【レビュー】イチ押しはiPhone 16/16 Plus、カメラ機能が楽しく性能的にもお買い得(石川温)
ASCII.jp / 2024年9月18日 21時0分
アップルは9月20日にiPhone 16シリーズ4モデル(iPhone 16、iPhone 16 Plus、iPhone 16 Pro、iPhone 16 Pro Max)を発売する。
4モデルのなかでも、イチ押しと言えるのが無印とも呼ばれるiPhone 16とiPhone 16 Plusだ。今回、数日間、試用する機会を得たが、やはり触ってみると「幅広い人に受け入れられる優等生」という気がしてならなかった。
iPhone 16を使っていて特に楽しいと感じるのがカメラだ。今回から対応したマクロ撮影がビックリするほど被写体に寄れて、満足度の高い写真を撮ることができる。
例えば、花やイチゴなどの植物や果物、硬貨、水滴などググッと寄っての撮影が可能だ。最近ではXperia 1 VIのテレマクロが楽しかったが、それに匹敵するほどの撮影ができて、何でも寄って撮影したくなってくるのだ。
触るとわかる「カメラコントロール」ボタンに関心
iPhone 16シリーズでは「カメラコントロール」として、本体側面、ちょうどiPhoneを横にして撮影しようと思ったときに、右手の人差し指が当たる部分にボタンが新設された。
ここを押すとカメラが起動し、さらに押すと撮影が可能だ。Androidユーザーからすれば「たかが本体側面にシャッターボタンがついて何を騒いでいるのだ」と冷ややかに見ていることだろう。
確かにXperiaには当たり前のようにシャッターボタンがあるし、Xiaomi 14 Ultraもフォトグラファーキットを着ければ、かなり立派なシャッターボタンを追加することができる。
カメラコントロールボタンに対して「何を今さら」とツッコミを入れたくなるだろうが、実際に触ってみると、ただのシャッターボタンではないことに関心する。
アップルではここでシャッターを切れるだけでなく、ズームや露出などの撮影モードの切り替え、調整も可能にしてしまった。単に1回、押すだけでなく、ボタン部分をスライドさせることで、設定数値の変更ができてしまうのだ。
ただ、このボタン、指を当ててぐいっと押し込んでいくのだが、これが最初はちょっとした慣れが必要だ。
グイッと押してカメラを起動、優しく押して設定メニューを呼び出し、指をスライドさせて、またグイッと押して撮影といった感じで、とにかく、絶妙な押し具合を求められるのだ。
この繊細な操作を習得するには時間がかかるかも知れない。まずは単にグイッと押すだけで、起動や撮影をしつつ、慣れてきたから優しく押して設定メニューを呼び出すという使い方が良いかもしれない。
単に「カメラを素早く起動する」という点においては、側面に専用のボタンができたことは喜ばしいことだ。これまで、アップルとしてはロック画面の下にショートカットの起動アイコンを配置したり(いまもあるが)、かつては画面を横にスワイプすることでカメラを起動できるようにするなど、試行錯誤をしている感があったが、ようやく答えが出たのかも知れない。
シャッターチャンスがあったら、まずは「カメラコントロールボタンを押す」という癖をつけたいと思う。
iPhone 16はベンチマーク的に見ても コストパフォーマンスに優れたお買い得モデル
今回のiPhone 16シリーズ、目玉となるのは「カメラ」と「AI」だ。ただ、アップルの自社開発生成AIである「Apple Intelligence」は日本語対応が2025年から提供されるということで、しばらくは「お預け」の状態となる。
Apple Intelligenceはチップの性能が高くなくては利用できないため、現状、対応機種はiPhone 16シリーズ4モデルに加え、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Maxとなる。
ティム・クックCEOはiPhone 16シリーズを紹介する際、「Apple Intelligenceのためにイチから設計したiPhoneだ」と語っていた。
実際、iPhone 14とiPhone 15の無印モデルは、前年にProやPro Maxに搭載されていた「おさがり」のチップを搭載していた。
しかし、今年はiPhone 16とiPhone 16 Plusは「A18」、iPhone 16 ProとiPhone 16 Pro Maxは「A18 Pro」と、すべてのモデルで新しいチップが搭載されている。
試しにGeekBench 6でiPhone 16とiPhone 16 Pro Maxをベンチマークをとったところ、出てきた数字が別の表だ。確かにA18 Proを搭載するiPhone 16 Pro Maxのほうが当然のことながら数値がいいのだが、劇的に差があるというわけではない。
ちなみに、昨年発売されたiPhone 15 Pro Maxも改めて数値をとってみたところ、iPhone 16のほうが圧倒的に良い数字をたたき出している。
ベンチマーク的に見ても、iPhone 16は申し分なく、本体価格のことを考えると、結構、コストパフォーマンスに優れたお買い得モデルなのではないか、という気がしてならないのだ。
ちなみに、チップの性能差で、Apple Intelligenceでやれることが違ってくる、なんてことはない。ただ、「処理する反応速度に多少の違いが出るかもしれない」(関係者)とのことであった。
そもそも、今年のiPhone 16シリーズは、アップルが相当、頑張ったようで、昨今の円安基調のなかでも、昨年と同じ価格を維持するなど、本体価格的には相当、コストパフォーマンスに優れていると言える。
ちなみにiPhone 16 128GBモデルは、ソフトバンクが新トクするサポート(プレミアム)の早トクオプション適用で機種代金36円、ただし、オプション利用料を含めると1万9836円で、1年間、持ち続けられるという施策を展開している。
キャリアの販売施策と組み合わせる事で、さらにお財布に優しいiPhone 16デビューができるのではないだろうか。
筆者紹介――石川 温
スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)、『未来IT図解 これからの5Gビジネス』(MdN)など、著書多数。
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