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ガソリンとコーヒーの向こう側にある意外な共通点とは!? バイク乗りのコーヒー屋デイドリップ通信VOL.14

バイクのニュース / 2024年12月28日 9時10分

バイク乗りのコーヒー店主、黒田悟志さんによる連載コラム。今回はガソリンの原料である石油と、珈琲の原料であるコーヒー豆の意外な共通点についてお届けします。

■どちらもほぼ100%輸入!?

 こんにちは! バイク好きのコーヒー屋、Day Drip Coffeeのクロダです。コーヒーとバイク。それぞれに奥深い世界観を持つ魅力的な存在ですね。

 このコラムでは、そんな二つの世界を行き来するうちに見えてくるトピックをお届けしています。今回は石油とコーヒー豆について。バイクの燃料と言えばガソリンですよね。そのガソリンの原材料である「石油」と、飲料としての珈琲の原材料である「コーヒー豆」について、そのよく似た背景や、意外な現状などもご紹介したいと思います。

コーヒー豆とガソリン、その意外な共通点とはコーヒー豆とガソリン、その意外な共通点とは

 もう初っ端から結論めいた話ですが、石油もコーヒー豆も99%以上が輸入で、国内ではほぼ生産することが出来ません。ゼロじゃないのが気になって自給率をちょっと調べたら、石油の方はこの50年くらい0.5%未満(経産省資源エネルギー庁のエネルギー白書より)。

補助金が打ち切られ値上がりしたガソリン。高騰はいつまで続くのでしょうか補助金が打ち切られ値上がりしたガソリン。高騰はいつまで続くのでしょうか

 コーヒー豆の自給率は調べたけれどよく分からず⋯⋯おそらく年間1トン未満かと。輸入量は毎年40万トン近く(全日本コーヒー協会統計資料より)あるので、10万分の1以下。ゼロじゃないので99%以上なんて言い方しましたが、まあ事実上100%みたいなことです。

 ちなみに世界全体の貿易で見ると、一次産品(自然の中で採取・採掘され、加工されていない産出品)で貿易額トップは文句なしに石油。そこは誰でも想像がつくと思います。驚くのはコーヒー豆がそれに次ぐ貿易額と言われていることです。

 ただしこれも正確なデータを見つけられず⋯⋯。似たようなものとして、小麦、トウモロコシ、大豆あたりは貿易額ランキングのライバルですね。最近トウモロコシはバイオエタノールの原料として注目され、米国では生産量の4割がそっちに使われるとか。食べないコーン、びっくりです。

■いずれも「先物取引」の対象

 石油もコーヒー豆もそれほどまでに大きな国際的貿易商品ですから、いずれも「先物取引」の対象です。

ガソリンと同じく円相場の影響をモロに受けるコーヒー豆。日本の輸入先国別ランキングの割合も似たような数値となっていますガソリンと同じく円相場の影響をモロに受けるコーヒー豆。日本の輸入先国別ランキングの割合も似たような数値となっています

 また輸入頼りということは、当たり前ですが円相場の影響をモロに受けます。つまり石油もコーヒー豆も、巨大な経済マーケットの中に組み込まれたものなんですね。だから価格が上がったり下がったりするのは、例えば生産量(産出量や収穫量)増減の影響だけでなく、いわゆる投機筋が働いて、私たち一般人にはよく分からん所で価格がアップダウンする、なんていうことも良くあります。入り組んだ複雑怪奇な背景があるのですね。

 日本の輸入先(どこからどれだけ買ってるか)の国別ランキングも、その構成が何だか似ています。石油は1位 サウジアラビア 39.5%、2位 アラブ首長国連邦 32.2%、3位 クェート 9.2%で、サウジとアラブの2トップです。コーヒー豆も2トップになっていて、1位ブラジル 35.0%、2位 ベトナム 27.9%、3位 コロンビア 9,6%。どちらも3位まで似たような割合ですね。

 データをいろいろ書いたので、ちょっと読みづらかったかもしれませんね。でも似ていると思ったのは僕だけじゃなく、コーヒーの世界ではシェア1位のブラジルは「コーヒーのサウジアラビア」なんて例えられたりもします。話が脱線しますが、ベトナムが2位っていうのも意外じゃないですか? ベトナムはロブスタ種という豆の一大産地で、インスタントコーヒーや缶コーヒーの主原料です。普通にドリップするコーヒーにはまず使われないけど、重要な存在のコーヒーです。

自民・公明両党と国民民主党の幹事長で合意した「いわゆるガソリンの暫定税率は廃止する。具体的な実施方法等については引き続き関係者間で誠実に協議を進める」という文言が盛り込まれた与党の税制改正大綱。ガソリン価格が下がる日は本当に訪れるのでしょうか⋯⋯自民・公明両党と国民民主党の幹事長で合意した「いわゆるガソリンの暫定税率は廃止する。具体的な実施方法等については引き続き関係者間で誠実に協議を進める」という文言が盛り込まれた与党の税制改正大綱。ガソリン価格が下がる日は本当に訪れるのでしょうか⋯⋯

 経済の大きな話からリアルな僕らの暮らしへ目を向けると、ガソリンもコーヒーも嫌んなっちゃうくらい値段が上がり始めていますね。円安と戦争の影響あたりは共通かと思います。でもそこから先は各々の事情が。

 ガソリンは価格措置の補助金が打ち切られましたねー。暫定税率廃止と言うけれど、迅速に実行されるとは思えないし、トリガー条項(価格が上がったら特例税率を止める)も凍結したまま発動しないようでは、しばらく上がったきりでしょうかねぇ。しかし価格の40%も税金とか、二重課税とか何なん?

 コーヒー豆の価格高騰はホントにヤバいです。ブラジルとベトナムで起きた干ばつによって、減産したせいですが、長期的に見てもマズい状況。干ばつの自体の直接的な原因は、偏西風の蛇行などいろいろあると思いますが、その大元には地球温暖化による異常気象が潜んでいます。そして異常気象の原因が、化石燃料の使用によるCO2の排出。そして化石燃料といえば石油⋯⋯。2050年には温暖化によってコーヒー豆の生産量が現在の半分になると言われています。うーむ。

 もちろんどちらの世界でもそこにある危機を回避すべく、様々な対策を講じています。実態はなかなか思うようには進んでいないかもしれませんが、それでも人類の英知ってやつを信じたいところです。新しい年へ向けて、一個人でも出来る小さな一歩から考えて見るのも良いかもですね。皆様にとって2025年が良い年となりますように! ではまた。

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