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「ゆらぎ」で疲れない体を手に入れる…自律神経が整えられる

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年4月12日 9時26分

 新年度がスタートしてあれこれ忙しい日々が続き、「疲れない体になりたい」と考えたことはないだろうか。そんな人は「ゆらぎ」に注目したい。東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身氏に詳しく聞いた。

「ゆらぎ」とは、自然に存在する「規則性のある不規則」を持つ変化や動きを指す。そよ風、木漏れ日、川のせせらぎ、打ち寄せる波の音、炎のゆらめき、小鳥のさえずりなど、自然界にあるそれらのリズムは一定ではなく、強くなったり弱くなったりする。

 こうしたゆらぎを感じると、われわれは心地よさを感じ、疲労が軽減されることもわかっている。

「ヒトの生体にも、心拍、呼吸、脳波、血流、体温、瞳孔の動きといったさまざまなゆらぎが存在します。この生体リズムが自然界のゆらぎと共鳴すると、自律神経が整えられて精神が安定し、疲労を軽減すると報告されています。自律神経は、活動時や昼間に優位になる交感神経と、安静時や夜に優位になる副交感神経で成り立っていて、交感神経から副交感神経に切り替わることで“リラックスモード”に入ります。ゆらぎは、自律神経を副交感神経優位に切り替えて、脳と体を休める“スイッチ”なのです」

 疲労は、脳にある自律神経中枢が酷使されて大きな負荷がかかることで生じる。睡眠不足などで長く自律神経に負担がかかり続けると、生命活動をきちんと維持できなくなってしまうため、脳は「疲労感」を自覚させ、過剰な活動を抑えて自律神経の負担を減らそうとする。

「疲労を放置していると、不眠、めまい、抑うつ、消化器障害、食欲不振、頭痛、倦怠感、動悸など、心身のさまざまな不調を引き起こします。さらに悪化すると、自律神経系だけでは生命維持機能をコントロールすることができなくなって、それを補うために内分泌系や免疫系が稼働します。そうなるとインスリン抵抗性が高まったり、血圧が高くなったり、肥満を招き、糖尿病、脂質異常症、高血圧、心血管疾患、がんといった命に関わる病気のリスクがアップします」

■仕事に飽きたらデスクから離れる

 そうした健康リスクを回避するためにも、しっかり対策を講じたい。日頃から“疲労しにくくなる”生活を心がけることが重要で、そのためにゆらぎを活用するといい。

「われわれが生活している都会は非常に規則的で、ゆらぎを排除する方向で発展してきました。たとえば、オフィスビルにある職場は窓が開かないことも少なくないですし、温度も湿度も照明の明るさも一定です。そんなゆらぎがない環境で仕事を続けていると、疲労がどんどん蓄積していきます。毎日のように同じパターンで同じ行動や作業を続けている場合はなおさらです」

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