能登の酒を止めるな!被災した輪島市の酒蔵が新潟で酒造り 副原料は震災を“乗り越えた”マツの葉
BSN新潟放送 / 2025年1月15日 14時18分
能登半島地震で被災し酒造りの中断を余儀なくされた石川県輪島市の老舗酒蔵が新潟の酒蔵とタッグを組み酒造りを始めました。
そのお酒の副原料として使うのは、輪島市で地震を乗り越えたマツの葉です。
新潟市北区で福島潟のほとりにある酒蔵『ラグーン ブリュワリー』です。
ここで酒造りを始めたのは石川県 輪島市にある白藤(はくとう)酒造店の白藤暁子(はくとう・あきこ)さんです。
「これ輪島産の酒米なんですけど、整備をできるだけしてフルには作付けできなかったけど、それでも頑張って作ってもらったお米です」
1722年、江戸時代末期に創業した白藤酒造店。
去年の能登半島地震で店舗と事務所が倒壊し全壊の判定を受けました。
窯などの設備も被害を受けたため酒を作ることはできず、貯蔵庫として使っていた蔵も解体が決まっています。
【輪島市 白藤酒造店 白藤暁子さん】「本当は自分のところで忙しくしていて、まったく外にも出ないような状況だったけど今、他の酒蔵に来て作業しているのが不思議な感じがします」
白藤さんが新潟で酒造りをすることになったのは『能登の酒を止めるな!』というプロジェクトがきっかけです。被災した酒蔵と共同で酒を造り販売する取り組みで、復興を支援するプロジェクトです。
ラグーンブリュワリーの代表 田中洋介さんに教えてもらいながらコメを洗う作業をしますが…。
【白藤さん】「本当に重いもん…しばらく持ってないから本当に10キロは…」
【田中さん】「それ11キロです白藤さん」
「11か!」
【白藤暁子さん】「基本的には一緒なんですけど、ちょっとした使う道具とか流れとかが違うので体にしみついてないとバタバタってなる」
共同で造るのは『クラフト サケ』。
お米を原料とした日本酒の製造技術をベースにフルーツやハーブなどの副原料を入れた新ジャンルのお酒です。
今回、副原料として入れるのはこちらのマツの葉。
白藤酒造店のシンボルでもある樹齢200年を超える松の木から選定したものです。
【白藤酒造店 白藤暁子さん】「他のことを何も考えずに酒造りのことだけしか考えてなかったのですごく楽しい時間でした。松葉が茂っているのは震災前と変わらないので復興に向けてのはずみになるような味になるといいなと思います」
【ラグーンブリュワリー代表 田中洋介さん】「このお酒を通じて少しでも輪島に思いを馳せてくれる方が増えるといいなと思うので、そのためにはおいしい酒でなければいけないと思います」
新潟と石川がタッグを組んだ復興につながる新たなお酒、3月中旬に一般販売を目指しているということです。
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