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巻き取り式USBケーブル内蔵のUSB PD 65W充電器を衝動買い

ASCII.jp / 2024年12月21日 12時0分

本体と一体化したフラットなUSBケーブルを本体内に巻き取れるUSB ACアダプタを衝動買い

モデムケーブルの「巻き取り君」でスタートした ICTの世界におけるケーブル巻き取り文化

 “巻き取り式ケーブル”なるモノがいつ頃から登場したのかは昭和生まれの筆者でもあまり確証がない。

 家電用の巻き取りケーブルの付いたテーブルタップを初めて見たのは昭和レガシー時代だったのは記憶にある。家庭用の電気掃除機の巻き取り式電源コードが元祖のような気もするが確かではない。

 そしてパソコン通信がピークを過ぎてインターネットに橋渡しが始まった1995年頃、筆者が米国西海岸の大きなIT系イベントで見つけて国内に紹介したのがいわゆる「巻き取り君」。これを多くのパソコンメーカーやモデムメーカーがバンドルしたのがICT系では最初だろう。

 「お互いに必要とするモノがくっつく」という状況は極めて普通の道理だ。タイトなインテグレーションもあれば緩やかなパッケージ同梱などもある。くっつくことがコストやスペースの削減になるなら一気に普及タイミングは前倒しになるのも当然のことだろう。

 そんな関係にあるのが「USB-AC電源アダプター」と「給電用のUSBケーブル」の関係ではないか。それぞれが単独で成長変化しているあいだはインテグレーションは多少ハードルが高いが、技術的に落ち着いてくると合体によるベストオブベストな商品も登場の可能性が高い。

売り文句がとにかくたくさんある

65WのUSB ACアダプタにケーブルの巻き取り機構を内蔵 ケーブル分、サイズや重量は若干かさむ

 今回衝動買いした「エアベロスPD65W巻き取り式ケーブル内蔵AC充電器」もそんなベストオブベストを狙うインテグレーション商品の1つだ。本記事では売り文句が複数あるこの商品を「エアベロスパワフル充電器」と呼ぶことにする。

 本製品のウリはパッケージにも記述があるが「PD65W」「消費電力W表示」、そして「巻き取り式ケーブル内蔵」の3点だ。

実際の製品がどういうものかは写真を見てもらえれば大体わかるだろう

 0~80cmまで可変するUSBケーブル(スリムタイプ)を内蔵するからには、当然そのスペースとメカが必要となり一般的な同容量のACアダプタより大きくなるのは避けられない。実際に手のひらに載せてみると、昨今のコンパクトな製品より大きく、約50×50×53mm(プラグ収納時)。重さは公式スペックでは159gでズッシリ感じる。

ケーブルはこのとおり80cm強の長さだ

 ただ、USB Type-Cプラグ部分がACアダプタ本体にマグネット吸着するタイプで収まりは良い。プラグをつまんで本体から引き起こし、引っ張り出してみる。引っ張るときに本体からカチャカチャと小さな音がして任意の位置でなら、最大長の80㎝までお好みの長さで固定できる。

 収納時は少しだけ引き出し本体内のゼンマイで巻き戻されるのに任せて、0cmまでスムースに収納される。あとは元と同じくプラグを90度角度を変えてマグネット吸着させる。指先の感覚は極めて自然。自宅や出先のオフィス、出張先のホテルのデスクなどでケーブル長さの自由度は最高だ。

 自宅で筆者のメインスマホであるGalaxy S24 Ultraに巻き取り式ケーブル経由で充電してみた。エアベロスパワフル充電器のUSBポートの下側にあるインディケーターには状況に応じて37Wや34Wと表示されており急速充電が行なわれる様子が刻々とわかるようになっている。今回は内蔵ケーブルの1ポートだけを使ってみたが表示ワット数は3ポートの合計のようだ。

自宅で使うのには十分な長さだろう
出力の合計も確認できる

このエアベロスパワフル充電器を新幹線車内で活用してみる

 エアベロスパワフル充電器が自宅やオフィス、ホテルなどで極めて有用であることは理解できたが、出張や旅行の目的地に向かって移動するときにこの少し大きめ重めのエアベロスパワフル充電器を使ってみたくなり、今回は新幹線のぞみの普通車で使ってみた。

  出発前にエアベロスパワフル充電器と同程度の出力/ポート数のUSB-ACアダプタ(Anker 735 PR65W 3 Ports)とケーブル(90㎝)を比較した。エアベロスパワフル充電器は内蔵ケーブルを含む本体重量が実測で157g。一方、Ankerのセットは153gとほぼ同じだった。

一般的なサイズ感の65W ACアダプタ+ケーブルと重量的にはほぼ同じ

 前夜に東海道新幹線の運行車両を調べてみたところ、ひじ掛け先端にコンセントのあるN700S系ではなく、N700A系のようだった。この場合、ほどんどは窓側のA席かE席の足下にしかACコンセントはない。

 今回は2人でD席とE席に座り、目的地に向かったが、コンセントに近いE席に座った人のスマホにはエアベロスパワフル充電器から生えてる80㎝のケーブルで届くと推測したが、D席ではAnkerセットの90cmでは間違いなく足りなさそうなので、出発直前にエアベロスパワフル充電器+1.8mのPowerLine IIIケーブルに交換した。結果、総重量は238gとなってしまった。

余裕を考えて長めのケーブルと組み合わせると重量はさらにアップした

 最終的に今回の選択は大正解で、窓側席の人はエアベロスパワフル充電器内蔵の80㎝ケーブルで届いたが、通路側のD席は90㎝ではまったく長さが足らず、1.8mなら余裕だった。

 しかしN700A系のACコンセントはACアダプタが真ん中にあって、ACケーブルとDCケーブルが両方に伸びている、昔ながらのノートパソコンのACアダプタを前提にしたコンセントだ。エアベロスパワフル充電器のように本体が160g近くあり、そこからUSBケーブルが合計3本も出る使用形態だとちょっとしたはずみで抜け落ちる危険度が極めて高い。

N700A系は窓際の足元にコンセントがあるのでケーブル長に注意が必要となる

 またエアベロスパワフル充電器内蔵の80㎝ケーブルでは窓側席の人でもかなり自由な姿勢が取りにくくなり疲れそうだった。内蔵の巻き取りケーブルは80cmではなく120cmにして、余裕がほしいところだ。

 2020年に生まれたN700S系の場合はすべての座席のひじ掛け先端にACコンセントがあるので便利に使えるが、小振りな立方体に近いACアダプタなら収まりも良いが、多少長さのあるブロックタイプだとやはり前方への出っ張りが大きくなる。A席とE席以外の乗客は出入り時に体がぶつかる不安もある。

N700S系の肘掛け先端のコンセントを使う場合は小型のACアダプタがマッチする

 なので、65Wより45W、より小さな30Wに軍配が上がる。他にコンセントを用意する場所が無いのは重々承知でも、ひじ掛け先端は残念だ。必ずしも大は小を兼ねない令和の新幹線車内のACアダプタ事情はなかなか複雑だ。

基本的にはオフィスかホテルでの利用を前提にしているようだ 新幹線車内のような状況で使いやすい製品に期待

 最終的に持ち歩く物が増えてしまったが、筆者はエアベロスパワフル充電器は自宅やオフィス、宿泊ホテルでの使用に限定している。そして新幹線の中では30Wで3㎝立法程度の極小のPD ACアダプタと120cmほどの長さのフレキシブルなUSBケーブルを新幹線車内用の給電設備として一緒に持ち歩くようにしている。

この2つの組み合わせが現時点でのベストということで落ち着いた

 3台同時給電で巻き取りケーブル内蔵のエアベロスパワフル充電器はモバイラーの理想にかなり近づいた商品だ。ただ、オフィスと出先の両エンドをイメージして製品企画した商品のようだ。どうも筆者の大好きなOn The Way環境での活用は想定されていない感じを受けた。次期モデルでは「いつでもどこでもエアベロスパワフル充電器1台」のワールドを実現してほしい。

 
T教授

今回の衝動買い

・アイテム:パワフル充電器、最大PD65W、3台同時充電、TypeCケーブル内蔵ACアダプタ ・購入:エアリアダイレクト ・価格:6400円

T教授

 日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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