疑うべき病気は?日常でできる対策は?アラサーの尿もれについて医師が答えます!!
美人百花デジタル / 2022年1月5日 21時10分
「尿もれ」を経験したことがあるアラサー女性は少なくありません。恥ずかしいという気持ちが先行し、1人で抱え込んでいる方も多いのではないでしょうか? 今回は、「東京ブランシェクリニック」の医師・鈴木三奈先生に「尿もれ」について聞きました。
尿もれは医師にかかるべきでしょうか?
頻尿、残尿感、排尿障害などの症状があるときは泌尿器科の受診をおすすめします。内科や婦人科でも受診できます。また内服薬を服用されている方は薬の副作用も考えられますので主治医に相談したほうが良いでしょう。その際には尿もれの頻度を伝えましょう。具体的には排尿の時間や回数、尿もれを起こした時間や回数、どんなときに起こるかなどをまとめて医師に伝えるのをおすすめします。
尿もれにならないために日常でできる対策を教えてください
腹圧性尿失禁の方は、骨盤底筋を鍛える“骨盤底筋体操”があります。まず仰向けに寝て足を肩幅にひらき、両ひざを立てて体をリラックスさせます。その後、尿道、肛門、膣をきゅっと閉めたり、緩めたりを2〜3回繰り返します。そしてゆっくりぎゅっと締め、3秒ほど静止し、ゆっくり緩めます。これを2〜3回繰り返してください。1回5分程度からはじめて10分から20分までだんだん増やしていくのがおすすめです。これをまずは、3か月ほど続けてください。なお、肥満気味の方は、体重を減らすことで尿もれを軽減できる可能性があります。切迫性尿失禁をお持ちの方は水、アルコール、カフェインのとりすぎに注意すると良いでしょう。
どんな人がなりやすいでしょうか?
妊娠、出産をきっかけにして尿もれになる人が一番多いです。次に加齢、肥満、閉経による女性ホルモンの低下などで起こります。また、仕事で重いものを持ち上げる方、排便時に強くいきむ方などもなりやすいです。
尿もれの人が疑うべき病気を教えてください
「腹圧性尿失禁」、「切迫性尿失禁」、「溢流性尿失禁」、「機能性尿失禁」があります。「腹圧性尿失禁」は重い荷物を持ち上げたり、走ったり・ジャンプをしたとき、咳やくしゃみをしたとき、お腹に力が入ったときなどに尿がもれてしまうのが腹圧性尿失禁です。骨盤底筋群という尿道括約筋を含む骨盤底の筋肉が緩むために起こり、加齢や出産を契機に出現します。また荷重労働や排便時の強いいきみ、喘息なども骨盤底筋を傷める原因になります。
急に尿がしたくなり(尿意切迫感)、我慢できずにもれてしまうのが「切迫性尿失禁」です。トイレが近くなったり、トイレにかけ込むようなことが起きたりしますので、外出中や乗り物に乗っているときなどに大変困ります。本来は脳からの指令で排尿はコントロールされていますが、脳血管障害などによりそのコントロールがうまくいかなくなったときなど原因が明らかなこともあります。しかし多くの場合、特に原因がないのに膀胱が勝手に収縮してしまい、尿意切迫感や切迫性尿失禁をきたしています。男性では前立腺肥大症、女性では膀胱瘤や子宮脱などの骨盤臓器脱も切迫性尿失禁の原因になります。
「溢流性(いつりゅうせい)尿失禁」は自分で尿を出したいのに出せない、でも尿が少しずつもれ出てしまうのが溢流性尿失禁です。この溢流性尿失禁では、尿が出にくくなる排尿障害が必ず前提にあります。排尿障害を起こす代表的な疾患に、前立腺肥大症がありますので、溢流性尿失禁は男性に多くみられます。ほかに、直腸癌や子宮癌の手術後などに膀胱周囲の神経の機能が低下してしまっている場合にもみられます。
「機能性尿失禁」は機能が正常にもかかわらず、身体運動機能の低下や認知症が原因で起こる尿失禁です。たとえば歩行障害のためにトイレまで間に合わない、あるいは認知症のためにトイレで排尿できない、といったケースです。この尿失禁の治療は、介護や生活環境の見直しを含めて、取り組んでいく必要があります。
尿もれになる原因を教えてください
尿失禁の種類によって細かい原因は異なります。加齢や出産、喘息、排便時の強いいきみなどによる骨盤底筋(膀胱や子宮を支えている筋肉)の衰えや、膀胱の活動が過敏になり、十分に尿量が溜まらないうちに尿意切迫感をもよおす過活動膀胱などが挙げられます。過活動膀胱は、脳梗塞や脳出血、パーキンソン病、脊柱管狭窄症といった神経にまつわる疾患が根本原因になっていることもあります。次に機能性尿失禁は、身体機能が衰えていたり、認知症を患っていたりしてトイレでうまく用が足せないといった状況で起こります。さらに膀胱の加齢や炎症なども要因の一つと考えています。しかし、検査をしても特に異常が見つからない原因不明の症例もあり、心理的ストレスがきっかけとなっていることもあります。
教えてくれたのは
「東京ブランシェクリニック」医師・鈴木三奈先生
美容外科、美容皮膚科に12年のキャリアがあり、女性の目線から治療を提案することに定評がある。主にはしみやしわの治療や若返りの手術を手掛けるほか婦人科形成術や膣レーザー治療経験も豊富で女性の悩みにこたえるスペシャリストである。自身も膣レーザー治療で尿もれが改善した経験があり、多くの女性に痛くない尿もれの治療があることを伝えることを使命としている。
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