まずはボクサーエンジン搭載モデルから！ BMW Motorradがバイクの盗難に対応する世界初の顔認識システム「BMW iFace」を発表

BMW Motorradが、バイクの盗難に対応する、世界初の顔認識システム「BMW iFace」 を発表しました。

■TFTディスプレイに統合されるスマートな盗難対策

　BMW Motorradのボクサーモデルは、世界中で人気のあるオートバイのひとつです。しかし、それは泥棒の間でも同様であることが課題とされてきました。

　そこで同社は、この課題に対応する世界初のオートバイ メーカーとして「BMW iFace」を発表。BMW iFaceはイグニッション キーを不要とし、既存のKeyless Goテクノロジーを完全に補完する顔認識システムです。

BMW Motorradが発表した世界初の顔認識システム「BMW iFace」搭載のTFTディスプレイ

　BMW iFaceは、ミュンヘン大学の世界有数の眼科研究所の所長である Gerhard Lesjöh博士との協力のもと開発されました。

　同システムは、一方ではライダーの顔の顔認識を提供し、他方では明確な識別のために目の虹彩と角膜を比較。3Dスキャンと赤外線スキャン技術を使用した顔認識です。顔認識は、最新の3Dテクノロジーが使用され、TFTディスプレイに統合されるため、外観に影響を与える事はありません。

　使用方法は、ヘルメットを外した状態で、顔を3次元および生体認証でスキャンします。この三次元画像は、システムに保存されたデータと比較され、正しいと判断された場合にはイグニッション、ステアリングロック、およびその他のロック機能が解除され、ライダーはモーターサイクルを始動ですることが可能。3Dスキャンは赤外線スキャンで動作するため、顔認識は暗闇でも動作します。

「BMW iFace」は2023年秋のモーターショーで公開以降、まずはボクサーエンジン搭載モデルに採用予定

　BMW iFaceはデュアル システムとして動作するため、最高レベルの快適性と安全性が実現されます。

　例えば、ライダーは顔認識 (ヘルメットなし) を使用するか、目の虹彩角膜スキャンにするかを選択することが可能。虹彩角膜スキャンでは、虹彩と角膜のみがスキャンされ、システムに保存されているデータと比較されるため、システムはヘルメットをかぶっていてもライダーを識別することができます。また、こちらも赤外線技術により、暗闇でも機能の信頼性に問題はありません。

　さらに、特殊な偏光フィルターによって、色の濃いバイザーやミラーバイザー、さまざまな種類のメガネやコンタクトレンズを使用していても、スキャンプロセスが可能。ライダーは、対応するメニュー機能を使用してスキャン処理を行う前に、現在使用しているバイザーと視覚補助具のタイプをディスプレイに入力する事で、全てのパターンに対応することができます。

　また、BMW eCallはiFaceとの世界的なネットワークにより、泥棒の識別が可能。盗難未遂が起こった場合、BMW iFaceはeCall電子緊急サービスとの通信を開始します。

　BMW Motorradコールセンターは、特別なコードを介して盗難未遂に関するメッセージを受信するだけでなく、スキャンデータ (顔または目のスキャン) と現在の地理的位置データを連邦警察の国際中央データベースに送信。

　そこに対応するデータ資料が見つかった場合は、関係者の検索がすぐに開始され、適切なデータが利用できない場合、送信されたスキャンデータは、後で使用できるようにこのデータベースに保存されます。

※　※　※
　
　BMW iFaceは3年以上にわたって開発がおこなわれ、数々のテストを受けてきました。BMW Motorradの盗難防止責任者である Dr.Burkhard Hund氏は、同システムについて次のように述べています。

　「シュトゥットガルト シュタムハイム地域でシュヴァーベン人は、プロの車両泥棒の専門家としての数十年にわたる専門知識のおかげで、このシステムを開発する上で私たちにとってかけがえのない助けになりました」

　BMW iFaceは2023年秋のモーターショーで公開され、まずはBMW MotorradのBoxerモデルで使用される予定です。