乗り物酔いする人でも大丈夫? バイクに乗った際に起こる「バイク酔い」
バイクのニュース / 2023年5月28日 9時0分
クルマや船、飛行機などに乗ると酔うという人を度々見かける事があると思います。では、「バイク酔い」をすることはあるのでしょうか。
■そもそもなぜ乗り物で酔ってしまう?
クルマや船に乗った際に、酔ってしまったという経験を持つ人は多いと思います。せっかくのお出かけも乗り物酔いになってしまうと、台無しになりかねません。
では、なぜ乗り物に乗ると、具合が悪くなる場合があるのでしょうか。
乗り物酔いの原因は三半規管が正常に機能しないこと
人には無意識に「平衡感覚」を保とうとする機能が備わっています。そのバランスを調整する役割を担う機能が、耳の奥のほうにある「三半規管」や「耳石器」と呼ばれる器官。
三半規管にはリンパ液が溜まっており、これが水平器のような働きをして水平や垂直、速度などの情報を処理します。しかし、乗り物に乗るとエンジンやアクセル、ブレーキなどによる不規則な動きによってリンパ液が揺さぶられ、この三半規管が正常に機能しません。
さらに乗り物に乗って移動をすると、「目から入る情報」と「身体が感じる情報」にズレが生じ、脳が混乱した状態となる事も。この情報のズレが脳から自律神経に伝えられ、自律神経が乱れることで、吐き気やめまい、頭痛などの不快な乗り物酔いの症状が起こるというわけです。
乗り物酔いは遠くを見ていると起こりにくい
乗り物酔いの例として、近くのものを見ていると酔ってしまうことがあります。これは、座っているだけなのに乗り物自体が移動することで景色が目まぐるしく変化し、目からの情報と身体の感覚の情報にズレが生じ、脳が混乱するため。反対に、遠くの景色を眺めているときはほとんど酔い理由は、動きを予測しやすいので視覚と身体の情報のズレが生じにくいからです。
また、嗅覚が刺激されることで乗り物酔いを引き起こすこともあり、ガソリンや排気ガス、エアコンからの悪臭や、強い臭いを放つ食べ物なども体調を悪化させる要因です。
なお、乗り物酔いは精神的な要因も大きく影響するといわれており、1度でも乗り物酔いを経験すると「また酔うのではないか」と不安に感じ、自律神経が乱れてしまい気分が悪くなることもあり得ます。
そのほか、体調が優れないときも酔いやすくなり、特に睡眠不足は大敵。ひどく疲れている時や、食べ過ぎや空腹時もよくありません。また、身体を締め付けるような服装は血流を悪くするため、体調の悪化を招く原因となるため注意しましょう。
■バイクで酔う事もある?
クルマや船などで酔う人はいますが、「バイク酔いをした」という人はほとんど聞きません。
なぜ、バイクで酔う事は少ないのでしょうか。
バイクは乗り物酔いが起こりにくいが、タンデムしている後席の人は酔う事がある
前述したように、基本的に乗り物酔いは自分の意図している物と違う動きによって起こります。しかしバイクの場合、運転しているライダーは自分の考えた通りにバイクを動かしているので、視線からの情報と身体の情報が一致。脳の混乱が起きないため、酔いにくいと考えられます。
これはクルマの運転手も同じことがいえるので、普段クルマ酔いをする人でも、自分が運転していれば大丈夫という人は多いと思います。また、外気に直接さらされるバイクは臭いの影響を受けにくいことも酔わない要因のひとつです。
では、タンデム走行の同乗者は酔うのでしょうか。
同乗者は後ろに座っているだけで、バイクの操作は運転者にゆだねられています。つまり、自分が意図しないバイクの動きによって脳に入ってくる情報にズレが生じるため、バイク酔いがしばしば起きることもあるようです。また、複数人で連なって走っている場合、先頭のライダーに誘導される形で走ると気分が悪くなることがありますが、どのルートを走るのかを知らないと、どこを見てよいのか分からず酔ってしまう場合があるようです。
このように、少なからずバイクでも乗り物酔いが起こることはあります。
乗り物酔いをしたら、こまめに休憩を取ることが大切
では、バイク酔いになってしまったら、どう対処すれば良いのでしょうか。
まず、バイクから降りて適度に休憩を取りましょう。深呼吸をしたり、冷たい飲み物を飲んだり、遠くの景色を眺めたりして気持ちをリラックスさせて体調を整えるだけでなく、軽くストレッチをするのも気分転換になるので効果的です。
そして乗り物に酔いやすい人は、運転の前日は早めに布団に入り体調を万全にしておくことも大切。満腹感は乗り物酔いしやすくなるため、乗車する時間に合わせて軽い食事で済ませて、胃に負担をかけないようにしましょう。
また、運転をしない同乗者は酔いやすいため、タンデム走行の際は急発進や急ブレーキを控え、やさしい運転を心掛けることも大切です。
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