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自転車の2人乗り(ニケツ)はダメ! 「危ないから」だけでなく知っておきたい本当の理由

バイクのニュース / 2023年4月27日 15時0分

自転車の2人乗りは原則違反とされています。その理由は「危ないから」だけではありません。本質的な理由を知れば、それも納得できるのではないでしょうか。

■基本的に、自転車は1人乗り用

 自転車の2人乗り(ニケツ)は、道路交通法に基づいた各都道府県の公安委員会が定めた道路交通規則で原則違反とされていますが、それはなぜでしょうか? 同じ2輪の乗り物であるバイクは、排気量や乗車定員にもよりますが、2人乗り(タンデム)が認められています。自転車よりもスピードが出るバイクに比べて、人力で進む自転車の方が危険度も低くなるのでは……と考えてしまいそうですが、そこには理由があります。

自転車の「ニケツ」は原則違反とされる自転車の「ニケツ」は原則違反とされる

 まず、多くの自転車は1人分の体重を支えられる程度の強度を想定して作られています。人力で進むため、車体全体をなるべく軽量化し、2人が乗っても大丈夫なようには作られていません。つまり、単純に壊れる可能性があります。

 分かりやすい例で言うと、想定以上の重量が乗った状態で段差などを超えると、地面と車輪でタイヤの中のチューブを押し挟み、衝撃で穴を開けてしまう「リム打ちパンク」が発生します。また、車輪全体に大きな負荷がかかるため、左右に振れるようになってしまったり、スポークが折れるといった故障が発生します。そして最終的にはハブ軸が曲がるという、取り返しのつかない故障にもつながります。

 ちなみに、日本の産業製品の品質などを判断するJIS規格や、自転車の安全基準である自転車協会認証(BAA)では、乗車する人の体重を65kgと規定して評価を行なっています。意外に軽いと思うかもしれませんが、65kg以上の人が乗車すると、すぐに壊れてしまうという訳ではありません。競技志向の高性能なロードバイクなどは除き、多くの自転車は安全性を確保するために、100kg程度までは耐えられる設計です。それでも大人2人分の体重を支えることはできませんので、2人乗りは著しく自転車の寿命を縮めると言えます。

 また、自転車は1人で乗ってちょうどバランスが取れる様に設計されているため、2人乗りでは重心の位置が大きく変わってしまい、極端にバランスが悪くなります。バイクでも同様のことが言えそうですが、排気量が50cc以上で乗車定員が2名の場合、そもそも2人乗りの設計(もしくは装備)であること、そして人に対してバイクの車体そのものが重く、自重や走行負荷などに対する耐久性や走行性能が前提の設計となっているため、自転車のような危険性とは異なります。

 自転車は例外的に、運転手の年齢が16歳以上、同乗者が6歳未満の幼児であれば2人乗りが認められていますが、それでも幼児用座席、いわゆるチャイルドシートが装着されていることが条件となっています。もちろん同乗する幼児の安全を確保するためでもありますが、下手に動いてバランスを崩さないための装置でもあります。

 普段から自転車に乗っているとあまり意識しませんが、じつはかなり高度なテクニックでバランスを取っています。自身のバランス感覚を過信するのは禁物です。

 自転車の2人乗りが禁止されている理由は、もちろん最終的には「危ないから」となりますが、何が危険なのかを知ることで、自ら違反を防ぐことにつながるのではないでしょうか。

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