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【参戦記】鈴鹿8耐ウィークに『Ninja Team Green Cup』(ZX-25Rワンメイクレース)開催!!

バイクのニュース / 2023年8月8日 19時40分

モーターサイクルジャーナリストの小林ゆきさんは、自身が所有するカワサキ「Ninja ZX-25R SE」で、2023年の『鈴鹿8耐』レースウィーク中に開催される『Ninja Team Green Cup』(ワンメイクレース)に参戦しました。その模様を紹介します。

■いろいろ思いが重なって、参戦しました!

 真夏の風物詩ともなっている「鈴鹿8耐」こと『“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース』。2023年も8月6日に決勝レースが開催されました。この鈴鹿8耐レースウィークのサポートレースとして開催されたのが、カワサキ「Ninja ZX-25R」ワンメイクレースの『Ninja Team Green Cup』(以下、NTGC)です。これまで鈴鹿8耐のサポートレースとして長年開催されてきた「ロードレースの甲子園」とも称される「鈴鹿4耐」は、8耐ウィークではなく7月開催となりました。変わって、このNTGCと「グロムCUP」が土曜日の鈴鹿8耐予選とともに、日程に組み込まれたのです。

アンブレラ・ボーイには『バイクのニュース』でもおなじみ、プロライダーでエンターテナーの濱原颯道選手。小さい頃から知っているので、こんなに大きくなった、こんなに“人気一杯ダー”になったと感慨深い(写真/カワサキモータースジャパン)アンブレラ・ボーイには『バイクのニュース』でもおなじみ、プロライダーでエンターテナーの濱原颯道選手。小さい頃から知っているので、こんなに大きくなった、こんなに“人気一杯ダー”になったと感慨深い(写真/カワサキモータースジャパン)

 NTGC初年度はフル参戦し、今回は2年ぶりの参戦となった筆者・小林ゆき参戦記も交えて、このレースイベントの模様をレポートします。

 排気量250ccクラスに久々の4気筒エンジン、そしてトラクションコントロールなど高性能な装備を積んだカワサキ「Ninja ZX-25R」シリーズ(以下、25R)は、このクラスでは高価格帯のマシンでありながら、あっと言う間に人気車となりました。その理由は走りの楽しさだけでなく、サーキット走行を楽しめる入門クラスのワンメイクレース、NTGCの存在も大きいかもしれません。

『Team Green Cup』は日本だけでなく世界各地で展開されているモータースポーツのプログラムで、日本では25Rのワンメイクレースとして、また海外ではモトクロスや「Ninja ZX-4RR」のプログラムも開催されています。

 日本では2020年の25R発売当初からワンメイクレースのNTGCと、サーキットスクールの『Ninja Team Green Trial』(以下、NTGT)のプログラムが発表され、サーキットを走るための専用のレザースーツ、グローブ、ブーツと、アンダートレイ、レバーガード、ワイヤリングの穴が空いているドレンボルトなどのレースKITの発売がアナウンスされました。

 NTGCに出るためには、この専用レザースーツの使用が義務となっています。もともとツナギを持っている人にとっては少々お高い出費に感じますが、サポート価格として設定されているので、持っていない人にとってはかなりお安いと感じるはずです。さらに、専用レザースーツを購入すると1レースはエントリー無料となるチケットが付くという太っ腹。

 また、NTGCに参戦すると、参加賞として1万円分の用品チケットが付くほか、エンジンオイル1リットル、Tシャツやタオル、キャップなどの用品(レースによって内容は異なる)ももらえます。費用の面で、とてもリーズナブルなレースとなっています。

「いきなりレースに出るのは敷居が高い」「サーキット走行だけ楽しみたい」……そんな25RオーナーさんのためのプログラムがNTGTです。鈴鹿サーキットやオートポリス、モビリティリゾートもてぎなどの国際コースや、SPA直入、SPA西浦など全国各地でサーキットスクールが開催されています。

 NTGTは全日本や世界選手権などで活躍した名ライダーや、現役で走っている全日本ライダーから直接レッスンを受けられるのが特徴で、わたしも5月15日にもてぎで開催されたNTGTに参加しました。

 その日は世界グランプリGP125クラス元世界チャンピオンの坂田和人さんと、2023年シーズン『Team Kawasaki Webike Trickstar』で世界耐久レース選手権シリーズに参戦中の渡辺一樹選手がインストラクターを努めるという豪華なラインナップ。ショートコースでの基本の走り込みから、質疑応答の時間がたっぷりある座学、そして1人ひとりにアドバイスをいただける本コースの走行など、ステップアップしたい人にぜひオススメしたい内容となっています。

2年前の、この最終コーナーのシケインで転倒リタイヤの雪辱を晴らすべく、慎重に走って無事完走。ゼッケンは鈴鹿8耐参戦のときから使っている36番を指定。「山の頂を目指すレースもあるけれど、われわれは山の麓(山麓=サンロク)から裾野を広げよう」という意味のモットーを込めている(写真/カワサキモータースジャパン)2年前の、この最終コーナーのシケインで転倒リタイヤの雪辱を晴らすべく、慎重に走って無事完走。ゼッケンは鈴鹿8耐参戦のときから使っている36番を指定。「山の頂を目指すレースもあるけれど、われわれは山の麓(山麓=サンロク)から裾野を広げよう」という意味のモットーを込めている(写真/カワサキモータースジャパン)

 さて、今年はレース活動お休み宣言をしていたわたしですが、ついに鈴鹿8耐レースウィークにNTGCが開催されるということで、ぜひプログラムに名前を残したいという思いもあり、予定を切り替えてエントリーしました。

 わたしは2000年から2003年まで、監督として自分のチームで鈴鹿8耐に参戦していましたが、ライダーとして鈴鹿4耐に参加したことはなかったので、鈴鹿8耐レースウィークのサポートレースとなったNTGCは絶好の機会だと思ったのです。

 もうひとつの理由として、NTGC初年度の2021年の鈴鹿のレースでは、レース中に最終コーナーで転倒してリタイヤしてしまったため、ぜひ鈴鹿で完走したいという思いもありました。

 走行練習をするタイミングがなかったので、せめて車両の整備はしっかりやっておこうと、今回も車両を購入したカワサキ正規代理店でしっかり整備をしていただきました。総走行距離はサーキット走行をメインに約1万3000kmで、整備カ所は大から小までたくさんあったので割愛します。

 ここで忘れてはいけないのは、ライセンスの更新です。レースを走るためには競技団体のライセンス(今回の場合は世界のバイクレース統括団体FIM傘下の国内競技団体MFJ)と、走るサーキットのサーキットライセンスの2つが必要です。

 今回、MFJロードレースライセンスは更新しましたが、鈴鹿サーキットのサーキットライセンスはめちゃくちゃ料金が上がっていたので、1レースのみ有効の暫定ライセンスで走ることにしました。

 無事にエントリーを受理していただき、真っ先に行なったことは「傘持ち」を依頼することでした。

 レースは土曜日の朝イチです。せっかくの鈴鹿8耐という大舞台、お客さんは普段の地方選手権やサンデーレースよりも多いだろうし、この2年はレースに出ていないから前の方で走ることも叶わない。せめてグリッドで目立ちたいと思い、濱原颯道(はまはらそーどー)くん、もとい濱原颯道選手にお願いすることにしたのです。

 8月4日、金曜日は選手受付とフリー走行、そして予選がありました。参加者が準備や待機をする場所はAパドックで、鈴鹿8耐をやっているピットのすぐ裏という好立地でした。

 高待遇はパドックの位置だけではありません。なんと参加者とヘルパーのクレデンシャル(入場許可証)は日曜日まで使えるもので、つまり土曜日のレース後にそのまま鈴鹿8耐を楽しめるのです。

 さらに、レース後はパドックに比較的近いCパドックに停められるカークレデンシャルまで発行されて至れり尽くせり。一緒にカワサキ系チームを応援しながら鈴鹿8耐を楽しめるものとなっていました。

鈴鹿8耐に併催となった『Ninja Team Green Cup』のパドックは、8耐ピット裏のAパドックという便利さ。8耐気分も味わえる、最高の立地で参戦することができた(写真/小林ゆき)鈴鹿8耐に併催となった『Ninja Team Green Cup』のパドックは、8耐ピット裏のAパドックという便利さ。8耐気分も味わえる、最高の立地で参戦することができた(写真/小林ゆき)

 パドックで設営を始めると、さっそく周りの皆さんとのご挨拶が始まりました。NTGCの参加者はNTGTで練習したり、NTGCシリーズで遠方まで参戦したりしている選手が多いので、顔見知りが出来るのも楽しい点です。みんな同じバイクだから部品や修理、セッティングの情報交換や、走りの相談などをしやすい環境になっていると感じます。

 運営を担当している田村圭二さんの細やかな気遣いも、初心者からベテランまで、ジェントルなスポーツマンシップで走るレースになっている要因です。

 ブリーフィングではコースイン/アウトの方法やフラッグの確認だけでなく、イコールコンディションならではの事情を踏まえて初心者も多く参加していることから、安全に抜く/抜かれる方法などを丁寧に説明されていました。

 また、随時パドックを回ってアドバイスをしたり、選手からの悩みや要望を聞いて次のレースに反映するなど、単にレースの場を提供するだけでなく、参加者とともにNTGCを育てていこうという雰囲気を感じます。

 鈴鹿8耐予選の興奮も覚めやらぬまま、16時半過ぎから予選が始まりました。わたしは途中で急に頭痛が起き、少し腕にしびれを感じたので熱中症気味だと判断し、残り5分ありましたが途中でピットイン、29番手で予選通過しました。

鈴鹿8耐の場でのレースを終えて、笑顔の『Ninja Team Green Cup』参加者の皆さん(写真/カワサキモータースジャパン)鈴鹿8耐の場でのレースを終えて、笑顔の『Ninja Team Green Cup』参加者の皆さん(写真/カワサキモータースジャパン)

 明けて6日の日曜日。8時55分レーススタートのため、7時前にサーキット入りして準備を始めました。前日は松坂牛をいただき、22時前には就寝して体調も万全です。予定通り身長191cmの濱原颯道君も来ていただき、RSタイチの傘を持っていただきました。

「大ファンなんです~」と何人にも声をかけられたのですが、全員、わたしではなく濱原颯道選手のファンだったのは嬉しい誤算でした。彼が小さい頃から知っているので、本当に感慨深いです。

 鈴鹿8耐のレース実況アナウンサーによる選手紹介はかけがえのない思い出となりました。ウォーミングアップラップで気づいたのですが、グランドスタンドにはすでに観客がいるだけでなく、遠くヘアピンコーナーの方までお客さんがいて、手や旗を振ってくれていたのには感激しました。

 決勝レースはフルコース8周です。余裕があれば走りながらも海が見えるはずですが、そんな余裕はなく、レッドシグナル消灯でスタート。朝9時でも気温は34度くらい、路面温度も軽く50度を超え、タイヤのコントロールが難しいコンディションでした。案の定、ところどころで転倒しているライダーを見かけては「あぁ~〇〇さん、やっちゃったな」と思いつつ、自分のレースに集中するよう気持ちを戻します。

 苦手、かつ前回のレースで転倒したシケインでは慎重になり過ぎるあまり、どんどん抜かれましたが、念願の鈴鹿サーキットで完走、チェッカーフラッグを受けることができました。

 クールダウンラップでも各ポストのオフィシャルさんや、各コーナーのお客さんたちが、手やフラッグを振りながら温かい応援を送ってくださったのが印象的でした。

 今後、NTGCは9月17日SPA直入、NTGTは11月7日、最終戦となるSPA直入で開催されます。

 カワサキ「Ninja ZX-25R」オーナーのみなさん、ぜひ参加してみてはいかがでしょう!

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