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新iPad AirとiPad Pro 買い物徹底攻略ガイド! 注目すべきポイントはどこ?

ASCII.jp / 2024年5月10日 7時0分

アップルがロンドンで開催したiPadシリーズ新製品の発表会を振り返りながら、お買い物の時に気をつけたいポイントを解説します

 アップルが独自に設計するAppleシリコンを載せた新しい「iPad Pro」と「iPad Air」を、5月15日に発売します。筆者がアップルのスペシャルイベントをロンドンで取材した情報を基に、これからiPadシリーズの購入を検討する際に注目しておきたいポイントを整理整頓してみたいと思います。

新しいiPad Pro/iPad Airは「違い」が明快

 アップルはiPadシリーズのフラグシップモデルに「iPad Pro」を置き、その先端的な機能を継承する魅力的なハイエンドモデルとして「iPad Air」を位置付けています。

おなじみ、アップル公式サイトの「iPadの比較」ページ。新旧モデルの差分もひと目で分かる便利なページです

 新しいiPad ProとiPad Airは、それぞれ画面のサイズから11インチと13インチの2種類に分類されます。カスタマイズをしない場合、ベースラインの価格はiPad Proの11インチが16万8800円、13インチが21万8800円。iPad Airは11インチが9万8800円、13インチが12万8800円です。同一サイズのProとAirを比べた場合、11インチどうしは7万円、13インチどうしは9万円の価格差があります。

iPad Airはスペースグレイ/スターライト/パープル/ブルーの4色展開

 4つのモデルは「できること」やサイズ、価格などが明快に異なっているので、購入を検討する方の「必要なPad」も絞り込みやすいと思います。

 ストレージはiPad Airが128GB/256GB/512GB/1TBと4つのサイズがあります。前世代のiPad Airは、64GBか256GBの2種類しか選べませんでした。最小ストレージが拡大したこともうれしいポイント。旅行の際に、iPad Airにたくさんの動画ファイルを入れて機内やホテルで楽しむゆとりが生まれます。

13インチと11インチのiPad Pro。カラーはシルバーとスペースブラックの2色展開です

 iPad Proが256GB/512GB/1TB/2TBというストレージ構成。最小ストレージの128GBがなくなってしまいましたが、やはり動画やイラストなどのクリエイティブワークにiPad Proを活用するようになると、本体に保存するデータのサイズも大きくなります。ユーザーからも大きなストレージ容量が求められるようになったということなのでしょう。

 Wi-Fiモデル、Wi-Fi+Cellularモデルを選択するかによっても購入価格は変動します。現在使っているiPadなどアップル製品を「Trade Inの下取りサービス」に出せば予算のギャップを少しでも埋められます。

正直、新しいiPad Proは魅力的だけど高い……。下取りサービスの効果的な活用なども徹底吟味が必要です

 新しいiPad Pro、iPad Airの発売に合わせて、第10世代のiPadが値下げを敢行しました。ベースラインであるWi-Fiモデルの価格が1万円ほど安くなっています。

 第10世代のiPadが発売された後もしばらく併売されていた第9世代機がいよいよ販売を完了しました。フロントベゼルにTouch ID付きのホームボタンを搭載するiPadが現行ラインナップから姿を消した格好です。

Ultra Retina XDRディスプレイの画質は期待以上!ひと目見るとiPad Proをポチりたくなると思います

やはり衝撃的だったiPad Proの「有機EL高画質」

 iPadシリーズ史上初めて有機ELを採用したiPad Proの高画質は、大きな魅力です。2層構造の「タンデムOLEDテクノロジー」を採用するUltra Retina XDRディスプレイを、13インチだけでなく11インチのiPad Proも搭載しています。前世代では大きな12.9インチの方だけがXDR(HDR)画質のLiquid Retina XDRディスプレイでした。従来11インチのiPad Proユーザーは、有機ELの特長を活かした明暗メリハリと、色鮮やかな映像を目の当たりにしたら少なからぬ衝撃を受けると思います。

 iPad Airは液晶方式のLiquid Retinaディスプレイです。やはり注目すべきは、iPad Airのラインナップに初めて加わった13インチのモデルです。11インチよりもスクリーンの表示エリアが30%も広いため、手書きでノートをまとめたりイラストを描く用途に快適さが実感できると思います。

画面の表示エリアが大きな13インチのiPad Air。イラストレーターの皆さまにおすすめです

 iPad Airで、映画や音楽などエンターテインメントを楽しむ場合も同様です。13インチのiPad Airは内蔵スピーカーの音質が、11インチよりも横向きスピーカーで出せる低音が13インチは約2倍パワフルです。画面の広さと相まって、いっそうリアルな没入感が楽しめると思います。

イラストレーターにNano-textureディスプレイガラスは必要?

 iPadシリーズをイラスト制作に活用するクリエイターも増えています。Apple Pencilの利用頻度が高い方は、これから新しいiPadシリーズの購入を検討する際に気をつけたいポイントが大きくふたつありそうです。

 Apple Pencilによる「なめらかな書き味」を重視するならば、やはりディスプレイのリフレッシュレートを高めるProMotionテクノロジーが載っているiPad Proを選ぶべきです。新製品が店頭に並んだら、フリーボードやメモなどiPadOSの標準アプリで書き味を試してみることをおすすめします。

ProMotionテクノロジーを搭載するiPad ProはApple Pencilによるなめらかな書き味を実現しています

 もうひとつの検討事項はiPad Proの場合、カスタムオーダーの際に1TB以上のストレージを選ぶと、同時に選択できる「Nano-textureディスプレイガラス」の必要性です。

 先にApple Studio Displayなど純正の外付けディスプレイなどの機器から搭載が始まったNano-textureの技術は、ガラスパネルそのものに微細な半光沢コーティング処理を彫り込むというもの。ガラスに映り込む光を拡散させて、反射を最小限に抑える効果があります。

 アップルはiPad Proを映像制作に活用するクリエイターに勧めるオプションとしてNano-textureディスプレイガラスの特徴を説明していまが、iPad Proを屋外に持ち出して使う機会が多くある方も、太陽光の映り込みが減らせる恩恵を受けられるかもしれません。

左側がNano-textureディスプレイガラスを追加したiPad Pro。会場のシーリングライトの映り込みが抑えられているのがわかりますでしょうか

 一方、Nano-textureディスプレイガラスがマットな質感に見えるので、「触れた感じもざらっとするのではないか?」と想像するかもしれません。実際には指で触れたり、Apple Pencilによる書き味は標準仕様の光沢ガラスとほぼ変わりません。アップルによると、Apple Pencilによる描画を繰り返すことでNano-texture処理のコーティングにダメージを与えることはないそうですが、長期間Apple Pencilで描き続けた場合にどうなるかは試してみないとわかりません。保護フイルムもガラスのコーティングに影響を与える恐れがあるので、基本的には使わない方が賢明です。

 iPad Proのディスプレイには、標準の機能として反射防止コーティングが載っています。ならば、あとは髪のような書き味が得られるフィルムなどアクセサリーを活用する方が、イラストレーターの方には期待通りのカスタマイズができそうです。

iPad Proも本体を横に向けた時に、上部中央にフロンとカメラの位置がくるようにデザインを一新しています

メイン&フロンとのカメラも大きく変わった

 カメラに関しては新しいiPad Pro、iPad Airがともにフロントセンターカメラになりました。先に第10世代のiPadが搭載した機能です。

 iPad Pro、iPad Airを横向きにすると上部中央の位置にカメラが向くので、オンラインビデオ会議でのプレゼンテーションの時など自然にカメラ目線を合わせやすくなります。

 iPad Proのメインカメラは超広角カメラを省略したシングルユニット構成になりました。代わりにアダプティブTrue Toneフラッシュを載せたことで、「メモ」アプリなどによるドキュメントのデジタルスキャニングがよりキレイにできます。

12MPの広角カメラとアダプティブTrue Toneフラッシュ、LiDARセンサを搭載するiPad Proのメインカメラユニット

 ほかにもiPad ProのメインカメラはProResフォーマットの高精細な動画が撮れたり、AR体験の精度向上につながるLiDARスキャナと連携します。

 生体認証はiPad ProがFace ID、iPad Airが電源ボタンに内蔵するTouch IDになります。この構成は前世代のモデルから変わりませんでした。コロナ禍の頃に比べると、最近は屋外でマスクを着用する時間が減ってきましたが、iPad ProにもTouch IDをハイブリッドで載せてもらえたら最高だったのにと筆者は思います。

デジタルコネクタとセルラー通信

 本体に搭載するデジタルコネクタはiPad Proが最大40GbpsのThunderbolt 3/USB 4、iPad Airは最大10GbpsのUSB 3となります。

 iPad Proは高速転送性能を活かして最大6K/60Hzまでの外部ディスプレイ接続に対応します。外部ストレージからの高速読み書きや、10ギガビットEthernetの機能を拡張することも可能です。

iPad Proは極薄の筐体なので、USB-Cコネクタの幅とほぼ変わらない感じがします

 5G対応のWiFi+Cellularモデルについては、新しいiPad ProとiPad Airの両方が「eSIMのみ」の対応になりました。物理的なSIMカードを挿せるスロットがありません。

 アップルによると世界の主要なグローバル通信キャリアのサービスがeSIMに対応していることを踏まえた上での決断だったそうです。現在使っているデータ通信サービスがeSIMのプランに変更できないものだった場合、通信プラン、または通信キャリアの乗り換えも検討する必要があります。

新しいiPad Pro、iPad Airに対応するApple Pencil Pro。交換用のペン先は従来のアップル純正品が使えます

Apple Pencil ProはiPadシリーズとの互換性に注意

 新しいiPadと一緒に発表された専用アクセサリーについても、注目のポイントをおさらいしましょう。

 Apple Pencil Proは本体内蔵のセンサーを増やして、新たにペン先側の本体を押し込む「スクイーズ」や、ペン軸を回転させる「バレルロール」というジェスチャー操作を組み込んでいます。またペンによる操作に触感センサーで、フィードバックを返すこともできます。

 アップルが外部のデベロッパに提供するPencil Kitのフレームワークも、Apple Pencil Proの新機能に対応しました。今後はGoodNotes 6やProcreateのようなサードパーティの対応アプリが、続々と増えます。

 Apple Pencil Proには「探す」機能があります。筆者もApple Pencilを持ち歩くとよくバッグの中で迷子になったり、打ち合わせ先に置き忘れてヒヤリとすることがあります。Apple Pencilは行方不明になりやすいデバイスだと思うので、「探す」機能への対応は大歓迎です。

新しいジェスチャー操作や「探す」機能を追加しています

 大きな進化を遂げた「Apple Pencil Proだけ買ってみたい」と考えている方も、少なくないと思います。残念ながら本機は新しいiPad ProとiPad Airだけに対応するデジタルペンです。第2世代のApple Pencilに対応するiPadシリーズでは、使えません。反対に第2世代のApple Pencilを、今回発売される新しいiPad ProとiPad Airで使うこともできません。ペンをよく使う方は、iPad本体と一緒に購入する必要があります。

iPad Proのキーボードには何を選ぶ?

 新しいMagic KeyboardはM4チップを搭載するiPad Proの専用アクセサリーです。iPad ProをモバイルPCとしてテキストタイピングにもフル活用される方は、従来のMagic Keyboardが流用できなくなります。

とてもスタイリッシュな新しいMagic Keyboard。このアクセサリーに触れてしまうとiPad Proがものすごくほしくなります

 新しいMagic Keyboardは薄型軽量化を果たし、本体のキーボード側にアルミニウム素材を使ったことで堅牢性能も向上しています。とても魅力的なアクセサリーですが、筆者のようにApple Pencilを使ってよくiPadシリーズで文字やイラストを書く方には、iPadに装着したまま使えるSmart Keyboard Folioの方がおあつらえ向きです。

 今のところまだアップルから新しいSmart Keyboard Folioの発表がありません。筆者はiPad Proを買ったら、しばらくはSmart Folioカバーを装着して、タイピング作業にも使う際にはワイヤレスキーボードを持ち歩こうと思っています。

 13インチのiPad AirはSmart Folio Keyboardが使えるので、その点では12.9インチのiPad Proからの「移行先」として候補に挙がってきます。ただ、筆者は高精細なUltra Retina XDRディスプレイの映像にひと目ぼれしてしまったので、やはりiPad Proを選ぼうと思っています。近く実機のレポートもお届けしたいと思います。

 

筆者紹介――山本 敦  オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

 

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