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『キングダム』王騎VSホウ煖戦は第1作に伏線あり 佐藤信介監督が撮影裏明かす

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年8月3日 12時2分

 ハイクオリティーのアクションシーンに定評のある本シリーズだが、王騎VSホウ煖のシーンは特に大変だったという。

 「例えば王騎の矛なんて重すぎて片手では持てないのでどうするのかなど、第1作の一振りにはそれだけでもすごく時間がかかっています。今回はその経験も踏まえ、さらにすごいことができるようになっていますが、本格的に王騎の戦い、ホウ煖とのパワーゲームを撮るためにどうするのか。カット割りも多いし、ワイヤーワークやCGも含め、撮影も仕上げ作業も本当に手が込んでいる。大沢さんも吉川さんも練習や撮影で肉体的にも限界まで取り組んでくださったし、僕も下村さんをはじめとしたアクション部、そして撮影後の作業に関わったスタッフも含め、めちゃくちゃ時間をかけています」

 『キングダム』らしさを表現するために、シリーズを通じて原作の画に近づけようという意識はあったのかを聞くと、それは「ない」ときっぱり。

 「原先生の原作の画作りは大好きなのですが、原作をコピーしようと思うと、どういった表現がいいのか、それには何をすればいいのかといったことがわからなくなる(笑)。コピーして縮小再生産になるのは何としても避けたいし、誰も喜ばない。やっぱり映画なりの画の作り方や画の運び方がある。でも、それも監督や作品によってさまざま。自分が撮る『キングダム』として一番いい画の造形に従って撮っている感じです。その上で、(原作ファンに向けた)お楽しみとして、あえて原作と同じ画を取り入れることもありますが、根本的には映画としての画作りをずっとやっています。でも撮った後で、結果的に原作と同じような画になっていることもある。そういったところでは偶然とはいえ、思いが1つになったような何かを感じるものはありますね」

 原作漫画の画に近づけることで、その作品らしさの表現に近づくわけではない。それはこれまで映画『GANTZ』シリーズ(2010・2011)や『アイアムアヒーロー』(2015)、Netflixシリーズ「今際の国のアリス」シリーズ(2020~)など漫画原作の作品も数多く手掛けてきた佐藤監督の言葉だけに実感がこもっている。

 「やっぱり漫画と映画では当たり前ですが、画の構成も思想も何もかも根本的に違う。生々しい人間が動くのと、紙面の中でどう画のインパクトを見せていくのかは、考え方が全く違う。でも、基本的な源流として流れている物語の思想や面白さの根幹において、原作は不動のバイブル。我々はそれをどう映画流に解釈するのかというだけの話。その映画の解釈がどれだけ映画的に濃いものなのかによって、出来上がった映画が、映画としての良さを纏えるかということになる。結局、どう面白い映画にするのかということだけにフォーカスしている感じですね」

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