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ピート・ドクターが語るピクサーの現状と今後!『星つなぎのエリオ』に『トイ・ストーリー5』も

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年8月2日 22時56分

 映画『インサイド・ヘッド2』のプロモーションのために来日したピクサー・アニメーション・スタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)、ピート・ドクターがインタビューに応じ、ピクサーの現状と今後について語った。

 近年、苦戦を強いられていたピクサー。新型コロナウイルスで映画館が閉鎖となる直前に公開された『2分の1の魔法』は思うような成績を上げられず、コロナ禍の『ソウルフル・ワールド』『あの夏のルカ』『私ときどきレッサーパンダ』はストリーミングサービスDisney+(ディズニープラス)での配信、そしてコロナ明けの『バズ・ライトイヤー』が興行的な失敗に終わり、『マイ・エレメント』は最終的な世界興収は健闘したものの、米国内でのオープニング興収の低さが話題になった。今年5月にはレイオフ(企業の業績悪化を理由とする従業員の解雇)も行われている。

 巨額の製作費を前提に、ふさわしいと思えるまで何度も推敲を重ねていくのが質の高さに定評があるピクサーの映画作りの秘訣だ。しかし『インサイド・ヘッド2』の公開前、ドクターは「もし本作が劇場公開でうまくいかなければ、このビジネスのやり方について抜本的に考え直さなくてはならなくなる」と結果によっては“良いものを作る”ことより“安く作る”ことを優先する体制に変えざるを得なくなりそうだとTimeに語っていた。

 ピクサーの命運がかかった『インサイド・ヘッド2』だったが、ふたを開けてみればアニメーション映画史上最大の世界興行収入を上げる、これ以上ない大成功。現在までに世界興収15億2,388万9,769ドル(約2,286億円)を稼ぎ出しており、これは実写を含めても世界興収ランキング歴代10位に入る特大ヒットだ。(数字は Box Office Mojo 調べ、1ドル150円計算)

 ドクターはこの結果に歓喜するのではなく、「とてもほっとしている。心配し始めていたんだ。人々は今も映画館に映画を観に行きたいのだろうか? 家でストリーミングを観ている方がいいと思っているのかもしれない、と」と本音をこぼす。これでピクサーは安泰かとの問いには、「それはわからない。誰にも知りえないことじゃないかな。世界は常に変化しているから。だが、人々が観たい映画を作れば、彼らは今も映画館に行く、ということは感じられた」と楽観視はしていないが、希望は持てたよう。

 「今までになくコンテンツが作られている現在であっても人々はまだ映画館で映画を観たいと思っているのだから、僕たちがやるべきことは“見つけること”。ピクサーがそれに対してどう具体的な答えを見つけるのか。どうすれば僕たちが作りたいクオリティーの映画を作り続けることができるのか。そうするためのお金を手にできるのかを、考えなくてはいけない」

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