『キングダム』王騎VSホウ煖戦は第1作に伏線あり 佐藤信介監督が撮影裏明かす
シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年8月3日 12時2分
原泰久の人気漫画を山崎賢人(※「崎」は「たつさき」)主演で実写映画化したシリーズの第4弾『キングダム 大将軍の帰還』(公開中)で、日本映画では見たことのない超重量級のアクションに挑戦した佐藤信介監督が、その狙いや撮影を振り返った(※一部ネタバレあり)。
紀元前の中国春秋戦国時代が舞台の『キングダム』シリーズは、天下の大将軍になる夢を抱く戦災孤児の少年・信(山崎)が、秦国の若き国王・エイ政(後の始皇帝/吉沢亮※エイは、上に亡、中に口、下左から月、女、迅のつくり)の目指す中華統一のために他国との激戦に身を投じ、武将として成長していくアクション。シリーズ4作を締め括る最終章となる本作では、中華全土にその名を轟かす秦国随一の大将軍で、主人公・信にとって憧れの存在でもある王騎将軍(大沢たかお)と、前作『キングダム 運命の炎』(2023)のラストシーンで衝撃的に初登場した敵将ホウ煖(吉川晃司※ホウはまだれに龍)が、二人の因縁の地・馬陽で、一対一の激闘を繰り広げることになる。
最終章かつ集大成となる本作の大きな見せ場の一つが王騎VSホウ煖の一騎打ち。松橋真三プロデューサーは「今までの日本映画で見たことがないようなヘビー級のバトルを目指しました」「監督は(編集部注:1962年公開の日本映画)『キングコング対ゴジラ』のようなバトルにしたいと」と公式インタビューで述べていたが、佐藤監督の狙いとは?
「原作漫画は中国の史実を基にしてはいますが、ちょっとファンタジーも漂っている。ですから実写映画も史実とファンタジーが混じり合うバランスを取っていて、シリーズごとにテイストを変えながらいろんなアクションをやっていますが、この王騎VSホウ煖戦は、ぶつかってはいけない2つの物質がぶつかり合った時に空間が歪むような感じをイメージしていました。だからアクション監督の下村勇二さんにも、二人が矛を手にぶつかり合った時に本当に次元が歪んでいるように見せる、ちょっと周りの空気や風景が歪んでもいいんじゃないかといった話をしていたぐらいで(笑)」
そんな思いやイメージで撮った戦いが、実際にどう表現されたのかは映画を観てのお楽しみだが、その伏線は実は2019年公開の第1作にあるそう。
「王騎が圧倒的パワーを見せるのは、続編を作れた場合、恐らく4作目位になるだろうと。第1作を制作していた時には続編は全く決まっていませんでしたが、今後こういうシーンがある伏線というか、その片鱗を見せたいという話は、1作目の時点で話していました。とてつもないパワーで、重力も一瞬無視されるような、王騎の計り知れないエナジーの片鱗を見せつけておきたいんだと。それが、第1作のクライマックスの信とエイ政の王都奪還シーンで、最後に王宮に乗り込んできた王騎が大きく矛を振るい、詰め寄って来た衛兵を一掃してなぎ倒すアクション。撮るのはすごく大変だったけど、その王騎の一太刀、一振りに表現していたんです。それで今回も、あえて同じようなカットを撮っています。第1作を始まりとして、時を隔てて第4作に終着させる感じで」
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