2024年前半の成功作・失敗作…大作が次々コケるも救世主登場
シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年7月6日 6時7分
昨年の俳優、脚本家のダブルストライキの影響もあり、やや貧弱なラインナップを強いられた2024年前半のハリウッド。予定通り公開された期待の大作もぱっとせず、6月初めの段階で興行成績は昨年に比べ20%以上ダウンしていた。だが、先月半ば、ようやく待ちに待たれた救世主が登場して、少し明るいムードに。ここまでの成績表を振り返ってみる。(文:猿渡由紀)
低迷していたボックスオフィスを一気に持ち上げてくれた救世主とは、ピクサーの『インサイド・ヘッド2』。公開初週末に北米だけで1億5,400万ドル(約246億円)を売り上げたこの映画は、公開からわずか19日で世界興収10億ドル(約1,600億円)を達成してもいる。アニメーション映画として、これは史上最速だ。これまでの記録は『アナと雪の女王2』の25日だった。(数字は Box Office Mojo 調べ、1ドル160円計算)
北米で1億ドル(約160億円)以上のデビューを果たしたのも、今のところ、今年はこれが唯一。かつては全ての作品を大ヒットさせていたピクサーだが、パンデミックがあったとはいえ、『バズ・ライトイヤー』をはじめちょっとがっかりな成績が続いていたため、社内も祝福ムードに沸いていることだろう(ただし、最近レイオフがあったので、複雑な気分もあるかもしれない)。
今年前半2番目のヒット作は、『デューン 砂の惑星PART2』。現在までに北米で2億8,200万ドル(451億円)、全世界で7億1,100万ドル(約1,138億円)を売り上げている。ただし、本来は昨年秋公開のはずだった。俳優のストライキで、ティモシー・シャラメやゼンデイヤが宣伝活動を行えないことから、今年に延期されたのだ。この映画は来年のオスカーでも複数部門で大健闘が予想される。延期のおかげで今年、同作と視覚効果賞のオスカーを争わずに済んだのは、『ゴジラ-1.0』にとって幸運だったかもしれない。
『猿の惑星/キングダム』も成功した。世界興収は現在までに3億9,100万ドル(約626億円)。だが、『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』から始まった前三部作の世界興収が全て4億ドル(約640億円)超えで、『猿の惑星:新世紀(ライジング)』は7億ドル(約1,120億円)だったことを考えると、手放しで喜ぶというところまではいかない。今作も新たな三部作を想定しているが、次の製作についての発表は今のところない。
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