1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

和製アメリカンの代表格 ホンダ「スティード」は“体感スペック”にフォーカスした大胆かつ斬新なモデルだった

バイクのニュース / 2024年8月19日 19時40分

1988年に新登場となったホンダ「STEED(スティード)」は、普通自動二輪免許で乗れるクルーザーモデルの真打的存在です。北米のバイクへの憧れではなく「スティード」を頂点とする和製アメリカンは、独自のファン文化を形成するほどの人気モデルでした。

■和製アメリカンの流行を突き抜けたヒット作

 1970年台後半に「アメリカン」と呼ばれた新しいスタイルのバイクが各メーカーから相次いでリリースされました。50ccの原付アメリカンから1000ccクラスの本格的なモデルまで、様々な車種が出揃いました。

1988年に発売されたホンダ「STEED 400」はアメリカンスタイルのクルーザーモデル。排気量違いで600(583cc)も同時にリリースされた1988年に発売されたホンダ「STEED 400」はアメリカンスタイルのクルーザーモデル。排気量違いで600(583cc)も同時にリリースされた

 概ね、どのモデルも既存のスポーツバイクの車体やエンジンをベースに、ワイドなハンドルバーや段付きシートなどでアメリカンスタイルの雰囲気に作り込んでいました。

 そんな中、ホンダは1982年に新設計となる排気量749ccの狭角V型2気筒エンジンを搭載した本格的なアメリカンスタイルのカスタムモデル「NV750カスタム」を市場に投入します。

 1985年には排気量399ccの同じくV型2気筒エンジンを搭載する「NV400カスタム」が登場し、アメリカンスタイルの中型車もVツインエンジンの時代に突入します。

 盛り上がるアメリカンブームに乗って、ホンダはさらなる新型車「STEED 400(スティード400)」を登場させます。

「スティード」はユーザーがイメージするアメリカンスタイルそのもので、低く長いシルエットはそれまでの日本製アメリカンバイクを超えたインパクトを持っていました。

 狭角Vツインエンジンは挟み角52度のSOHC3バルブと「NV400カスタム」と同じですが、ボア×ストロークも異なる新設計エンジンです。クルーザーのユーザーが好む力強い鼓動感を、美味しい回転域で味わえるように低中速のピックアップを最優先して設計されています。

排気量398ccの水冷狭角(52度)V型2気筒SOHC3バルブエンジンを搭載。低中速域を優先したトルク特性と力強い鼓動感が魅力排気量398ccの水冷狭角(52度)V型2気筒SOHC3バルブエンジンを搭載。低中速域を優先したトルク特性と力強い鼓動感が魅力

 車体デザインは、ヘッドパイプからリアアクスルまで一直線に見えるように構成され、エンジンを三角形で抱え込むデルタシェイプとなっています。

 視覚的にリアショックを隠し、リジッドフレームのような古典的なスタイルは、低いシート高と長いホイールベースによって「スティード」をより個性的に見せています。

 一方、後方からはリアフェンダーのカーブラインと170/80-15のワイドなリアタイヤにより、ボリューム感のあるリアビューとなっています。

 小ぶりでスタイリッシュなティアドロップ型の燃料タンクやルーズクッションシート、さらにハンドルやメーターまわり、アルミバフ仕上げのトップブリッジや足まわりなど、質感にこだわった作り込みです。

メーターはシンプルに丸型の速度計のみ。「エンジンの回っている力量感で、シフトポイントを知って欲しい」と、あえて回転計は装備しなかったメーターはシンプルに丸型の速度計のみ。「エンジンの回っている力量感で、シフトポイントを知って欲しい」と、あえて回転計は装備しなかった

「スティード」は400(398cc)と600(583cc)の2種類の排気量が同時に発売されました。車体の外観は同じで、ハンドルは手前に引いたティラーバー型を装備し、400ではフラットバー型も選べました。

 車体カラーや仕様など細かなマイナーチェンジを繰り返しながら10年以上販売されたヒット作となり、基本的なデザインは完成度が高く、イメージは最終型まで継承された一方、ディテールはユーザーの欲求を敏感に取り入れて、ラグジュアリータイプやクラシックタイプなどのバリエーションを追加します。

 中でも特筆すべきは、1998年に追加されたスプリンガー・フロントフォークを採用した「スティードVLS」です。大径21インチフロントタイヤを装備し、一段とクールなスタイルはマニア垂涎の1台でした。

艶感のある表皮のルーズクッションシート。シート高は680mmという低さでロースタイルを実現艶感のある表皮のルーズクッションシート。シート高は680mmという低さでロースタイルを実現

 2001年に排出ガス規制に対応した最終モデルがあり、その後、ホンダの和製アメリカンは「シャドウ」シリーズや、現行モデルでその名が復活した「レブル」シリーズへと受け継がれています。

 ホンダ「スティード400」(1988年)の当時の販売価格は59万9000円です。

■ホンダ「スティード400」(1988年型)主要諸元
エンジン種類:水冷4ストロークV型2気筒SOHC3バルブ
総排気量:398cc
最高出力:30PS/7500rpm
最大トルク:3.3kg-m/5500rpm
全長×全幅×全高:2310×760×1130mm
始動方式:セルフ式
シート高:680mm
車両重量:208kg
燃料タンク容量:9L
フレーム形式:ダブルクレードル
タイヤサイズ(F):100/90-19 57S
タイヤサイズ(R):170/80-15 77S

【取材協力】
ホンダコレクションホール(栃木県/モビリティリゾートもてぎ内)
※2023年12月以前に撮影

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください