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【MotoE第7戦オーストリア大会】参戦通算4年目のエクトル・ガルソ選手とルーキーのオスカル・グティエレス選手が激突

バイクのニュース / 2024年8月21日 12時10分

2024年シーズンの電動バイクレース『FIM Enel MotoE World Championship』第7戦オーストリア大会が、8月16日から17日にかけて、オーストリアのレッドブル・リンクで行なわれました。

■2人のライダーが接戦を繰り広げるレース展開

 電動バイクによって争われる『FIM Enel MotoE World Championship』(以下、MotoE)は、オーストリアで第7戦を迎えました。今季は全8戦が予定されているため、残すところはこのオーストリア大会と、最終戦サンマリノ大会の2戦となります。

【MotoE第7戦オーストリア大会】MotoE参戦通算4年目のガルソ選手(#4)と、MotoEルーキーのグティエレス選手(#99)による優勝争い【MotoE第7戦オーストリア大会】MotoE参戦通算4年目のガルソ選手(#4)と、MotoEルーキーのグティエレス選手(#99)による優勝争い

 オーストリア大会をチャンピオンシップのランキングトップで迎えたのは、エクトル・ガルソ選手です。今大会は、ガルソ選手とMotoEルーキーのオスカル・グティエレス選手がコース上で激しく火花を散らしたレースとなりました。

 ガルソ選手は、土曜日の昼に行なわれたレース1ではグティエレス選手の後塵を拝して2位だったものの、午後のレース2では最終ラップまでグティエレス選手と激しいトップ争いを展開し、優勝を飾ったのでした。このレースでは、グティエレス選手は最終ラップの9コーナーで転倒を喫してリタイアとなっています。

「やらなければならないことをやってのけたと思う。チャンピオンシップのトップだからといって、攻める必要はない、ということはないからね。本当にクレバーにうまくやったと思うよ。最後まで待ったんだ。オスカルにプレッシャーをかけてみて、それで彼はミスをしたのかもしれない。もちろん、ああなることを望んでいたわけじゃないけど……」

 レース2の優勝でレース1の留飲を下げた、といったところでしょうか。ガルソ選手はパルクフェルメのインタビューで、満足そうにそうレースを振り返っていました。

「ミサノでどうなるだろうね。でも、今は楽しんでいたいんだ」

 ガルソ選手は、MotoEの初年度である2019年に参戦していたライダーです。2年のブランクを経て2022年から再びMotoEに参戦し、とくに2023年シーズンからはより速さを増してきました。

 今季は4勝を含む9度の表彰台を獲得し、オーストリア大会を終えて、ランキング2番手に38ポイント差のランキングトップにつけています。最終戦サンマリノ大会でも2レースが行なわれる予定で、最大で50ポイントの逆転が可能であることから、チャンピオン獲得は最終戦に持ち越されていますが、ガルソ選手が有利な状況であることも確かです。

チャンピオンシップをリードするガルソ選手(右)チャンピオンシップをリードするガルソ選手(右)

 一方、オーストリア大会でガルソ選手と激しい優勝争いを展開したグティエレス選手のレースも見事でした。グティエレス選手はMotoEで初となるポールポジションを獲得し、レース1で今季2勝目を挙げました。

 MotoEは、ルーキーにとって容易ではない選手権です。その理由のひとつには、1戦あたりの走行時間が短いことが挙げられます。バッテリー容量により、2回のプラクティスは各15分間、予選(Q1、Q2)は10分間です。レースの周回数はサーキットによって異なりますが、トータルタイム15分以下の時間で行なわれるというタイムスケジュールなのです。

 余談ですが、通常はライダーが全力のタイムアタックを行なう予選で記録されるオールタイムラップ・レコードが、MotoEでは度々レースで記録されています。これも、走行時間が少ないことが理由のひとつです。

 走行を重ね、最も慣れてタイムが出るのがレースとなるわけです。これについてはドゥカティのeモビリティ・ディレクター、ロベルト・カネさんも「セッションや予選(時間)が短いからでしょうね」と語っていました。

 グティエレス選手に話を戻すと、ルーキーとは言っても2023年シーズンの2戦に代役参戦しており、そのうちの1戦がオーストリア大会でした。今回のレース2では最終ラップまでガルソ選手と優勝を争い、225kgの車両重量を操って1コーナーのハードブレーキングでガルソ選手を抜き去ったのですが、トップ走行中の9コーナーでスリップダウンを喫し、リタイアに終わりました。とはいえ、最終戦でどのようなレースを見せるのか、楽しみなライダーです。

 MotoE最終戦サンマリノ大会は、MotoGP第13戦サンマリノGPに併催で、イタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで9月7日、8日に行なわれます。

■FIM Enel MotoE World Championshipとは

 2019年にスタートした電動バイクによるチャンピオンシップ。2019年から2022年まではWorld Cup(ワールドカップ)として開催されていたが、2023年よりWorld Championship(世界選手権)となった。MotoGPのヨーロッパ開催グランプリのうち数戦に併催され、各土曜日に2レース開催で全8戦16レースが行なわれる。バイクはドゥカティ「V21L」のワンメイクで、タイヤはミシュラン。9チーム18名のライダーが参戦している。

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