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戦国時代から様々な困難を経て威容を放つ「富山城」へ

バイクのニュース / 2024年8月20日 13時10分

富山市中心部のシンボルである「富山城」は、1543年に築城されたと言われています。戦国時代には上杉氏、佐々成政などが城主となり、秀吉の天下統一後は前田利家(まえだとしいえ)が修築。その後も大火、廃城令、第2次世界大戦の空襲、2024年は能登半島地震の影響を受けて、復旧を目指しています。

■残された土地と石垣、現在は市のシンボルに

 2024年1月の能登半島地震によって、富山市の中心部にある「富山城址公園」は石垣の亀裂、堀の擁壁崩落などが見られ、復旧作業が行なわれています。今回訪れたときも公園内の一部が工事中でした。損壊箇所がまだ残っている「富山城」でしたが、この城の歴史を調べると、数百年の間に様々な激動の歴史があったことがわかります。

美しい堀と街並みに囲まれた「富山城址公園」を訪れた。城門のすぐ隣に駐輪場があるので、そちらにバイクを移動してから散策開始美しい堀と街並みに囲まれた「富山城址公園」を訪れた。城門のすぐ隣に駐輪場があるので、そちらにバイクを移動してから散策開始

 戦国時代は織田信長の武将である佐々成政(ささなりまさ)が居城し、この地方一帯を支配。しかし天下統一を目前とした羽柴秀吉(はしばひでよし:後の豊臣秀吉)の大軍を前に降伏し、その後切腹。秀吉により城は破却されますが、富山藩主となった前田家が修築をはかり、以後居城となりました。

 その後も大火による消失、江戸幕府による「一国一城令(全国諸大名の居城以外はすべて破却する命令)」で一時廃城、第2次世界大戦での空襲による被害など、「富山城」はこれでもかというくらい、数々の困難をくぐり抜けてきたのです。

「千歳御門」と呼ばれる立派な城門。屋根には赤いレンガ、総檜の門は厳かだが、藩主の前田氏の隠居御殿の門なので、威圧するような感じではなく親しみやすいものだった「千歳御門」と呼ばれる立派な城門。屋根には赤いレンガ、総檜の門は厳かだが、藩主の前田氏の隠居御殿の門なので、威圧するような感じではなく親しみやすいものだった

「富山城址公園」は、JR富山駅から徒歩10分という立地にあります。バイクで訪れるため事前に駐輪場を探していたところ、ありがたいことに城門のすぐ横の地下に、有料の駐車場・駐輪場があったので、そこに停めてから散策しました。

 まずは格式高い城門から。ここは「千歳御門」と呼ばれ、10代藩主前田利保(まえだとしやす)の隠居所「千歳御殿」の正門です。明治時代は別の場所へ移されていたため戦火を免れ、2018年にこの場所に移築されたそうです。総檜造りで屋根には赤煉瓦、そしてそれを囲む石垣は、自然石を熟練の技巧で積んだ「野面積み(のづらづみ)」が見られます。

 中に入ると見えてくるのが「富山市郷土博物館」です。ここは1954年に建設された3重4階建ての城郭を模した建物で、400年以上に渡る「富山城」の歴史を紹介しています。が、残念ながら休館日のため中には入れず……。

1954年に建てられた「富山市郷土博物館」は、4階建ての城郭を模したもの。残念ながら休館日で中に入ることはできなかった1954年に建てられた「富山市郷土博物館」は、4階建ての城郭を模したもの。残念ながら休館日で中に入ることはできなかった

 公園内では和風の庭園や2代藩主前田正甫(まえだまさとし)の像などを見ることができました。この人物は、富山の薬を広く諸国に行商させた「富山売薬の祖」と言われる人だそうです。

 また「殉職警防団員之碑」もあります。こちらは消防団員の霊を弔うため、1940年に建てられたもの。富山の空襲にさらされているはずですが、しっかりと残存されていることに力強さを感じました。

自然石を使用した「野面積み(のづらづみ)」による見事な石垣を堪能できる。河川の玉石の丸い面を残しているのが「富山城」の特徴。三層構造で強固なだけでなく排水性にも優れていたようだ自然石を使用した「野面積み(のづらづみ)」による見事な石垣を堪能できる。河川の玉石の丸い面を残しているのが「富山城」の特徴。三層構造で強固なだけでなく排水性にも優れていたようだ

「富山城」は戦国時代だけでなく、その後の歴史も感じさせてくれる力強い城でした。また機会があれば、博物館なども見て回りたいと思います。

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