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【完全ネタバレ】『ゴジラxコング』東宝ゴジラシリーズへのあふれるオマージュ&類似シーン徹底解説

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年5月4日 12時3分

 終わりなき怪獣王バトルに待ったをかけたのはモスラだった。コングと手話で話せる“小美人”ジアと共に彼らの前に現れたモスラは、ゴジラにコングとの共闘を呼びかける。このくだりはゴジラ、ラドン、モスラがキングギドラに挑む『三大怪獣 地球最大の決戦』(1964)と同じ。モスラは激しく戦うゴジラとラドンに、争いを止めみんなで力を合わせようと説得。三大怪獣が手を組んで、宇宙からの強敵に立ち向かった。

 モスラの仲介で休戦したゴジラとコングは、空洞世界でスカーキング率いる極悪エイプ軍団に立ち向かう。そこでゴジラは、地球に氷河期を巻き起こした冷凍怪獣シーモと対峙する。四つ足の冷凍怪獣といえば、まず思い浮かぶのが『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』(1966)のバルゴン。舌先から冷凍液を噴射したが、シーモも口から冷気を吐き周囲を凍結させている。しかし映像化はされなかったが、アンギラスも冷凍怪獣として登場する企画があった。『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』(2001)がそれで、初期シナリオ段階では、護国三聖獣の一体である氷結怪獣アンギラスがゴジラと戦うことになっていた。最終的にアンギラスは見送られたが、背中に氷柱状のトゲが生えてたマケットの写真とともに、バッケージソフトの特典で紹介されている。ゴジラ好きのウィンガード監督だけに、参考にした可能性も捨てきれない。

 なおシーモによってゴジラは氷漬けになるが、『ゴジラvsデストロイア』でもゴジラが凍結させられた。伊方原発に向かったゴジラは、スーパーXIIIの冷凍弾を浴び海底へと沈んでいく。本家では6時間後に再び活動を再開したが、本作ではパワー全開であっという間に氷をけちらし、シーモと戦い続ける姿が描かれた。

 人間たちのパートを最小限にとどめ、怪獣バトルで押しまくる重量級エンターテインメントとして完成した『ゴジラxコング 新たなる帝国』。ドラマ面はコングの比重が高めだが、“絶対ゴジラ派”ウィンガード監督らしく、ゴジラの強さやかっこよさを印象づける作品になっている。ここで触れた以外にも、東宝ゴジラを思わせるシーンやカットは少なくない。それが意図したものか偶然なのかはともかく、本作はさまざまなスタイルで70年にわたって生み出されてきた、ゴジラの奥深さや貫禄をあらためて思い知らされる作品である。

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