色々あるって知ってる? バイク用ヘルメットの「あごひも」の形式
バイクのニュース / 2024年9月3日 9時10分
ライダーの命を守るヘルメットのあごひもには、現在主流となっている「ワンタッチ製」以外にもいくつかのタイプがあり、それぞれの正しい着用方法を知ることが安全なバイクライフにつながります。では、それぞれのあご紐の正しい着用方法とは、どのようなものなのでしょうか。
■命を守るバイクヘルメット!あごひものタイプはワンタッチ製だけじゃない!
バイク乗車時にヘルメットを装着することは、道路交通法により定められた義務となっています。
バイクは車体で覆われているクルマとは違い、ライダーの体はむき出しの状態。事故が起きてしまった際に衝撃を抑える、シートベルトなどもありません。
また、ヘルメットを装着していたにもかかわらず死亡事故が起きてしまうケースもあります。それは、あごひもをしていなかったり緩めたりしていると、事故の衝撃で脱落してしまうことがある為です。
警視庁の調査によると、2020年から2022年までの3年間で起きたバイク事故による死者数は合計で115人。そのうちヘルメットが脱落してしまった人は34人と、割合で言うと29.6%。この数字は、ヘルメットは想像以上に外れやすいものであることを示す高い数字と言えるでしょう。
つまり「ヘルメットを被っているから安心」ではなく、いかに正しく装着するかが非常に重要という訳です。
バイク用ヘルメットのあご紐には様々なタイプがある
しかし、残念ながらまだまだ認識の甘いライダーは多く、警察が2023年に3104人を対象におこなった聞き取り調査では、あごひもの結束状況に関して「適正に結束」と答えた人は72.7%、「ゆるく結束」は21.9%、「結束なし」は5.4%という結果。4人に1人以上は、正しく装着ができていないという状況です。
前述のデータからもわかるように、ヘルメットは正しく装着していなければ、その機能を充分に発揮することができません。そのため、ヘルメットのあご紐はきちんと締めるよう心掛ける必要があります。
なお、ヘルメットのあごひもには押し込むだけでロックできるワンタッチバックル、いわゆる「ワンタッチ製」が現在の主流。ワンタッチ製は、オス金具をメス金具に差し込むだけというシンプルな仕様で、ズレがないようカチッと音がなるように差し込むのがポイントです。
なお、バイク用ヘルメットには、あごひもにワンタッチ製以外を採用しているものもラインナップされていていますが、一体どのような種類があるのでしょうか。
軽量モデルやレース対応モデルなどに多く採用されるDリング方式のあご紐
まずひとつ目はDリング方式と呼ばれるもの。大手ヘルメットブランドSHOEIの担当者によると、これは後述するマイクロラチェット式はDリングに比べ重量が増えたり、人によってはのどへの当たりが気になったりするというデメリットがあるため、軽量モデルやレース対応モデルなどにも採用しているとのことです。
操作方法は3タイプの中では1番難しいと言われていますが、慣れてしまえば簡単。まずはじめに、あごひもの端をふたつのDリングに通します。
ここでのポイントは、どちらか一方のリングにのみ通すのではなく、ふたつのリングに通すこと。あごひもの先端を折り返してふたつのDリングの間に通し、あごとあごひもの間に指が1本から2本入るくらいに締めれば完了です。なお、あごひもの端にエンドホックがある場合は、しっかりと留めましょう。
ラチェット式は、オス金具をラチェットバックルに差し込んで、カチリときちんと金具がかみ合うまで差し込む方式
そしてふたつ目は、ラチェット式。ラチェット式では、オス金具をラチェットバックルに差し込んで、カチリときちんと金具がかみ合うまで差し込みます。
そうするとバックルのレバーを起こさないかぎり、歯止めで動作方向は一方に制限されているため、抜けない仕組みになっています。
なお、すべてのタイプに言えることですが、あご紐の長さはあごひもとあごの間、指1本分の隙間が良いと言われています。また、ヘルメットの顎紐はその種類にかかわらず、すべて安全規格に規定されている試験をパスしています。そのため、締結方式の違いによる安全性に優劣はなく、すべて一定の安全性が担保されています。
ヘルメットは、ライダーの命を守るための重要な役割を果たしています。たとえ性能が優れた物を購入しても、正しくあごひもを締めていなければ意味がありません。
あごひもには主要なワンタッチ製以外にもDリング、ラチェット式などがありますが、どのタイプが採用されている場合でもしっかりと締め、安心・安全な走行を心掛けたいものです。
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