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京王グループ各社、国交省が立ち入り調査 不正行為問題

ASCII.jp / 2024年9月20日 15時45分

国土交通省の銘板と建物
PAKUTASO

 京王グループの京王重機整備が、車輪(輪軸)組立時にデータを差し替える不正行為をしていた問題で、国土交通省は9月20日、同社と京王電鉄への立ち入り検査(特別保安監査)に踏み切った。輪軸組立に関する不正行為ではJR貨物や東京メトログループも特別保安監査を受けており、今回の京王グループで3例目となる。

鉄道輸送の安全確保の仕組みを根底から覆す行為

 京王重機整備によると、9月12日に国交省が各鉄軌道事業者へ輪軸の緊急点検を指示したことを受け、同社に残っている2016年以降の検査成績表の精査を実施。その結果、9月19日時点で部品の圧入力値が規定値を超過、または下回っているケースが31社(1786本)分、出力データを確認できないケースが10社(587本)分あることが判明したという。

 圧入力値が基準値を外れたケースについては、規定値に収まる値にデータを差し替えて各事業者へ納入したこともわかっている。

 国土交通省は同社および同社に業務委託していた事業者(京王電鉄、東京都交通局)からの報告を受け、「鉄道輸送の安全確保の仕組みを根底から覆す行為であり、極めて遺憾」とコメント。

 京王重機整備と京王電鉄に対し、全容解明と再発防止のための取り組みについて報告を求めたほか、安全管理体制を確認するため、9月20日から両社の特別保安監査に入った。さらに京王重機整備には、同社に輪軸組立を委託した鉄軌道事業者に対し、技術的支援をするよう文書で要請している。

京王と都営交通は安全性を確認して運行を継続

 本件を受け、同社に輪軸組立を委託していた東京都交通局は、車輪の間隔(バックゲージ)の緊急点検を実施して車輪に緩みがないかを確認。大江戸線用の1編成のみ輪軸交換となったが、それ以外の車両は異常はなかったとして運用を再開している。

 同じく京王重機整備に業務を委託していた京王電鉄についても、事態の発覚後にバックゲージの緊急点検を実施して、異常がないことを確認済み。

 京王電鉄では今後、目安値を逸脱した輪軸は10日ごとの定期検査(列車検査)で毎回異常の有無を確認するほか、不正の対象となった輪軸と出力データを確認できなかった輪軸については、順次交換する方針だ。

 なお、9月20日現在、京王重機整備は同社の不正の影響を受けた事業者の名称を公表していない。

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