いま眺めても、華やかさを感じる!? ダイハツの軽オープン・スポーツカー「Copen(コペン)」とは
バイクのニュース / 2024年9月8日 17時10分
モータースポーツ界の生き字引、現役レーサーの木下隆之氏の連載コラム「木下隆之のヒストリカルパレード(通称:ヒスパレ)」連載第27回目は、2002年に登場したダイハツの軽オープン・スポーツカー初代「コペン」を解説します。
■美しさも兼ね備えた軽オープン・スポーツカー!
ダイハツの軽オープン・スポーツカー『コペン』の初代がデビューしたのは2002年のことです。日本経済はデフレ不況の荒波を被っていました。東証の株価はバブル崩壊後最安値を更新し、9000円を割り込んでいました。
ダイハツの軽オープン・スポーツカー初代「コペン」(写真提供:Mクラフト)
華やかな話題といえば、日韓共催のサッカーW杯で日本が初のベスト16になったことだけだったかもしれません。とにかく2002年の日本経済はシュリンクし、社会全体が沈んでいたように記憶しています。
そんな2002年に、ダイハツがデビューさせた「コペン」は、まるでバブル時代を彷彿させるほど華やかなコンセプトに満たされていました。
それはまるで、ダイハツが萎縮する日本を立て直すための狼煙だったような気もしましたし、暗く沈みがちな日本人を鼓舞するための応援歌のように思えたのです。コペンは軽自動車です。ですが、萎縮した素振りは微塵もなく、贅沢な作り込みだったのですから。ダイハツが沈静化した日本国民を盛り立てようとするかのようなその心意気に、気持ちが躍ったことを覚えています。
水冷直列4気筒DOHCツインスクロールターボエンジンを搭載
コペンは軽自動車ですから、排気量は660cc未満に抑えられています。ですが、なんと驚くことに4気筒だったのです。最高出力は自主規制上限の64psでしたが、直列4気筒DOHCツインスクロールターボエンジンを搭載していたのです。
最近では、排気量1.5リッター以下の大衆車エンジンは3気筒と相場がきまっています。3気筒は4気筒よりも回転振動が強いので、滑らかさでは負けますがそれでも効率を優先しているからです。
ですがコペンは、排気量660ccなのに4気筒にこだわったのです。それにより、高級なエンジンフィーリングが実現していました。
そもそもコペンのコンセプトは、大衆車の概念を超越したスペシャリティカーなのです。ご覧のようにスタイルはコンパクトクーペであり、開閉可能なルーフを備えるオープンカーだったのです。
それだけでも贅沢ですが、さらにコペンのルーフは電動油圧ポンプ式だったのです。スイッチひとつで開閉するのは、軽自動車以外でも手動ルーフがあったほどですから、いかにコペンのそれが贅沢だったか想像がつきますよね。
電動ルーフは贅沢ですが、約30kgの重量増を招く(写真提供:Mクラフト)
さらには、電動ルーフではなく、脱着可能なデタッチャブルルーフの設定もありました。電動ルーフは贅沢ですが、約30kgの重量増を招きます。やや鈍化させます。走りにこだわるユーザーのリクエストに応えて、軽量なルーフ仕様をも設定したのです。
しかも、年次改良が進むと、LSD(リミテッドスリップデフ)を組み込んだり、ディスチャージ式ヘッドランプを採用したりと、やつぎばやに仕様を豪華にしていきます。シートヒーターまで組み込むなど勢の極みに達しています。そんな豪華なモデルですから、盗難対応のイモビライザーを備えたりもしています。
初代発売後には、レカロシート仕様やビルシュタイン仕様などが追加された
贅沢度はそれでも止まりません。レカロシート仕様が追加されたり、ショックアブソーバがビルシュタイン仕様になったり、BBSが組み込まれることもありました。ボディサイズはコンパクトですが、魂はスペシャリティカーだったのです。
現在でも初代コペンが颯爽と駆け抜ける姿を見掛けます。いま眺めても、華やかさを感じますよね。2002年のシュリンクした日本をちょっとだけ支えてくれたコペンは、ダイハツの歴史を彩る一台でもあるのです。
◾️ダイハツ「Copen」
<エンジン>
形式:JB-DET
種類:水冷直列4気筒DOHC16バルブターボ
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
総排気量(cc):659
圧縮比:8.2
最高出力(ps(kW)/rpm):64(47kW)/6000
最大トルク(kg-m/ rpm):11.2 (110N・m)/3200
燃料供給装置:EFI(電子制御式燃料噴射装置)
燃料タンク容量(リットル):40
<寸法・定員>
全長(mm):3395
全幅(mm):1475
全高(mm):1245
ホイールベース(mm):2230
車両重量(kg):830
乗車定員(名):2
※ ※ ※
ホンダの大型スーパースポーツバイク「CBR954RR」は、この6代目から国内で販売が開始されました。
ホンダの大型スーパースポーツバイク「CBR954RR」
排気量をCBR900RRからアップした954cc・水冷DOHC直列4気筒を搭載、フレームにワークスレーサーNSR500のレーシングテクノロジーを採用し、スポーツバイクの走りの楽しさを高次元で実現していました。また、国内モデルでは、走行騒音を低減させるサイレントクロスチェーンを採用しています。
「CBR954RR」発売当時の価格(税抜)は、105万円でした。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
約99万円! トヨタ新型「“軽”セダン」発表! 全長3.4m級ボディで4人乗れる! 安全性向上&寒さ対策UPの「ピクシス エポック」どんな人が買う?
くるまのニュース / 2024年11月24日 8時10分
-
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース / 2024年11月21日 22時10分
-
新車「800万円超え」の軽自動車! でも乗ればホレる完成度 スズキ製エンジンでなぜ?
乗りものニュース / 2024年11月17日 17時12分
-
日産の「901活動」から生まれた! 7代目 B13型「日産・サニー」とは
バイクのニュース / 2024年11月17日 17時10分
-
140馬力超え「“軽”規格エンジン」採用!? ダイハツ「斬新スポーツカー」に反響多数! 600kgボディ採用で「大排気量スポーツカー」とも戦える「コペン RJ」が話題に
くるまのニュース / 2024年11月11日 11時10分
ランキング
-
1【風呂キャンセル界隈】経験者は7割 - 普段の入浴「朝起きた時」派も15%
マイナビニュース / 2024年11月25日 9時27分
-
2充電しながらiPhoneを触ってはいけない? 劣化が早まるリスクも!?【スマホのプロが解説】
オールアバウト / 2024年11月24日 21時25分
-
3100万円を5年、定期預金に預けるならどの銀行がいい?おすすめ定期預金【2024年11月】
オールアバウト / 2024年11月24日 19時30分
-
4「レベル低すぎ。小学生かよ」と暴言し放題!横暴な社長の息子に立ち向かった社員の逆転劇
日刊SPA! / 2024年11月25日 8時51分
-
5記憶喪失なのか? 生稲晃子外務政務官「靖国参拝していない」強弁の波紋、日韓外交にまたヒビ
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年11月25日 11時3分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください