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速えぇぇ! 45kmの距離を10分で行く日本最速・最短ジェット機路線に乗ってみた

ASCII.jp / 2025年1月15日 7時30分

FDAが日本最短ジェット機路線を運航しました

 直線距離で約45km離れた目的地への移動、と聞くと、皆さんは移動手段として何を想像しますか? 公共交通機関ならバスや電車、クルマでも1時間くらいでしょうか。もしかしたら自転車や徒歩でも行けるという人もいるかも。

 今回は、そんなたった約45kmの距離をジェット機で移動するイベントを取材してきました。ちなみに東京駅からだと高尾山や藤沢(神奈川県)、牛久(千葉県)が約45kmです。

●愛知県の小牧空港から、約45km離れた同県のセントレアへ!

 このイベントは「新・日本最短ジェット機路線!」と題し、静岡を拠点とする航空会社FDA(フジドリームエアラインズ)と交通系ニュースサイト「乗りものニュース」とのコラボ企画として実現したもの。愛知県にある県営名古屋空港(小牧空港)から、中部国際空港(セントレア)までのフライト約45km(約28マイル)に、旅客を乗せて運航するというイベントです。

名古屋から名古屋への短距離フライトになります

 県営名古屋空港は、名古屋駅から北へ10kmほどに位置する空港で、現在はFDAのみが拠点空港として利用しており、青森や新潟、福岡などへ定期便を運航しています。

 イベントが開催されたのは2024年12月31日。このイベントが成立した背景として、実は前回レポートした「初日の出フライト」が関係しています。FDAは1月1日に初日の出フライトを運航していたので、機材を中部国際空港へと移動する必要があり、それなら県営名古屋空港から中部国際空港へのフライトで旅客も乗せてイベントにしてしまおうというわけです。

こちらが県営名古屋空港のFDAチェックインカウンター
FDAは、いわて花巻空港へ名古屋と神戸の2路線を就航しています。岩手県公認VTuber岩手さちこさんがFDAの宣伝部員として活動中です

●フライトが短いので準備は万全に

 フライト(FDA5615便)の出発時刻は15時25分で、県営名古屋空港では14時25分頃から専用カウンターで受付を開始。チャーター便なのでツアーに申し込んだ人のみ搭乗可能となっており、受付後は保安検査を抜けて出発ロビーで搭乗を待ちます。

ツアーに申し込んだ参加者は専用のカウンターで受付
県営名古屋空港の出発ロビーは飲み物の自動販売機しかありません

 受付では、オリジナルのフライトタグやネックストラップといった記念品のほか、FDAの通常の旅客便で提供されるお茶やお菓子も事前に配布。というのも、今回のフライトは時間が短すぎてシートベルト着用サインが消えず、機内サービスもできないため。トイレにも行けないので、事前に済ませておくようアナウンスもありました。

この日、特別に配布された記念品やドリンク
こちらは記念品となる搭乗証明書です
フライトログや想定される航路も記載されています

●いざ、金色の日本最短ジェット機路線へ!

 搭乗する機材までは歩いてアクセス。今回は金色にペイントされたエンブラエル175「JA09FJ」を使用。FDAは機材によってカラーが異なる「マルチカラーコンセプト」を採用しており、1号機から16号機(金色は9号機・4号機は退役済み)まで、すべて違う色なのが特徴です。

FDAは、全機色が違うんです
搭乗案内もちゃんと色分けされています
金色の9号機「JA09FJ」が今回の機材(飛行機)になります
チープな手書きの案内、逆に特別な感じを出しています

 出発時刻は15時36分で滑走路はRWY16から南方向への離陸。そのまま一路中部国際空港へ。離陸時には主催側から安全に支障のない範囲内で「ロケットスタート」をお願いしていたとのことで、基本的には滑走路が短い空港などで体験できる迫力の離陸が味わえました。

座席は2×2とコンパクトなジェット機の「エンブラエル175」
テーブルは大きめでした
横断幕でお見送りしてくれました
県営名古屋空港を15時36分に出発!
安全についての案内は通常のフライトと同じく、しっかり説明してくれました

●トップスピードで離陸

 離陸時刻は15時44分。名古屋中心部の上空を通り、知多半島の西岸をなぞるように南下。中部国際空港を左手に見ながら旋回して、中部国際空港の滑走路RWY36へと着陸するという、日本最短ジェット機路線ルートです。

離陸時刻は15時44分です
庄内川を越えて名古屋の中心部へ!
さらに南下して伊勢湾へ!
中部国際空港の着陸は15時54分でした
搭乗時間が短いため、ベルト着用サインはフライト中、ずっと消えませんでした

 着陸時刻は15時54分。巡航高度は3500フィート(約1067m)とジェット機としては超低空飛行かつ、たった10分の超短時間フライトでした。風向きの関係で中部国際空港では南側からアクセスするRWY36でしたが、もし風向きが良ければ北側からのアプローチが可能だったため、10分を切っていたかも。

FDA5615便の飛行ルート。中部国際空港での旋回がなければ10分切りも可能だったか?(フライトレーダー24)

 実際のフライトの様子は、ほぼノーカットの動画をアップしていますので、そちらも是非ご覧ください。

 中部国際空港では、ターミナルから離れた駐機場に飛行機を駐機する”沖止め”で、107番スポットに到着。ターミナルに向かうバスを待つため、降機後に記念撮影をする時間もあったのは、イベントフライトならではのうれしいポイントです。

中部国際空港でジェット機としては珍しいオープンスポットで降機
手荷物引き取りのターンテーブルにも、搭乗してきたFDA5615文の案内が
到着案内にもちゃんと記載されていました

 というわけで、日本最短ジェット機路線となる、県営名古屋空港発〜中部国際空港着 FDA5615便(FDA)の搭乗は終了。定期便として考えると現実的ではない路線にはなりますが、こういったイベントの運航を見つけたら、記念に乗ってみるのもいいかもしれません。普段とは違ったフライト体験だったので、めちゃくちゃ楽しかったです!

訂正とお詫び:初出時、一部内容に誤りがございましたので、訂正いたしました。(2025年1月15日13時45分)

この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama)

世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。

  • 「旅人ITライターさとる」(IT系メイン)
  • 「さとる・たべる・あそぶ」(旅行・エンタメ系メイン)

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