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欧州なら3000円から探せる、格安宿ドミトリー攻略法

ASCII.jp / 2024年9月4日 7時30分

高くても安心なホテルか、泊まるだけと割り切るか

 海外旅行で円安やインフレの影響をもろに受けているのが宿泊費です。もともとホテル代が高めの欧州やアメリカだと、主要都市では1泊1万円でも個室に泊まれないというケースはざらにあります。宿代が安かった東南アジアなども、しっかりと探さないと以前のようなオトクな個室はなかなか見つかりません。

欧州のホテルなどは格安ビジネスホテルでも1泊3万円以上する時期があるので、節約旅派にはつらいところ

 年に1回の特別な旅行であれば、少し高めの予算で考えるのもいいですが、筆者のように極力旅費を抑えて何度も海外旅行に行きたい節約派には、深刻な悩みどころです。そのため最近では宿泊費を抑えるために、OTA(オンライン・トラベル・エージェント)などから、相部屋スタイルの「ドミトリー」を予約して宿泊するケースが増えています。

ベルギー・ブリュッセルで宿泊したドミトリー

■ドミトリーってどんな宿泊施設なの?

 ドミトリーと聞くと、"安いけど汚い"というイメージがあるかも知れませんが、最近はかなりキレイでオシャレなドミトリーも多くあります。特にヨーロッパはその傾向が強く、受付のフロントはビジネスホテルなみにしっかりしていて、ロビーなどの共有エリアはコワーキングスペースのようになっていることも。下手に激安の個室ホテルに泊まるよりもキレイで快適だったりします。

共有スペースがオシャレなドミトリーもヨーロッパには多い。部屋は男女相部屋か女性専用の部屋がある

 寝室はひとつの部屋に2段ベッドや3段ベッドを配置して、ほかの宿泊者と同じ部屋を共有するスタイルです。基本的にはひと部屋6人から8人、広めの部屋の場合10人以上で相部屋というケースもあります。ちなみに、日本のカプセルホテルのようなスタイルも、海外ではドミトリーに分類されています。

■ベッドの快適さは?

 ベッドはスチール製の2段ベッドを使っているところも多いですが、木製のボックスタイプもよく見かけます。

 スチール製はマットレスの通気性が良く清潔感があるいっぽう、ベッドの上で動いたり、上段への上り下りで階段を使うとギシギシと音がします。また、寝ている姿も丸見えなので、プライベート感はありません。

 ボックス型のほうはまわりが囲まれていて、目隠しのカーテンがつけられていることも多いため、ある程度のプライベートは保てます。ただしマットレスなどがしっかり掃除がされていないと汚れが目立ち、匂いも籠もりやすいといった欠点があります。

 いずれも一長一短ですが、個人的には目隠しができるボックス型のほうが好きです。

スチールタイプの2段ベッドを使うドミトリーが多い
ボックス型のほうがプライバシーは若干あるものの、マットの下などにゴミがたまりやすい

■睡眠時の快適度は?

 ドミトリーは相部屋ですので、就寝中の静寂はあまり期待できません。活動する時間がバラバラなので、早朝に電気が点灯したりすることも。それも旅の楽しみと割り切れればいいですが、そのあたりが気になる人は、耳栓やノイズキャンセリングイヤホン、アイマスクを使って対応している宿泊者もいます。

 筆者の場合は、大学時代に体育会の部活に入っていたため、合宿所での大人数での雑魚寝に慣れています。雑誌編集者時代には、明け方まで入稿作業をしていて、編集部で椅子を並べたり段ボールをひいて床で寝ることもあったので、環境はあまり気になりません。逆に「イビキがうるさい!」とキレ気味に注意されたこともあるくらい。どこでもぐっすり眠れるという人なら大丈夫でしょう。

■電源は確保しやすい?

 スマートフォンが普及したこともあり、各ベッドに電源が用意されているので、充電に困ることはありません。それでも日本とは違うプラグ形状だったり、位置が悪く使いにくいこともあるので、変換プラグや延長タップは必須。自分は変換プラグと延長タップが一体になった、ヤザワの海外用マルチ変換タップ(実売価格1020円)を愛用しています。

枕元に電源があるケースが多いので、充電には困らない
ヤザワの海外用マルチ変換タップはドミトリー泊でなくとも、海外旅行の必需品としてオススメのアイテム

■共同で使う水まわりは?

 共有スペースには冷蔵庫やキッチンがあり、自炊して食費を浮かせることができるのもポイント。以前、ベルギーのブリュッセルに宿泊した際、共有スペースで仕事をしながらスーパーで買ったパンとハムを食べていたら、同宿していた女性グループから、余った食材を分けてもらったことがあります。

本格的なキッチンがあるドミトリーもあり、自炊でさらに節約も可能
ブリュッセルの共有スペースでパンとサラミをもらっちゃいました

 トイレやシャワーも共用です。それぞれの部屋にあって部屋のメンバーで共用する場合と、1フロアまたはひとつの宿泊施設にひとつだけあり、宿泊者全体で共用するパターンがあります。

 シャンプーやボディーソープ、歯磨きセットなどは用意していない施設が多いので、ドミトリーに宿泊する際は持っていったほうが無難です。またタオルもなく、有料で貸し出しというケースも多いので、こちらも持参したほうが旅費は抑えられます。

シャワーにシャンプーやボディーソープがないところも多いので、持参しよう

 ちなみに筆者の場合、濡れたタオルを持ち歩くのがイヤなので、マイクロファイバー素材の速乾タオルを旅行用に持ち歩いています。

吸水性も高く、ギュッと絞ればすぐに乾くマイクロファイバー素材の速乾タオルは、節約旅の必需品です

■気になるセキュリティ問題、注意点は?

 セキュリティに関しては、相部屋ということで個室の宿に泊まる以上に気をつける必要があります。ドミトリーは自分専用のロッカーが用意されているケースが多いので、貴重品などはそこで管理。ただし、ロッカーには鍵がなく、南京錠は有料貸し出しということもあるので、ドミトリーに泊まる際は南京錠を複数個用意しておきましょう。

ロッカーはあるが南京錠は自分のを使うというケースが多いです

 また大きめのスーツケースなどはロッカーに入らないことがあるため、ベッドのはしごなどにワイヤーロックでくくりつけておくこともあります。寝ているときは、枕元に置いておくカバンも一緒にワイヤーロックでくくりつけて、盗まれないようにするなどの工夫をしています。旅慣れていても、油断は禁物です。

■アジアなら数百円で泊まれるお得なドミトリー

 個室の宿に泊まるときよりも注意するべき点や用意するアイテムがあるものの、ドミトリーなら欧州で3000円〜8000円くらい、東南アジアなら数百円から泊まれます。そのため、長期滞在や、海外に何度も遊びに行きたい人には非常にありがたい施設となっています。もちろん全旅程ドミトリーでなくとも、移動のため宿に滞在する時間が極端に短い場合に、1泊だけドミトリーにして旅費を抑える、といった利用方法もオススメです。

 もちろん個室の宿に泊まるほうが断然オススメで、予算がふんだんにあるなら自分もそうします。とはいえ「宿代が高くて海外旅行に行かない」というのはすごくもったいないです。ホテルでの滞在体験が主目的ではないなら、ドミトリーを使った旅程も考慮して、上手に旅先を探してみてはいかがでしょうか? 

この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama)

世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。

  • 「旅人ITライターさとる」(IT系メイン)
  • 「さとる・たべる・あそぶ」(旅行・エンタメ系メイン)

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