いい方法はある? 愛車を泥棒から守る盗難対策を徹底解説
バイクのニュース / 2023年7月29日 9時10分
バイクを保管する際に、気を使うことのひとつが盗難です。クルマやバイクの盗難が、社会問題とも言える程増加しており、特にバイクはサイズが小さいので移動させやすく、プレミアムモデルも多数あるなど、盗難されやすい状況にあります。そんな盗難対策として、様々なアイテムが売られていますが、有効なものはあるのでしょうか。
■盗難件数自体は減少傾向にあり
クルマやバイクの盗難が、日々話題になっています。特にバイクはサイズが小さいので移動させやすく、プレミアムモデルも多数あるなど、盗難されやすい状況。
そんな盗難を防ぐ為に、様々な盗難防止グッズが売られていますが、一体どれを選べばいいのでしょうか?
バイクには様々な盗難対策グッズがラインナップされている
クルマを中心に大胆な盗難シーンが、ニュースやワイドショーで取り上げられることが増えていますが、実際の発生件数は減少傾向にあります。バイクに限ってみても2022年の盗難件数(警察庁犯罪統計資料)は7914件で、2021年の7569件よりは少し増えていますが、2020年の9018件、2019年の1万1255件に比べると、かなり減ってきています。
減少理由は報道されることによる防犯意識の高まりだけでなく、バイクの場合は盗難車の送り先のひとつだった東南アジア諸国では、国内にある程度行き渡ってしまった事などが挙げられます。ただし、検挙率は2022年でたった18%と低く、こちらについては低迷が続いている状況。
しかし、発生件数自体が減っていても、個人レベルでは全体の総数は関係なく、狙われているという点で変わりありません。
一般社団法人日本二輪車普及安全協会では、自転車の防犯登録のような「グッドライダー・防犯登録」を推奨していて、登録データは警察庁とオンラインで共有されて、盗難車の発見に役立てるとしていますが、効果は薄いというのが実情。つまり一度盗まれたら、戻ってこない事がほとんどです。
■イモビライザーの働きと効果は?
そんな防犯対策として警察庁などが推奨しているのがイモビライザーの装着で、新型モデルでは標準装備化が進んでいます。
イモビライザーは警察などが推奨する程ガード力は無い
イモビライザーとは電子キーのことで、アナログキーとは別に、始動時にデジタルのIDコードを照合して合致しないとエンジンが始動できないというものです。
IDコードは何十万通りものパターンを持っていて、常に変わるようになっているので、仮に複製キーを持っていたとしても始動は不可能ということになります。そのため、電子キーを紛失すると、解除費用はかなり高く付く点には注意が必要です。
というように、イモビライザーは一見とてもいい装備に思えますが、問題はいくつかあります。
まず、エンジンが始動できなくなるだけで、車体を動かしても警報が鳴るなどの機能は付いていないので、レッカーやトランポに積み込むことは可能。
加えてメーカー純正品は、システム自体は同じなので、解析さえしてしまえば、同システムのモデルの解除は安易です。また、最近ではクルマが多いですが、イモビライザーのコードをコピーする方法も広まっています。
もちろん、装着されていないよりは、されているほうが確実に盗難対策となりますが、警察などが推奨するほどガード力は無いというのが正直なところです。
■バイク盗難のプロが嫌がることは?
それでは具体的な対策を考えてみましょう。
イモビライザーには弱点はあるとはいえ、付いているだけで効果はあるので標準装備で無い場合、オプションで用意されていれば、付けておく方が良いでしょう。
盗難する側にはいくつかのパターンがあり、「ただちょっと乗りたいだけ」や、「盗難のプロ」などに分かれます。
プロともなると知識やテクニックなどのレベルが高いので、完全な対策は難しいのですが、少し乗りたいというレベルであれば、イモビライザーの装着といった定番対策でも十分です。ちなみに、戻ってくる確率が高いのは、このパターンとなります。
盗難する側にはいくつかのパターンがあり、「ただちょっと乗りたいだけ」や、「盗難のプロ」などに分かれる。
では、プロの手にかかれば為すすべは無いのかというと、そのようなことはありません。完全に防ぎきる事はできないとしても、盗難される確率を下げる事は可能です。
具体的に言うと、プロが嫌がるのは手間がかかること。そのために下見をしたりするのですが、実際に盗む際には手間も時間もかけずに盗みたいというのが基本。
また、バイクがそこにある事を知られなければいいので、止める場所なども配慮しつつ、カバーをかけておくのも簡単な上に、意外と効果のある対策です。
複数の盗難対策をおこなうことがプロの泥棒には有効
盗難に手間がかかるようにするには、複数の対策をおこなうことも、プロの泥棒には有効です。
純正であればハンドルロックをかけて、さらにチェーンで柱などにつなげるのも基本。細いワイヤーロックだと簡単に切られてしまいますが、太いものだと切るのに時間がかかるので、盗難のプロは嫌がります。ちなみにどんなに太くて頑丈なタイプでも、切れないロックは無いと言われています。そのため、ディスクロックやレバーロックを併用したり、ショックを感知して鳴る警報装置を付けるのもおススメ。
少々高価ではありますが、ブレーキディスクに挟み込んでおくと、ショックを感知する事で発報するコンパクトなセキュリティシステムも販売されています。
あれこれ付けるのは面倒だなと思うかもしれませんが、この「面倒だな」と思う防犯対策こそ重要。対策する側が面倒だと思う盗難対策は、盗む側も同様に感じるわけで、そうなると狙われる確率はぐんと下がります。
プロゆえ、そのバイクにこだわりがあるわけではなく、あくまでも効率が優先。手間がかかると時間がかかり、見つかる率も高まるので、効率のいい物件が一番なのです。
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