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スノーモビルも手掛けてきた日本のバイク4メーカー その歴史が途絶えた

バイクのニュース / 2023年7月19日 17時0分

レーシングドライバーの木下隆之さん(筆者)は、ヤマハ発動機がスノーモビル事業から撤退すると聞き、ヤマハの製品にもっと目を向けたいと言います。どういうことなのでしょうか?

■「ヤマハ発動機、スノーモビル事業からの撤退……」

 僕(筆者:木下隆之)はヤマハ発動機がスノーモビル事業からの撤退というニュースを耳にして、体の力が足の裏から地面に流れていくような脱力感を覚えました。若い頃には雪国でインストラクターを経験し、ゲレンデパトロールの手伝いもしていました。そこにはいつもヤマハのスノーモデルがありました。膝まで雪に埋まるような深雪でさえも、スノーモデルはグイグイと進んでくれます。スキー場には欠かせない乗りものなのです。

ヤマハ発動機は1968年以来続けてきたスノーモビル事業から、2022年モデル(日本)をもって撤退することを発表したヤマハ発動機は1968年以来続けてきたスノーモビル事業から、2022年モデル(日本)をもって撤退することを発表した

 積載能力の高さの点では雪上車も頼りになりますが、フットワークが重い。救助が必要なレスキューでは、素早く現場に直行できるスノーモデルは最強の乗りものに思えます。そんなスノーモデル事業からヤマハが撤退するなんて……。

 過去にはスズキやホンダ、川崎重工がスノーモデルを手掛けていました。しかし採算の点では厳しいようです。SDGsによって環境性能への要求が高くなりつつあります。2ストロールが主流だったスノーモデルの世界にも環境性能で有利な4ストロークを投入するなど、開発費も重荷です。存続のために懸命に努力してきたようですが、それも実らなかったというわけですね。

 スノーモビルは、小型でタフなエンジンが必要であるという点でバイクとの親和性が高く、タイヤとキャタピラの違いを除けば、姿形はほとんどバイクです(と言いたい)。これまで日本のバイクメーカーがスノーモデルを手掛けてきましたが、これで日本製スノーモデルの歴史は途絶えます。

 ヤマハは世界屈指の総合モビリティメーカーです。バイクはもちろんのこと、ボート、ジエットバイク、クルーザー、バギーなど、多くの乗りものをラインナップしています。さらに電動アシスト自転車や電動車椅子、除雪機、発電機、レーシングカート……。数え上げればキリがありません。トヨタにスポーツカーのエンジンも納入しています。でずが、その中からスノーモデルがパカっと穴を開けたように歴史を終えるのです。

 スノーモビルは、私有地や専用のフィールドであればライセンスの必要もなく乗ることが出来ます。ヤマハの公式サイトには、まだラインナップが掲載されています。生産終了モデルであり、在庫完売をもって終了すると明記されていますが、まだ購入できるというわけです。

 意外なことに、価格は比較的安価に思えます。2ストロークエンジンのベーシックタイプが118万5800円、4ストロークエンジンの上級タイプでさえ157万8500円です(いずれも消費税10%込み)。数の論理からすればもっと高額なのかと身構えていましたが、バイクと感覚的には違いがありません。十分に個人所有できます。

 いま反省しても遅いのかもしれませんが、せめてボートやジェットバイクやレーシングカートなど、ヤマハの製品にもっと目を向けようと思います。

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