6／10（土）通行止解除 首都高の巨大な橋の架け替え 予定通り2週間で

首都高速道路株式会社は、高速1号羽田線・神奈川1号横羽線の多摩川にかかる「高速大師橋」架け替えのため、2023年5月27日（土）午前5時から一部区間で終日通行止め、一部出入口を閉鎖していましたが、予定通り6月10日（土）午前5時に解除します。

■2週間の通行止で、巨大な橋が生まれ変わった

　首都高速道路株式会社は、高速1号羽田線・神奈川1号横羽線の多摩川にかかる「高速大師橋」架け替えのため、2023年5月27日（土）午前5時から一部区間で終日通行止め、一部出入口を閉鎖していましたが、予定通り6月10日（土）午前5時に解除します。

新しくなった「高速大師橋」を川崎側から東京方面を見た様子（2023年6月9日撮影）

　通行止解除の前日、新らしくなった「高速大師橋」が報道関係者へ公開されました。

　当日は雨上がりの直後だったこともあり、路面の排水性舗装には水溜まりも無く、雨水は表層アスファルトの中を伝って排水溝へと導かれている様子がはっきりと分かるものでした。区間線などの仕上げ作業も完了しており、安全確認など数時間後の通行止解除に向けたカウントダウンが始まっているようでした。

新しくなった「高速大師橋」を東京側から川崎方面を見た様子（2023年6月9日撮影）

　既設橋の下流側でほぼ完成状態まで仕上げられた新設橋は「長さ292mの一枚板」とも言えるもので、橋桁重量約4000t（東京タワーとおおむね同等の長さと重さ）の構造物は「横取り一括架設工法」（スライド）によって架け替えられました。

　したがって高架道路に見られる「継ぎ目」は無く、新設橋の上は292mの滑らかな路面となっています。高速1号羽田線・横羽線と言えば、とくにバイクで走行中は路面からの断続的な突き上げをより強く感じるものですが、ここにはそれもありません。

　また首都高が開通した1968年とは異なり、現行基準に則した幅員構成（橋の幅）は18.2mとされ、既設橋よりも両側に85cm拡幅しているため、路肩もこの区間だけはゆとりがあるように感じます。

新設橋との接続部（2023年6月9日撮影）

　1日約8万台が利用する区間で2週間の通行止は、首都圏全体の交通に大きな影響を及ぼします。実際、う回路である湾岸線を中心に渋滞が発生し、また一般道では、産業道路や国道15号で通行止区間周辺に交通が集中し、渋滞の増加が見られたと言います。

　通行止期間を最小限とするため、さまざまな取り組みにより2週間という期間が実現されましたが、これほど大規模な工事と考えれば、むしろ早かったのではと思うところ、「私たちにとっては、とても長い2週間でした……」と、現場スタッフが言葉を漏らしていました。

　今後は「新・高速大師橋」の横で50年以上過酷な使用環境に耐え続けた古い橋が解体されるなど、首都高による大規模更新のひとつである「高速大師橋リニューアル」は2025年度末まで続きます。

取り除かれた「旧・高速大師橋」。これから解体される（2023年6月9日撮影）

「高速大師橋」の更新工事に関して、首都高速道路株式会社の代表取締役社長（前田信弘）は次のようにコメントしています。

「5月27日（土）から実施しておりました『高速大師橋架け替え工事』に伴う1号羽田線の通行止めは、架け替え工事が概ね完了し、予定どおり6月10日（土）に通行止めを解除します。

　通行止期間中は、首都高速道路及び通行止区間周辺の一般道路で通常以上の渋滞・混雑が生じるなど、お客さま及び通行止区間周辺の一般道路をご利用されている皆さまには大変ご迷惑をおかけしましたが、工事や渋滞緩和へのご理解とご協力をいただき、誠にありがとうございました。

　今後も、『首都高リニューアルプロジェクト』を進めるなど、お客さまへ安心・安全な首都高速道路を提供し、首都圏のひと・まち・くらしを結び、豊かで快適な社会の創造に貢献してまいります」