vivoのカメラフォン「X100 Ultra」はカメラグリップでコンデジに変身する
ASCII.jp / 2024年9月15日 12時0分
カメラ性能を強化したvivoのカメラフォン「X100」シリーズは2023年11月に発表され、2024年5月にはアップグレードモデルが登場した。今回紹介する「X100 Ultra」はvivoの最上位機種であり、11月発売の「X100 Pro」のカメラやバッテリー性能を高めたモデルだ。
また、カメラキットの装着によりデジカメのような外観となり、カメラとしての使い勝手も大幅に向上する。
カメラ性能を高めたハイスペックなモデル
vivo X100 UltraはチップセットにクアルコムのSnapdragon 8 Gen 3を搭載、ディスプレーは6.78型(3200×1440ドット)、フロントカメラは5000万画素を搭載する。X100 ProはそれぞれMediaTekのDimensity 9300、6.78型(2800×1260ドット)、3200万画素なので、大幅に性能アップしている。
カメラバンプは最近のハイエンドカメラフォン同様に円形で、中央には青い「ZEISS」のロゴも掲載。ソニーのXPERIAシリーズ同様、vivoもカールツァイスと提携しておりレンズにはT*(ティースター)コーティングが施されている。
3つのカメラはいずれも高性能で、広角が5000万画素、超広角が5000万画素、望遠が2億画素となっている。なお、超広角はX100 Proの15mmからX100 Ultraでは14mmとなり、より画角を広げている。
ディスプレーは角を丸めたエッジデザインを採用、断面を見ると背面側も同じカーブに仕上げてある。本体上部には「PROFESSIONAL PHOTOGRAPY」という表記がさりげなく入れられている。カメラバンプは台形状であることもあり、出っ張りはあまり気にならなかった。
本体サイズは約75.57×164.07×9.23mm、重量は229gとなる。カラバリはチタン、ホワイト、グレーの3色でモノトーン系の落ち着いた色合いだ。バッテリーは5500mAhで80Wの有線、33Wの無線充電に対応する。バッテリーは従来のリチウムイオンではなく、半固体型のシリコン炭素(Si-C)を採用したことで薄型化と大容量化を実現した。
手に持ってみると側面がエッジデザインであることもあり持ちやすい。ディスプレーの側面部分に誤タッチしてしまうこともない。Snapdragon 8 Gen 3の性能は優れており、あらゆる操作が快適だ。ディスプレーは3000nitの輝度があるため屋外でも見やすく、炎天下での写真撮影もプレビューを見ながらしっかり撮影できる。
また、ユニバーサル信号増幅システムを搭載しており、4つの独立した低周波アンテナなどにより5Gの通信速度も向上している。ネットワークの体感アクセス速度は最大で300%高められているという。
今回テストしたモデルは中国版であり、OSはAndroid 14ベースのOriginOS 4を搭載。グローバルモデルはグーグルサービスに対応したFuntouch 14を搭載しており、UIデザインなどは若干異なっている。
SmallRigのカメラキットでデジカメライクに使う
X100 Ultraにはデジタルカメラ用アクセサリを展開しているSmallRigから専用のカメラキットも提供されている。ちなみにX100 Proも同社からカメラキットが登場したが、可動式のグリップのみでありブルーの樹脂製とあって装着した姿はカメラというよりも自撮り棒を取り付けたスマートフォン、といった感じだった(SmallRigのグリップでvivo「X100 Pro」の動画・写真撮影が自在になる)。
X100 Ultraのカメラキットは革風仕上げカバーに同色のグリップを装着できるもので、カメラとして本格的に使うことのできる形状だ。シャオミの「Xiaomi 14 Ultra」用に提供されているフォトグラファーキットをイメージしたものだろうが、シャオミのブラックカラーに対し、vivo/SmallRigはブラウンとして雰囲気を変えている。また、67mmのフィルター装着リングもセットになっている。
カバーはヴィーガンレザーを貼り付けた高級感のあるもので、これを装着するだけでもX100 Ultraの表情が大きく変わる。手で持ったときの肌触りも良く、滑り止め効果もあるので標準ケースとしてつけっぱなしにしたいと思えるでき栄えだ。「SmallRig」のプレートがやや存在感あるものの、このようなカメラ風ケースを出してくれることに、むしろ感謝したくなる。
カメラバンプ部分には、67mmフィルターのアダプターを取り付けられる。フィルターはマグネット式なので脱着はワンタッチだ。一般的なねじ込み式のフィルターは装着にやや時間がかかることを考えると、スマートフォン向けのフィルターはマグネット式が今後増えていくだろう。
そしてグリップ部分を装着すると、本体をしっかりと保持することができる。X100 UltraとはBluetoothで接続される。グリップはかなり強固に固定されるため、グリップ部分だけを握ってX100 Ultraを振り回すようにしてもスマートフォン本体が抜けてしまうことはない。大きめのシャッターボタンがあるので撮影もしやすい。シャッターのタイムラグは一瞬あるものの、慣れれば気になることはないだろう。
グリップにはシャッターボタンと、その周りに焦点距離を動かすズームリングを備える。さらに後方の大きなダイヤルではEVの調節ができる。今のところ機能のカスタマイズは出来ないようだ。。シャオミのキットほど操作ボタンの数は多くないが、この程度のほうがむしろ使いやすいかもしれない。
実際に使ってみると片手で楽にシャッターを切ることができるうえに、本体も持ちやすい。
グリップキットをつけてシャッターボタンを長押しすると、ヒューマニスティック・ストリートスナップモードでカメラが起動する。シャッター速度やEVの変更が容易で、モノクロモードへの切り替えもワンタッチだ。街中のスナップ撮影を多用する人に向いたモードといえる。
2億画素望遠も搭載するトリプルカメラ
X100 Ultraのカメラは、前述したように5000万画素2つと2億画素1つの組み合わせだ。広角23mmは5000万画素のソニー1インチセンサー、LYT-900を採用、F1.75と明るいレンズを搭載している。望遠はサムスンのISOCELL HP9で画素数は2億、センサーサイズは1/1.4インチで焦点距離は85mm(3.7倍)、レンズはF2.67。そして超広角は5000万画素1/2インチ、14mm、F2.2となる。
なお、3つのレンズともT*コーティング仕上げが施されている。動画処理には自社開発のV3+チップも搭載しており、4K 120fpsの撮影も可能だ。
カメラのモードは「夜間」「ポートレート」「写真」「動画」「シネマティックポートレート」「もっと見る」の6つ。標準の写真モードでは、倍率は0.6倍、1倍、2倍、3.7倍、10倍をワンタッチで切り替えできる。デジタル望遠は最大100倍に対応する。動画モードでは4K 120fpsまたは8K 30fpsが最大解像度となる。
もっと見るのモード中には5000万画素や2億画素でそのまま撮影する「高解像度」、100倍デジタル望遠で月面写真を美しく取れる「スーパームーン」などを備える。またプロモードもこの中から選ぶ。
以下は作例だ。あいにくの曇天(一時雨)だったため、焦点距離の差など簡単に撮影してみた。
【まとめ】スマホ機能付きカメラとして サブ用途にも向いている
vivo X100 Ultraはスマートフォンとしての性能ももちろん高いが、カメラ性能に優れているだけではなく、キットの装着でカメラのように使うこともできる。これはXiaomi 14 Ultraにも言えることだが、別のスマートフォンをメインに使いつつ、X100 Ultraをデジカメとしてサブに利用するという使い方もいいだろう。
vivo X100 Ultraは現時点では中国のみでの販売であり、標準でグーグルサービス(GMS)の搭載はない。だが、X100 Ultraのカメラを体験してみるとGMSを抜きにしてもその性能の高さにほれぼれとしてしまう。
今回は動画性能の紹介はできなかったが、3.7倍やそれ以上の高倍率での動画もかなり美しく撮影できた。日本に未参入のvivoであるが、そのフラッグシップモデルの性能は他メーカーとそん色なく、撮影シーンによってはそれら以上の性能を有しているのだ。
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