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簡単に固定ナットのネジ穴作りができる「ちょっとナッターII」が便利でした

ASCII.jp / 2024年8月26日 18時0分

 2つの材料をねじ止めしようとしたとき、貫通穴をあけて裏にナットを入れ、ネジで固定する……というのがよくやる方法でしょう。

 しかし、ナットだと空回りしないよう裏から押さえておく必要がありますので、材料が大きかったり、ネジの本数が増えたりすると、ナットを入れる作業だけでも結構大変です。また、作業中にナットを落としてしまうと、さらに作業効率が落ちてしまいます。

 材料がパイプの場合はもっと深刻で、裏側……つまり、パイプの内側にナットを入れるのが難易度高め。頑張って入れたところで、指も工具も届かず押さえられませんから、空回りする可能性はかなり高くなってしまいますしね。

材料そのものにネジ穴を作るには何が必要?

 こういった場合に便利なのが、ナットを入れる代わりに、タップ加工でネジ穴を作る(あらかじめ開けた穴へ、表面がギザギザの工具を差し込み、回転させて雌ねじを作る)ことです。材料そのものにネジ山を作れるため、ナットが不要となるのが最大のメリット。裏に入れる必要も、押さえておく必要もありませんから、片面から次々とネジ止めしていけます。

 ただし、この方法にも欠点があって、それは"材料に十分な硬さと厚みが必要"なことです。薄い板だと金属であっても十分なネジ山の数が作れず、ネジ締めた瞬間、ネジ山が壊れてしまいます。また、樹脂のように柔らかい素材でも、ネジ山が潰れてしまう危険があります。

 そんな薄板や柔らかい材料でも、安全にネジ穴を作る方法があります。それが、ブラインドナットです。これは、押し潰すことで薄板を挟み込み、固定できるというナット。ネジ山はナットの部分にあるため、材料の厚さや強度によらず、しっかりネジ止めできるというのがメリットです。

 ところがブラインドナットを潰すにはナッターと呼ばれる工具が必要で、これが意外と大きくてジャマ。たまにしか使わないのであれば、より安価でコンパクトなロブテックスの「ちょっとナッターII」(実売価格1850円)を使ってみるのはどうでしょう。

コンパクトな「ちょっとナッターII」

直径約24mmの小さな本体

 今回試したのは、M4(4mmネジ)用の「ちょっとナッターII」。セットに入っているのは、ちょっとナッターII本体、マンドレル、六角ナット、エビナット(ブラインドナット)の4つだけです。

 本体は、直径約24mmと小さい円筒形。これに六角ナットをセットしたマンドレルを通し、先端にエビナットを取り付けて使用します。

エビナットの先に、少しマンドレルの先端が出るようにします

 これだけではエビナットを押しつぶせないため、その他の工具として、マンドレルを固定する六角レンチ棒(3mm用)と、レンチ(7mm用)が必要です。また、下穴(φ6.1mm)をあけるためのドリルも必要です。

六角レンチ棒とレンチ、下穴用のドリルが別途必要です

 手順としては、まずはエビナットを固定したい材料に下穴をあけます。エビナットを装着したちょっとナッターIIをこの下穴に差し込み、六角レンチ棒でマンドレルを固定。そして、六角ナットをレンチで締めていきます。

マンドレルは回転させず、六角ナットを締めていきます

 六角ナットを締めていくと、マンドレルの先に装着されたエビナットが引き上げられていき、ちょっとナッターII本体で支えられた材料に押し当てられ、潰れて固定される……という仕組みです。

材料に挿しこまないまま潰してみたところ。イメージしやすいよう、固定する材料の部分を緑で塗ってみました

 なお、六角ナットを締めすぎると材料やネジ山が壊れる危険があるほか、弱いとエビナットの固定が甘くなってしまうため、適切な回転数で締める必要があります。この回転数は材料の材質や厚みによって変わるので、取り扱い説明書の裏にあるグラフを見て、作業するといいでしょう。

説明書の裏に、材質別の厚みと回転数のグラフがあります

約1.5mmのスチールで試してみた

 まず試してみたのは、5mmの木ネジが付属していた双輪キャスター。穴のあいたスチールプレートが付いており、木材にネジ止めして使用するためのものです。この穴を、ネジ穴に改造してみましょう。

 といっても、やることは多くありません。穴をφ6.1mmまで拡張し、ちょっとナッターIIを使うだけです。約1.5mm厚のスチールなので、六角ナットの回転数は3回くらいです。

元穴をφ6.1mmに広げ、エビナットが通ることを確認
エビナットをセットしたちょっとナッターIIを挿し込みます
六角ナットをスパナで回して、エビナットを潰します
これで、M4ネジで止められるようになりました

対応外の約3mmのアクリルで試してみた

 もうひとつ試したのは、約3mm厚のアクリル板。そもそも、M4用のちょっとナッターIIは2mm厚までしか対応していないので対象外ですが、実際試してみるとどうなるのか気になったので、やってみました。

 やり方は、双輪キャスターと同じ。φ6.1mmの下穴をあけ、エビナットをセットしたちょっとナッターIIを差し込み、六角ナットをスパナで回します。

うまく潰れたように見えますし、結構頑丈

 エビナットがキレイに潰れているため、パッと見うまくいってるように思えます。ですが実は、最後まで締める前からアクリル板に少し歪みが出ていました。

 どうも、エビナットの膨らんだ部分の端が、アクリルの穴を内側から押しているようです。今回はうまくいっている感じですが、最悪、穴の内側からの圧力でアクリル板が割れてしまう可能性もあります。やはり、2mmを超える板厚の場合は、2mm以上に対応するM5やM6用のちょっとナッターIIを使うほうがいいでしょう。

名前の通り、ちょっとネジ穴を作りたいときに!

 ちょっとナッターIIは、エビナットのでっぱりが小さく飛び出さない、エビナットが回転しないため失敗が少ないといった利点があります。何より、汎用工具との組み合わせで使えるため、コンパクト。使い終わった後、しまっておくのに場所を取らないというのが魅力です。

 使うのに多少手間がかかるため、何十カ所もネジ穴を作りたいといった場合は専用工具となるナッターを買うほうが楽だし便利です。しかし、たまにしか使わない、数カ所だけ使えれば十分といった場合は、ちょっとナッターIIで十分です。何より、安価ですしね。

 棚にホルダーを追加したいとか、PCケースにパーツを固定したい、キャスターを取り付けたい、といったときに活躍してくれるでしょう。

●お気に入りポイント●

・安価でコンパクト

・簡単な操作でネジ穴が作れる

・エビナットだけの追加購入もできる

この記事を書いた人──宮里圭介

 PC系全般を扱うフリーランスライター。リムーバブルメディアの収集に凝っている。工作が好きだが、最近あまり時間が取れないのが悩み。

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