1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 映画

【完全ネタバレ】『ゴジラxコング』東宝ゴジラシリーズへのあふれるオマージュ&類似シーン徹底解説

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年5月4日 12時3分

 原発でエネルギーを充填した後、ゴジラは北極海に移動してマンダを思わせる海棲怪獣ティアマットに戦いを挑む。海中で激しい死闘の末その体を引きちぎったゴジラは、そのままティアマットの洞窟に向かい眠りについた。夏至になると太陽が沈まない北極にあるこの場所で、ゴジラはたっぷり太陽放射を吸収。エネルギーに満たされると、北極の氷を破って地上へと躍り出た。この流れは、氷塊で眠っていたゴジラが目を覚まし氷を破って出現する『キングコング対ゴジラ』(1962)そのもの。ゴジラの動向をモナークの潜水艦が監視している展開も、目ざめたゴジラが潜水艦を襲う『キングコング対ゴジラ』に準じている。

 なお、エネルギーがあふれたゴジラの体が赤くなる“バーニング状態”は、マイケル・ドハティ監督の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)のキングギドラ戦に続いて2度目のこと。バーニングゴジラの元祖『ゴジラvsデストロイア』をフェイバリットにあげるウィンガード監督としては、赤いゴジラを描きたかったのだろう。赤といってもピンクに近いその色は、モンスター・ヴァース以外でもサイケな色彩設計を好んで使うウィンガード監督らしいチョイスだ。

 今作のゴジラとコングは、それぞれのテリトリーである地上と地底で活動する。直接のバトルは、中盤のエジプトで描かれた。コングを目にして猛ダッシュしたゴジラは、タックルをかました直後、ブレーンバスターで相手の巨体を大地に沈めた。このあたりのプロレス技は、昭和ゴジラシリーズ後期で頻繁に目にした怪獣演出。昭和ゴジラや平成VSシリーズに心酔するウィングガード監督らしい展開といえる。ちなみにゴジラシリーズにおいて、プロレスを思わせるケレンミあふれるバトルを繰り広げた最初の作品は『キングコング対ゴジラ』だった。そういう意味でも、本作は伝統を受け継いだ作品といえるのだ。

 コングもやられっぱなしではない。腕のアタッチメントでパワーアップしたコングは、メガトンパンチの連打でゴジラを失神KO。ゴジラの尻尾を背負ったコングは、破壊神の巨体を空洞世界に引きずっていく。ゴジラの尻尾をつかんで強引に投げ飛ばす『キングコング対ゴジラ』を思わせる。本家のコングは倒れたゴジラに馬乗りになって激しくパンチを打ち込むが、ウィンガード版ではすぐにゴジラが目を覚まし放射熱線で反撃。そのままコングに馬乗りになって、ボコボコに殴る様を見せている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください