、プチプチ(緩衝材)で作られた袋に吊るして保管しておくことで、保存中の自重などを原因とした故障が防げるという。これは従業員のアイデアによって生み出されたもので、袋自体は自分たちで作ったとのことだ。

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5年間修理可能を前提としているため、当然ながら旧世代のビデオカードなども在庫として持っている
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薄型のパーツはプチプチの袋に入れて、吊り下げる形で保存している
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この袋は市販で都合のいいものがないため、手作りしたそうだ

 なお、交換されたパーツは、部品メーカーに修理・交換依頼などをすることがあり、品質管理本部のある埼玉サービスセンターに送って一括して管理している。また、今後の製品開発に活かすべく、傾向性のあるトラブルかどうかを分析するため、以前は開発に従事していたスタッフも広島サービスセンターには所属している。

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不良機材はまとめて保管され、埼玉サービスセンターに送られる

コールセンターは全国4ヵ所に拠点を設置 修理については時間の短縮だけでなく、品質を重視している

 同社常務取締役 サービス本部 本部長 軣 秀樹氏からは、同社のサービス体制についての説明がなされた。

 まずコールセンターは、沖縄がメインで、米子は通常のサポートに加え、ECサイトの販売サポートも担当。さらに修理の現場に隣接した拠点として、埼玉と広島には小規模ながら法人を中心に担当する部隊を置く考えだ。拠点を分散することで、たとえば昨年台風による停電で沖縄のコールセンターに問題が発生した際も、サポート自体は止めずに運用を続けられたという。

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コールセンターは2ヵ所(沖縄、米子)+サービスセンターの2ヵ所でも小規模ながら設置する

 修理では、前述した「入荷から72時間の修理完了」に加えて、「5年間の修理可能率100%」「修理した製品が3ヵ月以内に再度修理に出される割合を6%未満」という3つの指標を目標として掲げている。

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3つの指標でサービスセンターのパフォーマンスを見ているが、平均修理納期は2022年の60時間から2023年の70時間に延びている

 しかし、よく数字を見ると、1つ目の平均修理納期については、目標の72時間こそ達成しているが、2022年度の60時間から2023年度の70時間に、数値自体は延びていることがわかる。この理由として、軣氏は「修理の品質を重視した結果」と説明する。

 単純に修理時間を短縮するだけなら、故障していると推測される箇所を早々に判断して、パーツを交換、すぐに返却するという方法もある。しかし、それではユーザーのトラブルをしっかり捉えられていない(結果としてトラブルは解消しない)可能性があるし、もちろん交換用パーツのコストもかさむ。

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今回説明した同社のサービス体制を説明した常務取締役の軣 秀樹氏

 修理品質を高めるためには、ユーザーが訴えているトラブルを確実に再現し、その部分を修理する必要がある。そこで製品をチェックする時間をしっかりかけた結果として、平均修理納期は若干延びたものの、一方で再返却率は低下した(5.99%→5.10%)とその成果を語った。

確実に繋がる連絡先や時間を伝えるなどの協力で 修理に要する時間や品質でユーザーにもメリットあり

 また、修理の早い完了や確実な作業にはユーザー側の協力もあると、お互いにメリットがありそうだ。

 たとえば、トラブルを再現するためにユーザーに連絡を取る機会が生じることもあるが、その際に確実につながる電話番号・時間帯がわかっていれば、連絡に要する時間が短縮できる(「連絡待ち」のステータスになっている修理品は多く発生しているとのこと)。さらにWindowsやMicrosofftアカウントのパスワードをあらかじめ伝えておけば、PCの状況をより確認しやすい。

 もちろんユーザーがマウスコンピューターのサイト上にあるFAQを見てトラブルシュートをしておいたり、問題をより具体的に伝えることも修理スタッフには役立つ。マウスコンピューター製品に限らず、PCにトラブルが起きて修理に出すときは、まずは慌てず、これらのことを確認するとよさそうだ。

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広島サービスセンターの床面積は1080m2と埼玉の約半分
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約6mという高さを生かして、ネステナーと呼ばれるラックによって、部材の在庫を保存している
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カフェテリアはスペースがたっぷり用意されている
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建物内の床には健康のために歩幅を広くしようという表示も。新しいだけに遊び心もあり
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こちらはコールセンターの指標。受電率は目標の90%にかなり近づいている
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コールセンターへの連絡に用いられる手段の割合。AIチャットはまだ比率が低く、品質面の改良でこの割合を増やし、受電率をさらに高めたいとのこと
修理部門を持つPC販売店などを前提に、自営保守契約の認定制度も開始している
 

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