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「前代未聞の事件」維新・元事務局長が“ライバル事務所”に偽名で出入り…被害者・北神圭朗議員(57)が明かした「ぞっとした出来事」

文春オンライン / 2024年9月30日 11時0分

「前代未聞の事件」維新・元事務局長が“ライバル事務所”に偽名で出入り…被害者・北神圭朗議員(57)が明かした「ぞっとした出来事」

現在26歳の松井春樹氏 ©時事通信社

 9月25日、日本維新の会・藤田文武幹事長は、次期衆院選で京都4区からの立候補を予定していた新人の松井春樹氏(26)の立候補辞退を正式に発表した。

 地元記者が解説する。

「松井事務所の事務局長だったK氏が、その素性を隠して、同じ選挙区の北神圭朗衆院議員(57)の事務所に潜り込んでいたのです。潜入は昨年末から今年6月まで、約半年間続いた。他陣営の演説をこっそり聞きに行く程度の偵察ならよくあることですが、他陣営に入り込むなんで聞いたことがない。しかも同じ選挙区で戦うライバル候補の事務所。まさに前代未聞の事件です」

東大法学部→弁護士という経歴の松井氏

 北神氏は、2021年の前回衆院選では、自民党の前職を破り無所属で当選。一方の新人候補である松井氏は、京都の名門堀川高校から東大法学部に進学。卒業後は弁護士として森・濱田松本法律事務所に勤務した生粋のエリートで、昨年6月、当時25歳の若さで日本維新の会から公認を受けた。

「松井君は自ら維新に応募してきた。若くて頭がよく、経歴もピカピカ。我々も飛びつきました。昨年の解散風のとき、選挙を見こして4区支部長に就任させた。将来、党の中枢を背負うと目された期待の新人だったんですが……」(京都維新関係者)

 そんなエリート弁護士の陣営によるスパイ疑惑は、どのようなものだったのか。

北神議員本人が明かした“ゾッとする出来事”

 K氏の標的となった北神圭朗衆院議員(57)本人が明かす。

「去年の11月、K君が、私が受け持つ大学の講座を訪ねてきた。講座が終わっても教室でずっと待っていて、『両親も応援していますし、私も応援していきたい』と。『X』という偽名を名乗り、『僕は工学部で、北神さんの京大の後輩です』と言ってきた。後で維新から説明されたけど、大学すら出ていなかったんだってね。ぜひ私の事務所でボランティアしたいと言うので、12月から街頭演説やいろんな支援者を回ったりした。うちの実家で飯を食わせたこともあります」

 北神氏の信頼を勝ち得たK氏は、こんな“企業秘密”も目撃していた。

「今年2月の京都市長選では、私は松井孝治氏(現市長)を応援していました。集会依頼の電話をK君に手伝ってもらっており、一部ですが、彼は有権者の名簿も見ているんです。ぞっとするのは、北神事務所のボランティアとして何か法律違反したり、選挙違反を仕掛けたり、そういうのもできる立場だったこと。怒りより、信頼を裏切られたショックが大きいですよ」

 学歴、年齢、名前まで詐称し、相手陣営に潜入する大胆さ。実は、K氏の標的になったのは北神氏だけではなかった。

◇◇◇

 現在公開中の「 週刊文春 電子版 」では、K氏によるスパイ活動の手口、松井氏への直撃取材、そしてM-1に出場した松井氏とK氏の関係などを詳報している。

(「週刊文春」編集部/週刊文春)

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