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宮崎駿監督の次回作は「昔懐かしい冒険活劇」風か 息子・吾朗監督が言及

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年5月24日 19時10分

 三鷹の森ジブリ美術館の新企画展示「君たちはどう生きるか」展の第二部「レイアウト編」のプレス内覧会が24日に行われ、企画・監修を務めた宮崎吾朗監督と美術館館長の安西香月が記者会見に出席。吾朗監督が展示内容について説明する中、父・宮崎駿監督の次回作について言及する一幕があった。

 映画『君たちはどう生きるか』の米アカデミー賞長編アニメーション賞受賞、開催中のカンヌ国際映画祭でスタジオジブリが名誉パルムドールを授与されるなど、海外での快挙の報(しら)せが相次ぐ中ではじまる本企画。第一部「イメージボード編」から続く今回の内容は「レイアウト編」。アニメーション制作における「レイアウト」とは、カットの背景やキャラクターの位置関係、動きの指示、カメラワークなどが書き込まれたアニメーションの設計図のこと。『君たちはどう生きるか』では、原画担当のアニメーターによって描かれ、駿監督と作画監督が確認・修正を行った。企画展示では、制作過程において描かれた206点の絵が並び、紙と鉛筆による手描き表現の豊かさと、カットにこめられた力と思いを伝える。

 安西館長は「宮崎吾朗監督から『レイアウトを展示しましょう』と相談された時は、レイアウトが制作の書き出しの部分ということもあり、正直言って難しくて分かりづらいのではないかという心配がありました」と正直な思いを告白。「しかし一週間から二週間くらいかけて200枚ほどのレイアウトを飾ったところで、自分でも納得がいきました。宮崎駿監督が描いたイメージボードとコンテを、スタッフの方々が、皆さまに見える映像に置き換えていく作業の第一歩として。監督とスタッフの方々が相談しながら、身に迫るように見えてきました」と手応えを語る。

 さらに「今までは固い紙に描いたものを展示することが多かったのですが、今回はコピー用紙よりも薄い紙に描かれたもので。みんなが鉛筆で描いたり消したり、見直したり、すんなりOKをもらえたりみたいな感じで。手あかや手の汗、消しゴムで消したあとがあったり、決してきれいな紙ではないんです。でもそれを200枚並べてみると、わたしの中では自信を持って皆さまに観てもらうに値する紙なのかなと思えるようになりました」と自負した。

 本作でレイアウトを担当したのは、原画のアニメーターだという。その作業について吾朗監督は「ただし、そのレイアウトは勝手に描くというものではありません。特に宮崎駿監督の場合はかなり詳細な絵コンテがありますので、コンテに基づいて監督、作画監督、場合によっては美術監督を交えて作画の打ち合わせをします。そこでこういうお芝居にしてください、カメラワークなんですといった説明を受けて、原画マンが描く。そして描きあがったものに対して、宮崎駿監督をはじめ、作画監督たちから容赦ないチェックが入る。そこで修正が入った状態ではじめて、次の作業に進むわけです。そういう意味で、現場の苦闘のはじまりが、このレイアウトというわけです」と詳細に説明する。

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