2025年こそは災害に備える! ポタ電でいざというときのために電源を確保するワザ!
ASCII.jp / 2025年1月2日 13時15分
情報や冷暖房など災害時に必要な電力の確保を
2024年は能登半島地震に始まり、夏には各地でゲリラ豪雨による被害が頻発。さらに大型台風による被害も深刻だった。自然災害に遭遇した時、いかに自分たちの生活が電気に頼っているかを知らされる。
明かり、冷暖房、食事、風呂、そして情報。身の回りのものの多くが電気によって稼働している。特に、災害発生時に正確な情報を迅速に得ることは、自身および家族を身を守るのに必要なことだ。
そのため、スマートフォンのバッテリー切れを防いだり、停電時にテレビを観られるようにする電源は常に用意していたい。非常時に利用できる電源があれば、情報入手だけでなく、暖を取ったり調理をしたりと、生命維持活動にも活躍できる。今すぐ、非常用の電源を確保しよう。
いざというときのための電源確保術特集
●複数の電源があれば安心 ポータブルカタログ ●命を守る情報と体温維持 非常時に電源が必要な理由 ●大停電の夜 体験談:暑さが我慢できない! 冷蔵庫も気になる! ●大容量ポタ電を試してみた! エアコンや冷蔵庫が使えて安心 ●災害発生時にはどう行動すればいい? 事前に準備しておくべき防災アプリ
スマホ以外にも必要だから複数の電源があれば安心
近年注目されているポータブル電源だが、定格出力や容量などがニーズを満たしているか、充電(蓄電)の手段を用意しているかなど注意点もある。目的に合った使い方ができるか、機能・性能を確認しよう。
Jackery Solar Generator 3000 Pro ポータブル電源 ソーラーパネル セット 49万9000円
3024Whの大容量に加えて、3000W(瞬間最大6000W)の高出力を実現する三元系のポータブル電源と200Wのソーラーパネル(1枚)のセット。ソーラーパネルだけでフル充電するにはパネルの追加が必要だ。電源のサイズが473×359×373mmと容量の割に省スペースで軽量(約29kg)なので、キャンプなどのレジャーで使う時以外は保管しておき、必要な時に持ち出すという使い方に適している。EPS機能を搭載。
Jackery Solar Generator 1000 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネル 17万4600円
4000回の充放電サイクルを実現するリン酸鉄リチウムイオンバッテリー搭載で、1500Wの出力、1070Whの容量と、普段使いから防災用まで幅広く使えるコストパフォーマンスのよいポータブル電源。
セットの100Wソーラーパネル1枚で満充電までは約15時間。防災用途を考えると、ソーラーパネルをもう1枚買い足しておくと安心。電源のサイズは327×224×247mmで重量は約10.8kg。UPS&パススルー機能搭載。
Jackery Solar Generator 600 Plus 100W ポータブル電源 ソーラーパネル 11万9800円
定格出力800W、容量632Wh、重さ約7.3kgと軽量コンパクトなポータブル電源。ソーラーパネルは100W出力で約4kgと女性でも持ち運べるレベルに収まっており、サブ用途のポータブル電源として適している。
高出力のポータブル電源は、高出力が必要な機器のために使用して、それ以外の機器をコンパクトなモデルで補うことで、効率よい電源管理が実現できる。LEDライトなど、便利な機能も備わっている。
使用目的に応じて出力・容量を選ぼう
災害に伴う停電などで電力の重要性が増し、ポータブル電源など備えのニーズが高まっている。しかし、価格やサイズだけで選んだことで、いざ使おうと思ったら想定していた機器が動かないということもある。目的に応じて定格出力やバッテリー容量がニーズを満たしているか確認するようにしたい。
ソーラーパネルのセットもあるが、ソーラーでどのくらい充電できるか事前に確認が必要だ。必ずしも晴天が続くとは限らないので、ソーラーだけで満充電を目指すなら、3~6時間で満充電になるレベルのソーラーパネルを用意する必要がある。
一方で、騒音には注意が必要だが、発電機を組み合わせると、天気が悪い日や夜間でも発電・充電ができる。発電機の定格出力が低くても、ポータブル電源の充電には十分なことが多い。ポータブル電源を非常用電源として、ソーラーと発電機で使用した分を充電するという構成が良いだろう。
また、モバイルバッテリーで充電、動作できる機器は、高出力のポータブル電源には極力つながない運用にしたい。高出力のポータブル電源は、エアコンや電子レンジなどパワーを必要とする機器に使用するためだ。
コンパクトだけど大容量 モバイル機器の充電に最適 アイリスオーヤマ「バッテリーステーション IBT-A60100-W」
コンパクトなサイズながら、60000mAhの大容量バッテリー。約1.36kgの重量は持ち運ぶのも苦にならないレベル。合計100Wの最大出力に対応し、スマホからタブレット、ノートパソコンまで充電が可能。ソーラー充電にも対応し、3段階に調節できるLEDライトを搭載するなど、非常時に役立つ。直販価格2万2260円。
ジャンプスターター付きで車載に最適 ゴールゼロ「Venture Jump」
車のエンジン始動に対応するジャンプスターター機能搭載の大容量モバイルバッテリー。10000mAhの容量で、スマートフォンなら3回の充電が可能。
LEDライトを内蔵し、IP67準拠の防塵性、防水性を備える。万一の時のためにガレージに備えておきたい。実売価格2万2000円前後。
3500Kの温白色でリラックス効果も得られる。USB出力を備え、モバイルバッテリーとしても使える。実売価格1万3000円前後。
単3形電池が使えてLEDも搭載 パナソニック「乾電池式モバイルバッテリー BH-BZ40K」
単3形で同一種類であれば、アルカリ乾電池のほかニッケル水素充電池も使用可能なUSB出力付きモバイルバッテリー。0.5~0.7回分のスマホ充電に対応する。LEDライトを備えているので避難バッグにあると重宝する。実売価格2000円前後。
元祖カセットガス式発電機 ホンダ「EU9iGB(エネポ)」
カセットボンベ2本で定格出力900VAを1.1時間出力する。19.5kgの重量はやや重いものの、キャリングハンドルと大型の車輪を装備しており移動は容易。理論値では1000Whクラスのポータブル電源を7割程度充電できることになる。排気ガスが出るので屋内での使用は厳禁だ。実売価格11万4600円前後。
カセットボンベ1本で700Wを40分発電 ニチネン「G-cubic G700クレマ(KG-071)」
約10kgと比較的軽量な発電機。カセットボンベ1本で動作し、最大700Wの出力で約40分間運転できる。USB端子とAC100Vコンセントを備える。外付けボンベユニットを使えば最大6時間の運転が可能。700Wの出力は少なめだが、ポータブル電源の充電用としては十分。直販価格16万2800円。
命を守る情報と体温維持 非常時に電源が必要な理由
2011年に発生した東日本大震災では、家族の安否確認や避難所、支援物資などの情報入手にSNSが使われた。停電でテレビが観られず、ラジオを備える家庭が少ない中で、情報ツールとしてスマートフォンの重要性が際立った出来事だった。これをきっかけに、通信キャリアは災害時にも通信を途切れさせないよう、様々な手段を講じている。
各キャリアは、基地局の維持のために可搬型発電機や移動電源車なども準備しており、主要基地局に2日間の給電が可能としている。過去には避難所に無料の携帯充電サービスを提供したり、Wi−Fiルーターの無償提供をした例もある。
災害発生時に気象庁や行政、メディアが発する情報は、時に命を守る重要なものだ。次にどう行動すべきか、その判断をするための正確な情報を入手すべく、スマホをいつでも使えるよう電源を確保しておきたい。
キャリアは様々な手段で通信を確保
主要通信キャリアは、重要な基地局では24時間以上、それ以外の基地局では3時間以上維持できる非常電源設備を備えるほか、人力や車両での移動基地局に加え、船舶や気球、ドローンを活用した基地局など、通信を確保するため様々な方法を研究中で、一部は既に災害時に活用されている。
大規模災害時の通信障害対応する 00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)とは
東日本大地震の教訓をもとに整備された、災害時に無料開放される公衆無線LANサービスが00000JAPAN。災害用の統一 SSID「00000JAPAN」にて提供され、Wi-Fi接続のパスワードなどは求められない。
自治体や学校など100団体以上の企業や団体が認定されており、「熊本地震」にて初めて運用された。現在は、災害だけでなく通信事業者のネットワーク障害の際にも発動が可能となっている。
夏の熱中症・冬の低体温 身体を守る電源も必要
スマホの充電だけでなく、体調を維持するための電源確保も重要だ。自宅が長期間停電した場合、エアコンによる冷暖房は使えなくなる。夏は熱中症を防ぐために扇風機、冬は低体温症を防ぐために電気毛布など、比較的少ない電力で涼・暖をとれる備えもしておきたい。
モバイルバッテリーで動く小型の扇風機や、電気を使わないハクキンカイロなど、電力を必要としない、少なくて済むアイテムなど、 複数の備えも併せて用意しておくとよいだろう。
暑さが我慢できない! 冷蔵庫も気になる! 大停電の夜に電源の重要性を実感
筆者の自宅で東日本大震災時の計画停電以来の大停電が発生。事前に準備できる計画停電とは異なり、突然起こった大規模停電は大きな不安と不便をもたらした。日頃の準備の大切さを思い知らされた出来事だった。
エアコン使えない地獄 扇風機と情報が救ってくれた
7月下旬、わが町を激烈なゲリラ豪雨が襲った。一寸先も見えぬ豪雨と、絶え間ない落雷の爆音。近くに何度か落雷した後、電気がぷっつりと途絶えた。
真夏の7月末、時刻は夕方17時くらい。日中は35度を超える猛暑で、夕方になっても蒸し暑さは全く引かない。そこに大停電。家の中は蒸し風呂と化した。ポタ電は持っているが小容量・小出力モデルなのでエアコンには使えない。
あまりの蒸し暑さに気分が悪くなってくる。冬の寒さは服を着込めばなんとかしのげるが、真夏の蒸し暑さは熱中症リスクが高まり、最悪命に関わることも。
そこで活躍したのが小型のポタ電と扇風機だ。扇風機の大きな風は体を冷ます効果が大きく、電力をそれほど消費しないので小型ポタ電でも十分まかなえる。ただ、扇風機1台では夫婦2人が同時に涼むことはできないので、モバイルファンとファン付きウエアを併用することで暑さをしのげた。
この暑さで気が気でなかったのが冷蔵庫の中身だ。趣味の関係で冷凍庫に大量の保冷剤が入っているので、その冷気を逃さないようとにかく開けないことを心がけた。ただ、それがいつまで持つのかが分からない。
冷蔵庫メーカーの公式見解として停電から2~3時間は冷気を保つとしているが、一瞬開けて保冷剤を冷凍庫から冷蔵庫に移す程度なら冷気には影響がないとしているので、停電が長引く場合には保冷剤を移動しようと考えていた。
また今回、電源の必要性を最大に感じたのはスマホによる情報収集だった。現在、キャリア各社は基地局にバッテリーを備えており、停電後数時間は通信ができるようになっている。そのため、停電に なってもスマホですぐに情報収集ができたのだ。
東京電力のサイトでリアルタイムに被害状況・復旧情報を見たり、自治体のHPでは避難所開設の情報も得られた。SNSでは、近隣のショッピングモールと市民体育館が自家発電により、明かりとエアコンが稼働しているとの情報も。
幸いにして停電は2時間半ほどで復旧したが、さらに長引いたら暑さ避難のために体育館に行こうと考えていた。災害時に情報を獲得できることがいかに大切かが実感できた夜だった。
大容量ポタ電を試してみた! エアコンや冷蔵庫が使えて安心
前ページの大停電の夜、試しにと手持ちの小型ポタ電を冷蔵庫にもつないでみた。わが家の冷蔵庫は460Lだが、比較的新しいモデルなので消費電力は少ない。それでも小型ポタ電は30分程度ですっからかん。大型家電にはこの容量では不十分だと分かった。
そこで、大容量モデルを試してみた。容量は小型ポタ電の約8倍の2042Wh、出力もAC3ポート合計2200Wと高い。冷蔵庫につないでみたところ12時間を超える使用時間が表示された。エアコン(6畳用2.2kWモデル)にもつないで冷房運転してみたら、使用時間は6時間弱との表示。消費電力を抑えるよう工夫しながら使えば、電力復旧までしのげそうに思える。
出力が高いので、調理家電のような熱源を持つ家電にも使えそうだが、複数の家電製品を使用するとそれだけ電力消費が大きくなるので、停電が長期間におよぶケースも想定して、ソーラーパネルを買っておく必要性も感じた。
なお、UPS&パススルー機能を搭載しているため、日常的にパソコンにつないでおけば、家電の使い過ぎでブレーカーが落ちた時にも、パソコンのデータを飛ばさず安全にシャットダウンできて便利だ。
災害発生時にはどう行動すればいい? 事前に準備しておくべき防災アプリ
最近では多くの防災向けアプリがリリースされているが、いざ災害時に慌ててダウンロードしようとしても、回線が重くてダウンロードできない場合がある。事前のダウンロードが重要だ。
また、せっかくインストールしても地域設定など必要な情報を設定していないと、防災情報の通知が来なかったり、異なるエリアの通知が来るなど役に立たないことも多い。いざという時に慌てないように事前に設定しておこう。機種変更の際にも、設定が初期化されている可能性もあるので定期的に見直したい。
また、今ではスマホがあるのでラジオを持ち歩く人はほとんどいないが、職場や自宅の避難バッグにラジオを入れておくと安心だ。スマホは、ラジオやライトの機能を代用でき、一つのデバイスであらゆることができるので便利だが、その分バッテリーの消費も激しい。
NHKニュース・防災
特務機関NERV防災
Yahoo!防災速報
東京都防災アプリ
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